使い捨てカイロはどうして温まるの?

● 発熱(はつねつ)の仕組み
使い捨てカイロに使われているのは、鉄(てつ)を細(こま)く粉状(ふんじょう)にした鉄粉(てっぷん)です。つまり、鉄です。
鉄を濡(ぬ)れたまま放置(ほうち)しておくとサビが出るのは日常よく目にすることだね。これは鉄の酸化(さんか)、つまり鉄が空気中の酸素(さんそ)と反応して酸化鉄(さんかてつ)になる化学反応がおこっています。
化学反応が早くおこるときに出る熱(ねつ)を利用したものが「使いすてカイロ」です。

発熱温度(はつねつおんど)や発熱時間(はつねつじかん)は、通気量(つうきりょう)と中身(なかみ)のブレンド具合でコントロールされているよ。発熱の状態(じょうたい)をよくするために、鉄粉(てっぷん)、塩類(えんるい)、活性炭(かっせいたん)、保水剤(ほすいざい)の粒(つぶ)の細(こま)かさや種類(しゅるい)などをいろいろ工夫しています。外袋(そとぶくろ)をあけると発熱(はつねつ)がはじまるよ。


● 各成分の役割
【鉄粉(てっぷん)】
サビることにより発熱するよ。
【水・塩類】
鉄粉(てっぷん)のサビる速度を速めるよ。
【活性炭(かっせいたん)】
冷蔵(ぞう)庫のにおいを取る成分。空気中の酸素(さんそ)を吸着(きゅうちゃく)して、酸素の濃度(のうど)を高めてる。「鉄分(てっぷん)が早くサビる]
【保水剤(ほすいざい)】
水で鉄粉がベタベタするのを防ぐために水を含ませておくものだよ。観葉植物(かんようしょくぶつ)の保水土として利用されるバーミキュライトが使われることが多いね。

● 反応式(はんのうしき)
難しいね…。


● 使い捨てカイロの歴史
昔は石を温めて使用していたよ。使い捨てカイロはお父さん・お母さんが子供のころに売りだされているね。


● 使い捨てカイロによる低温やけどに注意
さわっていてあたたかく心地よいと感じる60℃くらいの温度でも、1分間ふれ続けるとやけどをするよ。これが「低温やけど」とよんでいます。50℃でも3分間ふれ続けると低温やけどになるので注意してね。
痛みや赤みの症状がでたら、流水・こおりで冷やしましょう。痛みがつづく場合、見た目より重い場合があるので、早めにお医者さんへいってね。
 【注意点】
 ・ ちょくせつはだにあてない。
 ・ あたっている場所を押さない。
 ・ 一ヵ所に長時間当てない。
 ・ 熱いと感じたときはすぐにはずす。
 ・ ねる時の使用の際は注意する。

● 使い捨てカイロを捨てる時は
使用後の「使いすてカイロ」の処理については、東京都では燃えないゴミとして処理しているが、住んでいる自治体(じちたい)によって処理方法(しょりほうほう)が異なる場合もあるよ。お父さん・お母さんに捨て方を確認してもらってね。

● 使用済みカイロの有効利用法(ゆうこうりようほう)
捨てる前にこのような利用方法もあるよ。

消臭剤(しょうしゅうざい)につかう
含まれている活性炭(かっせいたん)は臭(にお)いを吸着(きゅうちゃく)する性質があるよ。冷蔵(ぞう)庫のにおいをとる成分と同じだよ。靴箱(くつばこ)に入れるといやな臭いを取ってくれます。
でも、効果には限界があるので、薄れてきたと感じれば交換(こうかん)しましょうね。

ガーデニングにつかう
保水材や鉄は土壌改良剤(どじょうかいりょうざい)として使えるよ。植物の成長に良くない塩が入っているので、コーヒーフィルターをろ紙として、水をそそいで塩を洗い流してから使ってね。

カイロが温まるしくみ、分かったかな?

~参考:日本カイロ工業会HP~


他(ほか)の実験(じっけん)も見(み)てみよう!