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原子力・放射線部会

福島復興支援活動関連

 東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故による影響で、周辺住民が苦しい避難生活を余儀なくされ、また国民の多くが放射線被ばくに対する漠然とした不安を抱える状況の中で、部会員の大多数は各所属組織において直接・間接に事故の早期収束、避難住民支援、汚染状況調査、除染活動、事故や放射線被ばくに関する正確な情報提供等の業務に全力で取り組んでいます。
 部会としては、部会員がそれぞれの立場で職責を全うすることがまずは最重要であると認識していますが、その一方で、震災発生直後から、部会役員間あるいは部会員有志が、メール等でやむにやまれぬ思いを発し、それらの中から具体的な活動が生まれました。
 この頁では、部会として計画的に実施した活動、他団体の活動と連携して原子力・放射線部門の技術士として参加した活動、初めは技術士個人のボランティアから始まった活動が部会としての活動に繋がった活動等の成果を報告すると共に、これからの活動の紹介や協力の要請等を行っていきます。

具体的な活動の事例紹介

 福島復興に関わる部会の支援活動、他団体と連携して原子力・放射線部門の技術士が参加した支援活動、初めは技術士個人のボランティアから始まったがその後部会の活動まで繋がった活動等の事例を、「現地への直接的支援」「間接(本質)的支援」「学び直し」「情報発信」の4つの観点から紹介します。(詳細⇒こちら

福島復興支援活動事例(拡大画像へのリンク)

福島復興支援活動事例

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部会長佐々木聡(拡大画像へのリンク)

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『思い続けるということは、 』

 『あなたの思う福島はどんな福島ですか?』 を目にしたことがありますか?
 震災から5年目を迎えた2016年の翌3月12日に福島県が記した新聞広告です。 『イメージの復興』 への思いを、たった472文字で表しました。 『イメージ通りの福島』 を探すのではなく、『ありのままの福島を見て』 と。7年目を迎えた今、世の中は変わったでしょうか?

 福島は、殆どの場所で日常の生活を送っています。もちろん、放射線被ばくへの不安と向き合いながらの生活はありますし、風評被害の影響は今なお続いています。相双地区では多くの住民が避難し、その影響は深く残り、帰村・帰町した住民も極僅かです。それでも、帰還困難区域は福島県全体の面積の2.7%にまで縮小し、大きな資本投下で動きだしています。これは当時の事故の影響の矮小化ではなく現実です。
 本当は、お米の全袋検査はもはや必要なく、道の駅で買う野菜は安全で、流通には出回りませんが釣った魚も安心して美味しく食せます。普通の水と同じ挙動をするトリチウムだけが残った汚染水は、本当は貯めずに希釈して海に流しても問題ないことも分かっています。でも、福島以外の人々の固定化されたイメージが前進を阻みます。
 私たちは公益確保を旨とする技術士です。原子力関係者として反省が足りないとの非難を恐れずに、技術士として言わせて頂ければ、『イメージ通りであって欲しい福島』や『深刻であって欲しい汚染』、 『危険であって欲しい原子力』 に基づく情報があまりにも繰り返されています。いったい誰のために?でしょうか。

 私共では、福島の事故を振り返るために、毎年3月に『住民目線のリスク・コミュニケーション』という討論型の勉強会を開催しています。そこでは、常に、福島での直接の支援経験や、生の声を聞いたことが無いという意見を耳にしますが、そんな時、私は福島の人々の声は聴こうとすれば満ち溢れていることを伝えます。『福島復興ステーション』、 『福島民報』、 『福島民友』 から福島の状況や人々の関心を追うことは可能です。『福島をずっと見ているTV』 や数々の動画を眺めれば、人々の思いも直接見聞きできます。すると、福島で生活する人々の関心は様々なこと、生活も様々なこと、知識も様々なこと、過去の選択を否定できない思いも良くわかるはずです。
 私は、もはや福島の人々への専門家による一律の情報提供は不要と考えます。『放射線への不安』を口にしなくても済むように、福島の人々にただ関心を寄せ続け、引き出しを増やし、個別の課題で本当に困った時に相談して頂けるように、「片思い」をし続ける努力をすること こそが大切だと思います。
 一方で、福島のことを考え続ければ、自らの落ち度にも、福島県外の人々の認識の乖離にはただ寡黙に対応しても変わらないことにも気づくはずです。そんな時には、『放射線への不安』だけでなく、『ありのままの福島』に関心を持って頂けるように、自らの言葉でさりげなく導いて欲しいのです。そして、差別につながる誤った知識に遭遇した時は、きっぱりと言い切って欲しい。例えば、「福島の子どもたちへの遺伝的影響はないよ」と。

 福島の子どもたちは無用な被ばくを避ける術を身に着け、震災と原発事故の体験を乗り越え、しっかりと未来に向けて成長しています。
 昨年、私たちはスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けた県立福島高校の生徒さんをお呼びし、全体会議(総会)の特別講演会でその研究活動と未来への素晴らしい思いを語って頂きました。2015年にスーパーグローバルハイスクール(SGH)の指定も受けて開校した、ふたば未来学園高校は、自らを変革し、地域を変革し、社会を変革する「変革者たれ」との建学の精神を掲げ、今年初めての卒業生を世に送り出しました。今年4月からは7年ぶりに、飯舘村、葛尾村、川俣町、富岡町、浪江町で学校も再開されます。残るは大人たちです。

 私事ですが、私の母校の校訓は「第三教育」でした。第一の教育は親が教える教育、第二の教育は教師が教える教育、そして第三の教育が、自分が自分に教える教育です。40年が経過しても、技術士としての継続研鑽につながり、しっかりと刷り込まれています。ふたば未来学園高校は、変革の理念として「自立」「協働」「創造」を挙げ、それを校訓としたそうです。卒業生には、きっと生涯刻み込まれるでしょう。そして、福島から日本が再生することを信じてやみません。

平成30年3月11日
原子力・放射線部会
部会長 佐々木 聡

平成28年度以降の主な活動

〔活動の主眼〕
 廃炉の対応、復興(除染〜帰還等)が進んでいる中で、現状の課題をしっかり認識し、技術士として貢献できることは何かを考え実行するための活動に重点を置いた取り組みを展開した(以下のような視点で、福島の現状を伝えるための企画や情報発信並びに技術士としての行動を考えるための企画に重点化)

  • 風評被害やいじめ等に対して技術士としてできること
  • 住民の立場に立った対応が如何に行えるか
  • 中立の立場から正しい知識、最新の福島の状況を伝えること
  • 事故の反省〜忘れてはならないこと。安全確保に向けて取り組むべきこと 等
  • 〔主な活動実績〕
    【福島復興支援のための学び直し】

  • 福島第一原子力発電所視察(H28.5)
    当時、課題となっていた汚染水対策に係る対応(凍土壁など)の取組み、燃料デブリの取り出しに向けての準備、調査の状況、その他、発電所内の放射線環境の改善等の現状確認のための見学会を実施。
  • 廃炉に伴う放射性廃棄物の処理・処分(H28.7)
    将来大きな課題となるであろう、福島第一原子力発電所から発生する放射性廃棄物の処理・処分に係る研究開発の状況と課題についての講演会企画実施。
  • 楢葉遠隔技術開発センター視察(H29.1)
    廃炉に係る遠隔技術開発の拠点として建設された、楢葉遠隔技術開発センターを視察し、VRを利用した技術開発、ロボット技術開発、炉内の止水処置等の対策の検討状況等を確認。
  • 住民目線のリスクコミュニケーション(H27.3〜現在)
    平成27年3月より、技術士自身の行動を考えて年1回継続して取り組む企画で、平成28年3月はロールプレイ、平成29年3月はグループ討議を実施。
  • 福島高校の高校生、教諭との意見交換(H29.6)
    福島で暮らす高校生による自ら調べ伝えようとする取組とその生徒指導の取り組みから、人々の意識や気持ちを理解し今後の支援に資することを目指した。
  • 原子力・放射線以外の技術士等への情報の発信(H28.12)(H29.1)
    事故後の報道で情報が止まっている人々へ福島の正確な実情を伝えることを目的に、CPD中央講座、CPDミニ講座を企画提案し運営協力。
  • 学校教科書のレビュー活動への協力(H26〜継続)

    小中高等学校の理科・社会科の教科書に対し、エネルギー及び福島原発事故と福島の実情に関し客観的な表現で記述されているかを調査。

  • 【福島に係る現状と課題等についての情報発信】
  • 実施した学び直し活動を基に、月刊技術士に「福島第一原発事故の影響と現状、これから」と題したシリーズ掲載(全7回:H28.8〜H29.3)。福島の現状や課題について、各部門の技術士と共有することを目指す。

  • 部会報第19号にこれまでの福島第一原子力発電所事故に係る活動の特集記事を掲載。部会員の福島支援に資するための情報を提供。(H28.12)

  • 【原子力施設の安全確保のための学び直し】

  • 原子力安全の基本的な事項から現行の規制までの内容を含む講演会企画(H28.11)

  • 「最近の地震と原子力施設の耐震設計」に関する講演会企画(H29.1)

  • 女川原子力発電所の現地視察(H29.5)、意見交換(H29.7)現地視察と意見交換を通じて津波を乗り切った背景にある安全文化を探った

  • 国際的な原子力規制の動向、関連する安全への取り組みについての講演会企画(H29.9)

  • 原子力施設の廃止措置の現状と課題‐諸外国の実施状況と反映‐についての講演会企画(H29.11)

  • 平成27年度以前の主な活動


    〔活動の主眼〕
    事故直後の早い時期から、可能な限り直接的支援及びそれに資するための活動に注力した。

  • 相談会、交流会等への参画し、放射線の影響に対する不安、福島第一原子力発電所の状況に対する不安等を持つ住民等に対し、技術士として接し、提供できる放射線に対する基礎的知識に係る情報を提供すること

  • 可能な限り、福島の状況を伝えられるような講演会、シンポジウム等に重点を置いた企画

  • 部会としての事故への反省の思いと支援の取組については、1年後の3月に発刊した部会報第10号(H24.3.31) 及び部会創立10周年記念誌で綴り、記念誌の2-9〜2-12では現地での直接支援活動を特集した。

    〔主な活動実績〕
    【直接的支援】

  • 都内避難住民対象相談会(災害復興まちづくり支援機構)への支援協力(部会有志)(H23.11〜H27年度末まで)報告1報告2
  • 警戒区域内避難対象自治体への支援協力(部会有志)(H23.8〜H24.7)
  • 避難住民の一時帰宅プロジェクトへの参加(部会有志)(H23.6〜H23.9)
  • 除染情報プラザへの専門家としての協力(放射線の基礎に関する講義、小中学校、大学での授業等を含む)(部会有志)(H24.2〜H27年度末まで)
  • H27首都圏シンポジウム「あれから4年震災・原発災害克服の途を探る」参画、報告対応(部会有志)(H27.5)
  • ICRPの第11回福島原発事故による長期影響地域の生活回復のためのダイアログセミナー「測定し、生活を取り戻す」に参加(部会有志)(H27.5)
  • H27.4〜9 福島県海域モニタリング支援(部会有志)(H27.4〜H27.9)
  • 【学びの場の企画・提供、情報発信等による間接的支援】
  • 部会主催意見交換会「原発事故と技術士の役割」開催(H24.3)
  • 技術士フォーラム2013 放射線による被ばくリスクと放射線防護をどう考えたらよいか?」の企画提案・協力(H25.11)
  • 月刊「技術士」に『原子力発電・放射線基礎講座』と題してシリーズ掲載(全6回:H25.9〜H26.3)。
  • CPD教材『原子力・放射線の整理と検討のための資料〜3.11福島第一原子力発電所事故について共に考える〜』の執筆と編纂。(H25.3)
  • CPDミニ講座『コミュニケーション「伝える」と「伝わる」-初等教育と市民への放射線出前授業の経験から―』の企画、運営協力(H26.11)
  • 「北関東地区見学と報告の会」において、懇親の席に福島の被災者と東京電力所属の部会員、原子力学会倫理委員長等が直接面談する機会を設け、当事者間での意見交換。(H28.1)
  • 東北本部建設部会主催「福島原発の現状と課題」における『福島第一原子力発電所の事故による一技術士の避難者支援体験について』の講演協力(H28.2)
  • 防災支援委員会に東日本大震災5年目の勉強会へ提案(H28.2〜H29.3)その1その2
  • CPDミニ講座『原子力ロボットと東電福島原発事故』の企画運営協力 (H28.1)
  • CPD中央講座『東京電力福島第一原子力発電所の事故から5年目、現状と課題をリスクの大小を踏まえて理解する』の企画運営協力。(H28.3)
  • 日本学術会議 原子力総合シンポジウム「福島第一原発事故から5年を経て」への協力(日本技術士会共催)。(H28.3)
  • 日本原子力学会年会における教育委員会企画セッション「福一事故を踏まえ改めて見直す技術士資格 原子力・放射線部門からの提言」を共催。(H28.3) (会員用資料
  • 社会人向け公開講座における原子力・放射線の講義(講師派遣協力等)(H25〜継続)
  • 千代田テクノル見学会(高校生等の研究に貢献したD-シャトル(1時間ごとの被ばく記録が可能)に係る報告含む)(H28.1)
  • このページのお問い合わせ:原子力・放射線部会

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