1.経緯
@ | 1995年大阪で開催されたAPEC閣僚会議において、APECの発展のためには域内での適切な技術移転が必須であり、技術者の域内での自由な移動を促進することが必要である旨決議。 |
A | 1996年1月、APEC人材養成作業部会でオーストラリアがAPEC技術者資格相互承認プロジェクトを提案し、承認。 |
B | 1997年11月までに5回の運営会議等を重ね、APEC技術者の概念確定と相互承認の枠組みを合意、1998年6月にAPEC人材養成作業部会で承認された。(ステージ2終了) |
C | この間に実施された各国の技術者資格制度の実態調査の結果、各国の制度は相違点はあるものの、相互承認に必要な共通事項を備えていることが判明。 我が国としては「技術士」と「一級建築士」の制度で対応することとなった。 |
D | 1998年11月からステージ3開始。 |
2.APEC技術者資格相互承認プロジェクトの目的
@ | 域内における技術者の資格認定、相互承認について適切な手段を策定し、これを促進すること |
A | 域内各国の技術者団体間の強固な協力関係を有すること |
3.APEC技術者の概念と相互承認メカニズム(ステージ2の結果)
(1)APEC技術者に必要な5要件
@ | 認定または承認されたエンジニアリング課程の修了 |
A | 自己の判断による業務遂行能力の保有 |
B | 7年以上の実務経験 |
C | 重要なエンジニア業務における責任ある役割を2年以上遂行 |
D | 継続的な能力開発の実施
この他、行動規範の遵守も必要 |
@ | 各国においてAPEC技術者を登録するモニタリング委員会を設置 |
A | 各国のモニタリング委員会の活動を調整するための国際的な調整委員会の設置 |
@ | 技術者資格の実質的同等性を認める枠組み |
A | 業務資格を認める相互免除協定(実際上は2国間で締結) |
4.ステージ3の状況及び今後のスケジュール
(1)第1回運営会議(1998年11月、シドニー)
@ | 各国に設置されるモニタリング委員会の具体的な要綱について議論 |
A | 土木、構造、土質、環境、機械、電気、産業、鉱山、化学の9技術分野を当面の分野とし、各国は最低1以上の分野について登録することとされた。 その後、技術分野が整合する2国間において、その分野の業務資格相互免除協定の協議が行われることとなる。 |
B | 当初から参加する国:豪、加、インドネシア、日本、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、タイ、シンガポール
参加する意志のある国:中国、香港、韓国、ベトナム |
(2)調整委員会の準備作業を行うための専門家会合(7月28、29日東京)
@ | 13エコノミーが参加
(豪、加、インドネシア、日本、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、タイ、中国、香港、韓国、ベトナム、パプアニューギニア) |
A | APEC技術者を登録するための審査書(案)が、日本を含め9エコノミーより提出され、各エコノミーの専門家により議論。 |
(3)第2回運営会議及び第1回調整委員会(1999年11月、シドニー)
@ | 参加国:豪、加、香港、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、タイ、ベトナム、パプアニューギニア、米国(オブザーバー) |
A | 第2回運営会議において、調整委員会の構成、機能等について議論の後、調整委員会の設置を決定。 |
B | 第1回調整委員会においては、各エコノミーより審査書(案)の概要、作成状況等が報告(パプアニューギニア、フィリピン、ベトナム、米国を除く)され、技術部門の考え方等について議論。 |
(4)国内対応
@ | 本プロジェクトに的確に対応するため関係省庁連絡会を設置
(1999年1月、事務局は科技庁)。 |
A | 関係省庁の申し合わせにより、モニタリング委員会が設置
(1999年1月、庶務は日本技術士会)。 |
B | 現在モニタリング委員会において、調整委員会に提出するための審査基準、手順などを作成中 |
(5)今後の国際的なスケジュール(予定)
2000年4月 APECエンジニア登録に関する文書(案)を資格当局へ回付
2000年6月 第2回調整委員会及び資格当局によるワークショップ
2000年10月 最終案をとりまとめAPEC人材養成作業部会へ報告