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建設部会

2026年4月 建設部会講演会(報告)

写真ご講演の様子1(拡大画像へのリンク)

写真 ご講演の様子1

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写真ご講演の様子2(拡大画像へのリンク)

写真 ご講演の様子2

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■開催日時:2026年4月15日(水) 18時00分〜19時30分
■講演名:日本技術士会におけるDEIの現在地とこれから
−多様性を活かした社会課題解決に向けて−
■講演者:パシフィックコンサルタンツ株式会社 経営企画部
プロジェクトリーダー 飯島 玲子 氏
■講演場所:機械振興会館6階 6-67会議室(東京都港区芝公園3丁目5番8号)
■講演方法:会場(対面)+WEB会議方式
■参加者:会場参加22名(内 非会員2名) WEB参加107名

1.はじめに
 講師の飯島玲子氏は、パシフィックコンサルタンツにおいて約20年間、都市計画やユニバーサルデザイン等のコンサルティングに従事後、ダイバーシティ経営を担われた。また、日本技術士会DEI委員会の委員長として「DEI推進宣言」の具現化にも尽力されている。本講演では、技術士が直面する社会課題の解決において、なぜDEIが不可欠なのかという問いに対し、国内外の情勢や日本技術士会内の取り組みの現状と課題について、多角的な視点から解説をいただいた。

2.講演の概要
(1)日本技術士会の目指すDEI
 DEIとは、多様性(Diversity)、公平性(Equity)、包摂性(Inclusion)を組み合わせた概念である。今まではD&Iが中心に進んできたが、それでは改善しきれないということがわかり、「Equity」の概念が提唱されるようになった。「Equity」は、個々の状況に合わせたリソース提供(例:体の大きさに合わせた自転車の提供)により、全員が同じ目的を達成できるようにする考え方であり、「平等」な機会提供とは異なる。
 今日のような不確実性の高い時代において、日本技術士会の使命を果たすためには、既成概念に囚われない柔軟な発想、多様な視点で社会課題の解決に向き合うことが必要である。また本会は、多様な専門性を持つ技術士を擁することから、この強みを活かすことで真価を一層発揮し、社会課題解決に貢献し得る。これらを踏まえ、本会は、DEIの推進により、すべての技術士が活躍し、社会課題の解決やウェルビーイング(Well-being)の向上に貢献することを宣言した。
 すでに組織行動規範や技術士倫理綱領において多様性の尊重は明示しており、この宣言はその具体化を一歩進める役割も担う。
(2) DEIをめぐる社会の変遷とDEIを推進すべき理由
 昭和期の「24時間戦えますか」という価値観や性別役割分業から、「SDGs」や「人的資本経営」への移行に伴い、組織のあり方も変容している。人口減少社会(人口オーナス期)においては、かつての同質性の高い集団による経営では限界があり、以下の点がDEI推進の鍵となる。
・人材確保: 若手や女性、シニアを含む多様な層の活躍による担い手不足への対応
・イノベーション創出: 男女混合チームによる特許の成果向上や、視点の多様化による新価値創造
・やりがい・成果: 自分らしく働く、活動する
(3)女性活躍の現状とウェルビーイングの課題
 日本のジェンダーギャップ指数は2025年には148カ国中118位とG7で最下位であり、技術士会の女性割合も約3%に留まっている。特に理工系分野を志望する女子学生が大学入学段階で激減する背景には、医学・薬学・看護系への流出がある。この背景には「女性が技術職で食べていけるのか」という保護者の不安や、「数学ができる女子は可愛くない」といった無意識のバイアス(アンコンシャス・バイアス)が教育段階や家庭で再生産されている実態がある 。
(4)DEIの実践例(主要国のDEI事例、官公庁の動向)
 海外ではウィーンの事例として、子ども連れも歩きやすい道路設計や、女子も運動しやすい校庭の設計など、ジェンダー視点を取り入れたまちづくりが進んでいる。国内でも国交省がジェンダー主流化推進本部を設置し女性活躍に向けたネットワーク会議を開始し、学協会等がクォータ制を導入するなど様々な取組みが行われ、産学官一体となった取組が加速している。
(5)日本技術士会における実践状況と課題
 日本技術士会の各組織では、DEI推進の具体的な取組として「若手を支援する組織の設置」や「学習機会の創出」などが実践されていることを調査で確認できたが、「特にない」とした組織が過半数を占めており、拡大の余地がある。また、組織での「会議で発言しやすい雰囲気づくり」、「会議の運営方法の工夫」といった少数派の参加しやすさへの工夫や、会員の「多様な考え方や価値観を尊重する」、「性別による役割分担や偏見のある言動をしない」といった個人レベルの意識・行動面の取組は、いずれも過半数が実践している。
 今後、体制強化やプラン作成などにより、各組織での取組をさらに活発化していただきたい。

3.おわりに
 我々技術者が直面している担い手不足やイノベーションの創出という課題に対し、DEIが単なる形式的な取組ではなく、本質的な解決策であることを再認識させられる講演であった 。特に「公平性」とは、単に平等に機会を与えるのではなく、個々の状況に合わせたサポートを提供することであるという説明は、今後の部会活動においても非常に示唆に富むものであった 。
 最後に、多忙な中、貴重なご講演をいただきました飯島玲子氏に心から感謝いたします。
講演担当:河北、菅野、岩部、湯本、三吉(文責)

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