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金属部会

金属部会セミナ9金属最新技術議事録(2023/9/10)

2023年9月度 金属部会CPD技術セミナー9「金属最新技術」議事

日時 2023 年9月 10 日(日) 13:00~16:30

場所 ZOOMによるウェブ会議

参加者

参加者75人 (正会員:71人、準会員:3人、非会員:1人)
講師:櫻井理孝、藤澤龍太郎、山崎一正
金属部会員参加者:37人
荒城昌弘、安齋英哉、石田正雄、井上哲也、奥村貞雄、加藤友則、金内良夫、狩野陽、河合保幸、川村明、川本明人、栗原朋之、小竹健、小林経明、小森光徳、笹口裕昭、滝本淳、竹本統、田代博文、田中和明、田中勇人、中嶋宏、中村隆彌、中山佳則、仁平宣弘、野口利光、埜本信一、平賀仁、平野富夫、蛭田修平、藤井淳、藤間美子、細谷佳弘、牧野真一、宮内憲一、山本尚三、渡邉喜夫
金属以外会員:35人
機械、建設、化学、繊維、衛生工学、電気電子、情報工学、応用工学、経営工学
座長
中山佳則金属部会副部会長

1講13:00-

講師:櫻井理孝氏 JFEスチール株式会社西日本製鉄所福山地区
講演:「自動車車体へのハイテン適用・開発状況と周辺技術」
要約
自動車の軽量化と衝突安全性を両立するため、ハイテン(高強度鋼板)が適用される。衝突安全基 準の多様化・厳格化、環境規制強化が年々進む中、ハイテン使用比率の拡大と高強度化が求めら れてきた。高強度化に伴い、プレス成形が難しくなる等の課題に直面するが、材料開発・車体生 産技術・周辺技術の進化により、より強度が高いハイテンが、実用化されてきた。そこで、自動 車車体へのハイテン適用・開発状況と周辺技術について報告する。 車体のフロントおよびリア側には衝突エネルギーを吸収するために、安定した圧壊特性が求めら れる。これに対し、車体中央のキャビン部分には乗員を保護するために、高い変形耐性が求めら れる。EV に対しては、電池パックを衝突から守るために、電池の周りを超高強度ハイテン部品 で固めて変形させない、ルーフへ超ハイテン部品を適用し、重くなった車が横転した時にキャビ ンをつぶさない、ことが必要となる。 ハイテンの材料開発は、複雑な形状の部品やエネルギーを吸収させる部品に適用するため、バー リング性、伸びや穴広げ特性を向上した、高い成形性を有する「高加工性の方向」と、変形させ ない部品に適用するため、引張強度が高く降伏点の高い「高強度化の方向」に分けられる。 キャビン部を極力変形させない部品には、1.3~2.0GPa 級の「熱間プレス」材が多く適用され、 成形荷重が小さくプレス成形が容易である、スプリングバックが起こらない、という長所を活用 している。一方で、高価である、大型設備となる、生産性が低い、酸化する、などの短所もあ る。従って、極力 1.5GPa 級の「冷間プレス」材の採用を拡大し、難成形部位へは「熱間プレ ス」材を適材適所で使用する、という考え方となっている。 超ハイテン材の冷間プレス成形の課題には、「われ」「しわ」「寸法精度」がある。この他に、強 度が高いために成形荷重が高い、面圧が高くなるためにプレス金型の摩耗・損傷が激しい、プレ ス加工時の騒音が大きい、などの課題もある。部品によってプレス成形、組み立て、製品として の質などに千差万別の課題が現れる。鉄鋼メーカーでは、成形性の優れるハイテンだけでなく、 これらの実車適用時の課題を解決するソリューション技術も提供している。自動車メーカー、部 品メーカー、素材メーカーが協力し、コスト、生産性、既存設備活用などの観点で、冷間超ハイ テンの適用技術開発が進められている。

第2講14:10-

講師: 藤澤 龍太郎氏 北海道エコリサイクルシステムズ(株)
講演:「家電リサイクルにおける金属リサイクルの実状」
要約:
家電リサイクル法が施行されて、今年(2023 年)で 23 年目を迎える。当初、世界初のリサイクル料金、後払い制を取ったため、不法投棄の増加等、回収が軌道に乗るか危惧された。しかし、法律の施行後、回収も順調に進み、2023 度中には全国の累計引取り台数が 3 億台の大台に達する見込みである。回収された廃家電は、全国に存在する 45 の家電リサイクル工場で、地域毎に、それぞれの方法でリサイクルが実施されている。細部は異なるが、基本的には まず手分解より廃家電を解体し、有価性のある部品、単一素材の樹脂、機械処理が難しい処理 困難物を回収する。たとえば、ハーネス、モーターや熱交換器、基板などの部品、樹脂で言うと野菜ケースや洗濯機の水槽などの PP、冷蔵庫棚の PS などの単一素材品である。手分解後、 それ以上、分解できない大きな筐体等は、まず破砕機で破砕し粒度を調整した後、磁力選別 機、うず電流選別機等の選別機を用い、選別を行っている。回収される部品・素材には多くの有用な材料が含まれ、再び素材として再利用されている。今や日本のリサイクルの大きな一翼 を担う様になった家電リサイクル事業だが、まだまだ認知度は低い。そのリサイクル の状況を紹介し、その中で、特に家電製品に使われている金属(鉄、銅、アルミニウム)の再 生の状況、課題を紹介しながら、家電リサイクルの未来を探った。

第3講15:20-

講師:山崎 一正氏MTS 山崎技術士事務所
講演:「マグネシウム合金を取り巻く状況と新しい技術」
要約
マグネシウム合金は、アルミニウムへの添加材、鉄鋼の脱硫剤などへの需要が多いものの、構造用 金属材料の中では最も軽く、軽量化を可能にする材料として注目が集まっている。金属としてのマグ ネシウムの特徴を紹介するとともに、一昨年の地金の価格高騰などによりマグネシウム合金を取り巻 く環境は大きく変化しているので、その状況を紹介した。また、かなり昔から自動車への鋳造材とし ての適用は進んでいたが、最近では自動車のホワイトボディーへの適用も進められているので、その 一端を紹介した。特に各国で進められた自動車軽量化への取り組みを紹介した。さらにリチウムイオ ン電池に替わる新しい電池としての期待も高まっている。

今後の予定(直近1ヶ月の活動)

9月17日(日)「企業内技術士勉強会」(第5回目)
9月24日(日) 金属部会定例部会(9月分)
10月01日(日) 幹事会
10月08日(日) 金属部会CPD技術セミナー10「独立・開業」
10月15日(日)「企業内技術士勉強会」(第6回目)
10月22日(日) 金属部会定例部会(10月分)

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