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APECエンジニア

APECエンジニアとは

企業活動の国際化と共に、技術士も日本国内のみならず広く海外で活躍する機会が増えてきています。
APECエンジニア登録制度は、APECエンジニア相互承認プロジェクトに基づき、有能な技術者が国境を越えて自由に活動できるようにするための制度として創設されました。

APECエンジニア制度の沿革

1995年11月に大阪で開催されたAPEC(Asia- Pacific Economic Cooperation)首脳会議において、「APEC域内の発展を促進するためには、技術移転が必要であり、そのためには国境を越えた技術者の移動が不可欠である」旨の決議がなされました。

これを受けて、APECの作業部会の1つである人材養成部会内に、APECエンジニア相互承認プロジェクトが設置され、技術者資格相互承認の方法についての検討が、開始されました。

2000年11月1日、APECエンジニアの要件が取りまとめられ「APECエンジニア・マニュアル」として公表され、これを基本文書としてAPECエンジニアの枠組みが創設されました。これにもとづいて7エコノミー(日本、オーストラリア、カナダ、中国香港、韓国、マレーシア、ニュージーランド)が、APECエンジニアの登録を開始しました。

その後インドネシア、フィリピン、米国、シンガポール、チャイニーズ・タイペイ、ロシア、ペルーが正式加盟し、現在は14のエコノミーが参加しています。

APECEA

2012年にシドニーで開かれたIEA(International Engineering Alliance:国際エンジニアリング連合 )の総会において、APECエンジニア、エンジニア・モビリティ・フォーラム(EMF)及びエンジニアリング・テクノロジスト・モビリティ・フォーラム(ETMF)の三つの枠組みは、その基本文書について統合化を図るための改定を行いました。その結果、各枠組みの名称を協定(Agreement)と改めるとともに、3つの枠組みをコンピテンス協定(Competence Agreements)と総称することになりました。
APECエンジニアの枠組みはAPECエンジニア協定(APEC Engineer Agreement :APECEA)とされ、これまでのAPECエンジニアの枠組みを引き継ぎました。

また、そのスタンスは従来の「実質的同等性担保のための手続き」という性格から、「国際技術者に求められる資質のベンチマーク」という性格に変更されました。

なお、APECEA加盟の2国間が、業務免許に必要な技術的能力の審査をお互いに免除する協定を締結することは従来通り可能です。これは、政府間の交渉によるものです。

わが国のAPECエンジニア事務局

わが国は、技術者資格の国際的な相互承認の意義及びその影響の重要性に鑑み、当初より本プロジェクトに参加しています。各エコノミーはそれぞれモニタリング委員会を設立して、参加エコノミーが共通に定めた登録要件に基づいて、それぞれAPECエンジニア登録のための審査説明書を作成しています。

日本ではAPECエンジニアモニタリング委員会(以下、モニタリング委員会)が関係9省(当時は関係12省庁)の申し合わせに基づき設置され、その事務局は日本技術士会に置かれています。

モニタリング委員会からの付託を受けて、APECエンジニアのStructural分野のうち建築構造分野は 公益財団法人 建築技術教育普及センター が、建築構造分野以外のStructural分野とその他の分野は日本技術士会が、審査の一部を実施しています。

各エコノミーにおいて設置される各モニタリング委員会の代表等から構成されているのが、APECエンジニア調整委員会で、APECエンジニアの審査要件の整合性の確保や監査、制度の普及等を検討しています。

APECエンジニアの登録分野と対象資格

APECエンジニアとして登録できるAPECエンジニア調整委員会で定められた分野は、現在11分野(*)あります。日本では、このうち「Civil」と「Structural」の分野について2000年11月から受付を開始しました。「Civil」分野の資格は技術士が、「Structural」分野の資格は一級建築士と技術士が対象となります。

2003年11月からは、技術士の「船舶・海洋」「航空・宇宙」「化学」「繊維」「金属」「農業」および「情報工学」の各技術部門について、全部あるいは一部の選択科目を対象として登録申請の受付を開始しました。この場合のAPECエンジニアの登録分野としては、「Mechanical」、「Electrical」または「Chemical」となります。

2006年3月に開催されたモニタリング委員会において、APECエンジニアの11分野すべてを対象に登録することとし、すべての技術部門(選択科目) についてAPECエンジニアの登録申請を受け付けることが確認されました。

(*11分野:「Civil」「Structural」「Geotechnical」「Environmental」「Mechanical」「Electrical」「Industrial」「Mining」「Chemical」「Information」「Bio」)

技術士技術部門-選択科目とAPECエンジニアの技術分野との関係は、「APECエンジニア新規審査申請手続き」のページから「新規審査申請書作成の手引き」をご覧ください。

APECエンジニアになるための要件と審査・登録

APECエンジニアとして登録するためには、「APECエンジニア協定」に記載してある7つの要件に準じた内容を申請書に記入の上提出し、審査を受ける必要があります。

APECエンジニアになるための7つの要件

    1) 定められた学歴要件を満たすこと
    2) IEAが標準として示す「エンジニアとしての知識・能力(International Engineering Alliance competency profile for engineers)」に照らし、自己の判断で業務を遂行する能力があると認められること
    3) エンジニアリング課程修了後7年間以上の実務経験を有していること
    4) 少なくとも2年間の重要なエンジニアリング業務の責任ある立場での経験を有していること
    5) 継続的な専門能力開発を満足できるレベルで実施していること
    6) 業務の履行に当り倫理的に行動すること
    7) プロフェッショナル・エンジニアとして行った活動及び決定に対し責任をもつこと

* 日本技術士会にて受け付けるAPECエンジニア新規審査申請は、技術士に登録されている方を対象としております。

日本技術士会はモニタリング委員会からの付託を受けて、審査業務の一部を行います。申請書類を受理後、まず、日本技術士会APECエンジニア審査委員会(以下、審査委員会)にて審査を行います。審査委員会による審査結果は、モニタリング委員会へ提出されます。 その結果を基にモニタリング委員会が審査を行います。 モニタリング委員会による審査結果は、申請者へ通知されます。

審査の結果要件を満たしていると認められれば、登録申請手続きを行い、登録手続き完了後に登録証が交付されます。また、APECエンジニアは5年毎の更新制としており、更新時にはCPD記録の提出が求められます。

APECエンジニアの登録証と、名刺の作成例(拡大画像へのリンク)

APECエンジニアの登録証と、名刺の作成例

(画像クリックで拡大 23KB)

APECエンジニアへの期待

APECエンジニアの制度は、参加エコノミーが共通に定めた登録要件を満たす技術者について、APEC域内に共通の称号を与えることによって、これらの技術者の国際的な活躍を支援することを目的としたものです。

APECエンジニアの称号は、APEC域内の企業や技術者と仕事をするうえで、自己の技術者としての能力を国際的なものさしで客観的に示すことのできるツールとなり得ます。

APECEA加盟の2国間が、業務免許に必要な技術的能力の審査をお互いに免除する協定については、技術士の一部の2003年7月16日に日豪間で技術士資格の相互承認枠組みについての文書が2003年10月に署名されています。

また、IPEA(International Professional Engineers Agreement)国際エンジニアの要件には、APECエンジニアとほぼ同じ要件が採用されています。

これからも、多くの技術士がAPECエンジニアに登録し、海外に向けて活躍されることが期待されています。

APECエンジニア登録者の声

「名刺にAPEC Engineerと入れており、名刺交換の際に国際的に認められたエンジニアであるとして、初対面でも信頼獲得がスムーズに行えました。」

「名刺に、技術士に加え、APECエンジニアと表示しているところから、発注先より資格内容について聞かれることがあります。その説明を通じて個人および会社の信頼性が向上していると思います。」

「私の分野のAPECエンジニアは日本では登録する人は少ないですが、海外ではこの分野の技術者が重宝されています。名刺にAPEC Engineer(分野表示)と記載していると、賞賛してもらえる機会がありました。」

「インフラ事業関連業務のプロポーザルで国内外の動向をPRする際に、APECエンジニアであることで、説得力が強まりました。」

「業務計画書の資格欄に APEC Engineerと記入したところ、国際的な技術者との認識を先方に持っていただき、通常の技術者とは別格である印象を持っていただけました。」

「APEC Engineerであることで、海外業務のプロジェクトマネジャーから好印象を持たれました。」

「国際学会で発表する際、博士の学位は取得していませんでしたが、自分の立場を示すためにAPEC Engineerと記載することで、当該分野の専門技術者であることを理解していただけた。」

(上記はAPECエンジニア登録更新時のアンケートより。文面を適宜変更・短縮等を行い、日本技術士会ホームページ等への掲出をご承認いただいた方の声です。)

このページのお問い合わせ先:事業部
電話:03-3459-1331

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