ナビゲーションを飛ばしてコンテンツへ
  • 原子力・放射線部会のホーム
  • 地域本部・県支部・部会・委員会
  • 公益社団法人日本技術士会
  • RSSについて
原子力・放射線部会

過去の部会長の新年挨拶(2015年度〜2018年度)

部会長佐々木聡(拡大画像へのリンク)

(画像クリックで拡大 125KB)

新年のご挨拶(2018年度)

技術士会 原子力・放射線部会
部会員の皆様

 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

 今年は、技術士の試験制度改正の年です。これは技術士受験者の問題であるだけでなく、技術者の生涯に渡る人材育成において、技術士資格をどう位置づけるのかという制度設計の転換であり、有資格者の皆様にも、資格の持つ意味に関し意識改革を迫られるものでもあります。
 昨年は部会報で特集し、部門別コンピテンシー検討WGを組織する等、数々の検討を進めてまいりました。社会との関係に基づくコンピテンシーの概念は、原子力業界こそ広めるべきものであり、いよいよ皆様方に、身近な人々への広告塔としての活動をお願いする時がきました。

 さらに、ご承知の通り、現在、文科省の技術士分科会制度検討特別委員会国際的通用性検討作業部会にて、技術士制度の課題について議論が重ねられています。抽出された28の課題のうち、技術士資格更新制が制度化され継続研鑽が義務化されることはほぼ確実になります。
 資質向上の責務を果たされている皆様方がお困りになることはありませんが、一方で、原子力施設の多くは、技術士会の既存の枠組みに入りにくい拠点に立地しています。これらに在住する会員の皆様にIPDやCPDの機会を行き渡らせるために今から準備していかねばなりません。
 また、遠隔地の自治体等から技術士を目指す人々や会員外の技術士の方々も視野に、情報提供の機会を広く整備する必要もあります。このために、昨年度は、先ずは会員の皆様方との「連携」をテーマに活動を進めてきました。

 例えば、地域本部や県支部以外でskypeにより講演会の配信を受ける仕組みや、コンテンツの充実、皆様方への発表機会の創出、交流会の開催、アンケートの実施、さらに企画に関与できる仕組みも現在整備中で、幹事ともども知恵を絞っております。
 役員会も昨年6月からのペーパーレス化に伴い、会員の皆様にも議論の詳細を知って頂いて、ご意見やご提案、参加機会の検討にご活用頂くために、議事録委員会報告に加え、全ての役員会資料を公開しております。S幹事登録してweb参加すれば、資格更新制を視野にCPDポイントへの加算も可能になります。是非、ご検討ください。

 最後に、部会設立15年企画の一つとして、「技術士として福島復興に寄せる想い」と題した部会報臨時増刊号を、今年の3月11日に、幹事17名とS幹事20名全員で執筆致します。また、部会員の皆様への投稿を募集する同報メールも、近々、発信されると聞いております。
 私も毎年、当時の思いを手繰り、今を慎重に確認しながら311メッセージを記すことで、技術士としての思いを新たにしております。皆様方もご執筆頂ければ感慨深いものがあるはずです。さらに、毎年3月恒例の意見交換会も開催する予定ですので、是非、ご予定に組み入れて頂ければ幸いです。

 この新年挨拶をお読み頂けた方の多くは、技術士として多くの経験をされている方々のはずです。一方で、『技術士として』を日々の生活で思い起こさなくなった方もいるはずです。技術士に合格した時の喜びと決意、福島の事故に遭遇した時の無念さ、技術士として社会に貢献したいという切実なる思い、年初のこの機会に、もう一度振り返ろうではありませんか。
 世阿弥の風姿花伝にある「年々去来の花を忘るべからず」は、まさに私どもの学び直しへの決意を支えてくれる言葉です。ともに頑張りましょう。

2019年1月1日
原子力・放射線部会
部会長 佐々木 聡

新年のご挨拶(2017年度)

技術士会 原子力・放射線部会
部会員の皆様

 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
 私は、2015年6月以来、今後10年の活動方針をベースに、原子力・放射線部門の技術士としての目標を共有し、部会活動との繋がりを意識して頂くための「2つの見える化」の取り組みを進め、技術士個人の意識改革と部会の役割の明確化に努めてきました。これまでの取り組みと本年の活動については、月刊PE特集号に執筆致しましたので、そちらをご覧頂ければと思います。今年は、部会員の皆様との新たな関係構築を目指し、参加することの意義を感じられる活動と仕組みを目指す所存ですので、宜しくお願いいたします。
 さて、今回は私個人のお話をさせて頂きたいと思います。
 私は、2014年の5月に交通事故に遭遇し、2か月の入院を余儀なくされました。多くの方々にご迷惑をお掛け致しましたが、福島の事故以来、置き去りにしてきた文献を読破し、考える時間を捻出できたことは成果であり、その時、学ぶべき情報には2種類あることを明確に意識しました。 一つは、知識や経験に役立つ原著論文や解説、現場の一次情報であり、この重要性は誰もが認識しています。もう一つは『考える材料としての情報』です。多くの技術士の方々には当たり前かもしれませんのでお恥ずかしい限りですが、私にはこの時でした。 私はそれ以来、巻頭言やコラムや広報誌等、読者を意識し筆者の意思の明確な文章に時間を割くようになりました。彼らの課題認識と熟慮の過程は宝の山であり、事実関係そのものよりも、社会のニーズを意識し自らの立ち位置や活動を熟慮するために大いに役立つからです。
 本年の正月は、原子力委員会のメルマガから、岡芳明委員長の執筆(2014/4〜、計30編)にじっくり目を通すことを課しました。各時期、幅広い話題に隠れたものから、まとめて読むことで哲学が浮き上ることを期待したからです。案の定、そこは技術士にとっての宝庫でした。
 特に、国民が腑に落ちる形を目指した情報発信の体系化(トレーサビリティや橋渡し情報、メディアをつなぐしくみ)や原子力専門家に対する人材育成(能力や俯瞰力の向上、知見の統合)はまさに我々の理想と合致しております。
 また、異論を述べるための能力を涵養せよとの専門家に対する鼓舞は、我々技術士の学び直しの取り組みに共通するものを感じました。そして、明らかに専門外と思われる課題も自身が学び、果敢に挑戦している姿勢は、正に異論を述べるための努力を実践していると思われました。
 部門設立時や福島原発事故直後と比べ、一人ひとりが技術士への期待を考え、活動への具体化を検討する機会が減っているのではないかと危惧しておりますが、潜在的なニーズは明らかに存在しています。私たちがそれを意識し、考え、自らを磨き、活動に取り込むことができるかどうかが、真の意味での技術士の社会からの認知の鍵を握っていると考えます。
 今後とも、一緒に考え悩み、技術士としての社会への貢献を実践していきましょう。宜しくお願いいたします。

2018年1月4日
原子力・放射線部会
部会長 佐々木 聡

新年のご挨拶(2016年度)

技術士会 原子力・放射線部会
部会員の皆様

 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

 昨年11月、文部科学省 科学技術・学術審議会 技術士分科会にて、技術士試験制度改革案が審議されました。第二次試験の択一式試験の廃止や選択科目の96から69への統合等が、早ければ平成30年度に導入されます。

 原子力・放射線部門は、「原子炉システム・施設」、「核燃料サイクル及び放射性廃棄物の処理・処分」、「放射線防護及び利用」の3科目へ統合されること等、ご存じの方も多いと思いますが、皆様には、「今後の技術士制度の在り方について(案)」そのものに目を通して頂きたいと思います。

 本改革や一次試験の大括り化の議論の骨子は、技術者のキャリア形成における技術士の位置づけと、技術士に求められる資質能力(Professional Competency)のための制度設計に集約されます。さらに注目して頂きたいのは、技術部門別PCの必要性が記されていることです。

 昨年の挨拶で、皆様にコンピテンシーの再認識と、社会との対話を担うために必要な見識を広めるための「学び直し」をお願い致しましたが、各々で原子力・放射線部門のPCを考えることが、集団としての哲学につながります。本資料はその参考になるはずです。宜しくお願い致します。

 部会の役割については、技術士個人を支えることと戦略的な情報発信についてお話し致しましたが、昨年は2つの取組に重点を置きました。一つは部会の二つの見える化、もう一つはそれを実現するための体制の見直しです。先ずは体制の見直しからお話し致しましょう。

 昨年の全体会議で、総務/企画/広報/会計の4班から企画運営班、情報発信班の2班体制に変更したことをご報告致しました。この狙いは、個人の学び直しを支援するための企画運営と情報発信を一元管理することと、「部会目標の見える化」にあります。

 社会の関心も我々に必要な資質も多岐にわたります。そこで個々の企画運営よりも先に、社会との対話を意識したその時点の「学び直しの全体像」を提示することこそが重要と考えました。軌道に乗れば、部会員からの情報や意見の収集、議論の場を提供する仕組みにもつながると考えます。

 企画そのものが原子力・放射線部門の技術士のブランド戦略と、技術士個人への意識づけにつながれば、そのまま戦略的な情報発信につながります。媒体を通じて1F事故の真摯な反省をベースに「継続的な学び直し」と「住民目線」のキーワードが伝わるように組み立てています。
 さらに、認知度向上と技術士支援についても、技術者のキャリア形成スキームを意識した見直しを年末より着手致しました。本年の全体会議では、『今後10年の活動方針』の下で、従来からの活動と『「活動方針」を踏まえた8つの新活動計画』を融合した姿でお示しできると思います。

 もう一つの見える化は、年度内の部会活動の流れや個々の部会活動の位置づけを10年先の部会目標とつなぐ「部会活動の見える化」です。これは、単発的にしか活動に参加できない方、特にS幹事の方々の動機づけのために必須な取り組みと思っております。
 そのためには、10年先ではなく、3年後ぐらいで原子力・放射線部門の技術士が達成すべき目標をマッピングとして提示し、星取表を埋めるように年度活動を示すことが重要と考えます。こちらも全体会議でお示しすることが目標です。
 本年度は第二次試験の筆記試験合格者が29名、第一次試験合格者は100名で全部門中最高の合格率70.9%で微増致しました。今後とも、皆様の背中を見て技術士に憧れを抱く方が増えますように、技術士としての社会への貢献を実践して頂けますことを宜しくお願い致します。

2017年1月4日
原子力・放射線部会
部会長 佐々木 聡

新年のご挨拶(2015年度)

技術士会 原子力・放射線部会
部会員の皆様

 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
 昨年6月に部会長を引き継ぎ、半年が経ちました。この間、桑江前部会長がとりまとめた『今後10年の活動方針』と『「活動方針」を踏まえた活動計画』を継承してきましたが、私としては、二つの主張を、機会ある毎に、繰り返すことを心掛けました。一つは、技術士個人へ期待することを示すこと、もう一つは、職能集団としての原子力・放射線部会が担うべき役割を示すこと、です。

 部会設立当初から、私たちは技術士の制度活用に向け取り組んできましたが、有資格者の数の確保が壁になりました。期待が実現せず合格時の期待感が薄れている方も多いかもしれません。しかし、東日本大震災に伴う東電福島第一原発事故を経て、技術士としての社会との対話の担い手としての役割が以前よりも重みを増しました。そして、福島支援の経験から、人々からの信頼回復は、組織の見え隠れする専門家ではなく、個人への信頼であるという微かな希望も生まれました。技術士への潜在的な期待は大きいのです。このような時だからこそ、技術士を目指す人のために、有資格者が生き生きと活動する背中を見せねばなりません。

 皆様が技術士を目指した頃を思い出して下さい。学会誌や白書を読み込み、引き出しを広げて自身の言葉で主張すべく努力したはずです。それでも、福島支援の中で、想定外の質問や、疎覚えてはいても適切に答えられない経験を数多くしたと思います。今、私たちが技術士として行うべきは、社会との対話を意識して、必要な知識を広げ、適切に対話するための訓練を継続することです。これが、私たちが提唱している「学び直し」です。
 技術士に求められている資質、例えば国際エンジニアリング連合(IEA)の専門職としての知識能力(Professional Competency Profiles)では、特定の専門知識よりも実社会の課題対応を重視した広い視野と社会性を求められています。日本のPEが真に国際相互認証に値するには、その哲学を理解すべきです。技術士は資格を取得して完結しません。技術士の看板を背負えば、期待に応えるべく生涯学び続けねばならないのです。「技術士という資格」が貴方に与えてくれるものを待つのではなく、「技術士という資格」を高めるために貴方に何ができるのか?技術士として社会にどう貢献するのか?を考え続けて下さい。そして、一人ひとりが世に出て行動することを期待しています。

 技術士会 原子力・放射線部会の「努力」についても触れなければ公平ではありません。私は、上記のような個人の技術士を支えることが部会の役割と考えます。 (1)個人の経験を共有すること、(2)学びの負担を分担すること、(3)個人活動の支援となるように技術士の哲学を情報発信することを重視して、そのための取り組みに着手しました。その目標は、技術士と言うブランドイメージが世の中に浸透し、真に信頼を得ることです。

 部会が所持する主な情報発信媒体は、HP、例会講演会、部会報です。HPはH26年度迄に迅速な情報発信とアーカイブ機能の両方の役割を持つ媒体として大凡整備致しました。部会報と例会講演会は、これまでも個々には検討を重ねて企画しておりますが、現在の取り組みは、講師選定、部会報の企画を通じて、部会の主張をより鮮明に示す事です。まだ取り掛かったところですが、是非、変化を感じてください。
そして、もう一つの取り組みは、技術士会特有の情報発信、即ち他部門を介した情報発信です。技術士には、ご承知の通り、自然科学分野をほぼ網羅する20部門(総監を除く)があり、一種の社会の縮図です。しかも各々の技術士がその分野における強力な情報発信者なのです。他部門の技術士も賛否を問わず原子力・放射線の問題を考えられるように、中立な情報を発信することも重視すべきです。このための強力な媒体は本部主催のCPD講座と月刊技術士であり、部会として継続的に企画協力を行っていきます。ちなみに、3/12日に福島関連のCPD中央講座を企画協力致しました。ぜひ、皆様もご参加し、自身が情報発信者になってください。

 最後に、このような活動を支える部会員も募集しております。これまでも、趣旨には賛同しても、幹事として継続的に活動に参加することは困難との声を聞いておりました。そこで、昨年、あるテーマ・期間に限定して、活動にご参加頂くための『S幹事制度』を発足いたしました。従来の活動協力との違いは、S幹事には幹事と同じメーリングリストにも登録して、HP上でもお名前を掲載することです。これにより、幹事内の熱い思いにも触れるとともに、人脈も大きく広がるはずです。そして、もし、さらに貢献できると思った際には、是非、幹事にも手を挙げてください。皆様からのご協力を期待しております。宜しくお願い致します。

2016年1月4日
原子力・放射線部会
部会長 佐々木 聡

このページのお問い合わせ:原子力・放射線部会

ページトップへ