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金属部会

金属部会セミナ8熱処理議事録(2023/7/09)

2023年7月度金属部会CPD技術セミナー8「熱処理はこんなに面白い」議事メモ
「日本熱処理技術協会・金属部会コラボ企画」
日時
2023年7月09日(日)13:00~16:00 場所ZOOMによるウェブ会議+機械振興会館211
参加者
参加者73名(含む講師)、 金属48名、他部会25名(機械、電気電子、建設、情報、経営工学、衛生、化学、上下水道)
正員:69名、準員4名

講師

:
南部紘一郎、蛭田修平、鈴木健
金属参加者: 荒城昌弘、安齋英哉、池ノ谷秀行、井尻哲也、井上哲也、内山真明、岡田恭明、小熊広之、 奥村貞雄、加藤友則、狩野陽、河合保幸、川村明、川本明人、桐原端史、小竹健、後藤 稔、小森光徳、笹口裕昭、鷹合滋樹、滝本淳、田中和明、鳥形啓輔、中川高則、中嶋宏、 中村晋也、中村隆彌、長屋五郎、中山佳則、野口利光、橋本英樹、橋本やすみ、林保之、 平石誠、平賀仁、平野富夫、藤間美子、細谷佳弘、松永榮八郎、宮内憲一山崎一正、山下 正和、吉田義昭、渡辺正満、小林経明、山科公英、

座長

一般社団法人日本熱処理技術協会(JSHT) 元専務理事(現在幹事)、日本技術士会金属 部会幹事細谷佳弘氏

1講13:00-

講師:蛭田修平氏(株)特殊金属エクセル新機能材料開発本部AM(金属部門) 講演:「冷間圧延鋼板における熱処理を活用した特性制御技術」
要約 金属材料の冷間圧延加工は、得られる製品の美麗性や寸法精度に優れ、また連続的な加工 が可能なため大量生産に適した手法である。(株)特殊金属エクセルは1940年の創業以来、 一貫して冷間圧延加工を中心とした精密金属材料の製造・販売に従事してきた。冷間圧延 加工によって製造される帯材は、その材質や寸法、機械的性質などの諸特性をお客様の要 望に応じて作り込んだ後に提供され、自動車や電子機器、刃物など多岐に渡る分野で使用 されている。そのような冷間圧延加工を用いた製造工程において、熱処理は金属材料の厚 みをより薄く潰し込んでいったり、様々な特性の向上や新たな特性を付与するために無く てはならない技術である。その一例として、冷間圧延加工により加工硬化が進み、これ以 上の加工が困難となった際に材料を軟化させて再び圧延加工を可能にさせる焼鈍加工や、 ばね用途などの高い強度が求められる場合にその強度や耐久性を向上させるテンパー処理などがある。冷間圧延加工と熱処理の技術を組み合わせることで、独自の高付加価値材料の開発を行ってきた。本講演ではその事例について紹介された。

第2講14:00-

講師:鈴木健氏日本発条(株)主管(金属部門) 講演:「自動車用懸架ばねの熱処理 ?乗り心地を陰で支えるコア技術」
要約: 自動車用懸架ばねは、車体を支えながら、路面からタイヤに伝わる衝撃を吸収すること で、乗員に快適な乗り心地を提供する。懸架ばねの形状は、取り付けられる車の種類など に応じて重ね板ばねやコイルばね、トーションバーなどがある。懸架ばねに求められる特 性には、耐疲労性や耐へたり性、軽量化などが挙げられ、熱処理が重要な役割を果たす。 耐疲労性の向上にはショットピーニング処理が、耐へたり性の向上にはセッチング処理が それぞれ用いられる。一方、ばねの軽量化は、車から排出されるCO2量を削減できるた め、環境問題への対策として有効であり、近年ばね鋼の引張強さは2GPa程度まで増加す る場合もある。懸架ばねの熱処理は、ほとんどが焼入れ焼戻しであるが、一部の重ね板ば ねでは加工と熱処理を組み合わせた改良オースフォーミングが用いられ、特性向上を図っ ている。これらのばね特性の維持・向上の取組みは、熱処理の大切さとともに、おもしろ さも感じさせてくれる。今後の懸架ばねの熱処理は、規格ばね鋼の機械的特性の向上を 狙った技術の深耕や、コンピュータシミュレーションや人工知能などを用いた新しい技術 の有効利用のほか、高周波誘導加熱や通電加熱などを利用したカーボンニュートラルへの 貢献も期待される。

第3講15:00-

講師:南部紘一郎准教授大阪産業大学工学部機械工学科南部紘一郎准教授(機械部門) 講演:「熱処理ひずみを考慮した初期形状設計手法」
要約 金属材料の高強度化のために、浸炭焼入れ処理や窒化処理をはじめとした熱処理を利用し た表面改質処理が様々な機械要素部材に使用されている。一方で、特に浸炭焼入れ処理で は焼入れ過程においてマルテンサイト変態による表面近傍の硬さの向上が得られるが、fcc 構造からbct構造への結晶構造の変化を伴うため、処理前後においてひずみが生じる。そ のため、ひずみを除去するためには後加工が必要とされるが、処理コストの増加や硬化層 の除去を伴うため後工程をなくしたいという潜在的なニーズがある。 そこで本研究では焼入れ後に目的形状となるような焼入れひずみを考慮した最適初期形状 の設計に着目した。最適初期形状設計のために、D最適計画法によるモデルの作製、熱処 理ひずみシミュレーション、応答曲面法による最適化を実施した。 最適化モデルとして2次元平板モデルを対象とし、上辺と右辺の形状をD最適計画に基づい てモデルを作成した。作成したモデルは80パターンである。これらのモデルについて熱処 理ひずみシミュレーションを実施し、熱処理後の変位の平均二乗誤差を算出した。各モデ ルの平均二乗誤差から応答曲面を作成し、変位の平均二乗誤差が最も小さくなるような最適化モデルを作成した。このモデルについて熱処理ひずみシミュレーションを行った結 果、熱処理後に目的形状に近い形状を得られることができた。

今後の予定

7月16日(日)「企業内技術士勉強会」(第2回目) 7月23日(日) 金属部会定例部会(8月分)、役員会 7月30日(日)「企業内技術士勉強会」(第3回目)
8月06日(日) 幹事会
8月13日(日)「企業内技術士勉強会」(第4回目) 8月20日(日) 四部会合同講演会「繊維・化学・金属・資源のまほろば」 8月27日(日) 金属部会定例部会(8月分)

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