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建設部会

2025年12月 建設部会講演会(報告)

■開催日時:令和7年12月11日(木) 16時30分〜18時00分
■講演名 :DX/GX時代の建設生産管理システム 〜これからの土木技術者の役割〜
■講演者 :政策研究大学院大学 教授 小澤一雅 氏(次期:土木学会 会長)
■講演場所:日本教育会館9階 喜山倶楽部 光琳の間
■講演方法:会場(対面)+WEB会議方式
■参加者 :会場参加者42名(内訳:会員41名、非会員1名)、Web参加者116名

1.はじめに
 建設業界では、少子高齢化に伴う担い手不足や、生産性向上という課題を解決するため、DX の推進が不可欠である。また、カーボンニュートラルの実現に向け、GX も強く求められている。
 こうした社会背景を踏まえ、DX/GX時代における建設生産管理システムの在り方を考察するため、本講演会を企画した。

2.講演の概要
(1)インフラを取り巻く環境(DX/GX時代)〜社会が求める技術とは〜
・人口動態の変化や自然災害の激甚化を踏まえると、広域的・戦略的なインフラ整備が求められる。そのためには、まちづくりとインフラ整備の効率化・高度化が必要であり、建設・都市分野におけるDX 推進が不可欠である。
・インフラ分野のDXは、CALS/EC・ICT 活用から始まり、2025年度までに生産性を2割向上させる i-Construction、2040年度に生産性1.5倍を目指す i-Construction 2.0 へと進化している。
・我が国のCO?排出量の約2/3はインフラ分野に関連しており、2050年カーボンニュートラル(CN)実現に向け、建設段階と維持管理段階を通じた GX の推進が不可欠である。
・ 材料・機械・施工方法の改善(建設段階)、ならびに省エネルギー化・再生可能エネルギー創出(維持管理段階)を組み合わせ、トータルでCNを目指す。
(2)次世代インフラ事業のマネジメント〜技術を活用した働き方〜
・まずアナログ情報のデジタル化が進み、次にデジタル技術の活用によってビジネスモデルが変革され、新たな価値創出が可能となり、最終的に組織・プロセス・文化の変容へとつながっていく。
・生産性を高め、若手を惹きつける働き方の確立が求められる。
・インフラの作り方の変革では、建設プロセスにおける新たなサービスであるユーザー(クライアント)ニーズに応えるためのデザインサービス、事業関係者間で擦り合わせ調整するためのメタバース、サプライチェーン間の電子商取引サービス(スマートコントラクト)の実現に調達制度・契約モデルの開発が必要である。
・インフラの使い方の変革では、質の高いインフラサービスである総合エンジニアリングによる交通・物流(自動運転)サービス、コミュニティのニーズに柔軟に応える都市サービス、GXを推進するユーティリティサービスの実現に制度インフラの再構築が必要である。
・データの活かし方の変革では、オートメーション(自動化)の実現であるクラウド上でファイルを共有(ペーパーレス化)、バージョン管理を導入(修正履歴)、アクセス管理・ステータス管理を導入(ISO19650)、データ連携基盤の導入(デジタルワークフロー)、ブロックチェーンの導入を段階的に進める必要がある。
・インフラ分野のDX、GX、CNの実践のためには、上記のインフラの作り方、使い方、及びデータの活かし方の変革が必要であり、そのためには、技術開発・投資、技術を活かす(社会実装)制度、資金調達に関する制度、組織・人を動かす仕組みなどが重要となる。
(3)これからの建設生産管理システムのあり方〜新技術を活かせるシステムとは〜
・建設生産管理システム(インフラの整備や供用に関する社会の仕組み、慣行、組織、人的活動等の総体としてのシステム)の再構築が必要である。
・時代とともに国・地方公共団体等(企画・積算・監督・検査・各種調整)と民間企業等(管理技術者・監理技術者・主任技術者)の役割が変化してきた。
・20世紀の指名競争入札を中心としたシステムから21世紀は一般競争入札を中心としたシスムに変革し、多様な入札・契約方式と品質と価格による総合評価に移り変わってきた。
・入札契約に係る諸法令も会計法、地方自治法、建設業法、入札契約適正化法、官製談合防止法、及び公共工事の品質確保の促進に関する法律へと変遷してきた。
・契約方式にも多種多様な選択肢が生まれた。発注者を支援する方式としてCM方式、事業促進PPP方式、事業プロセスの対象範囲に係る方式として設計・施工一括発注方式、詳細設計付工事発注方式、維管理付工事発注方式、設計段階から施工者が関与するECI方式、設計施工分離方式、発注単位に係る方式として包括発注方式、複数年契約方式、仕様書に係る方式として性能発注方式、支払い方法に係る方式として総価契約方式、単価・数量精算契約方式、コスト+フィー契約・オープンブック方式等がある。
・DX/GX推進のための建設生産管理システム再構築の具体例として、デジタルワークフローに基づく事業プロセス・体制、フロントローディングを活かす事業執行・契約システム、デジタル時代の契約図書・積算のあり方、データ流通・活用のための標準モデル・ルール・環境、新技術等を活用しやすい技術基準体系の再構築、新アプリケーションを活かすソフトウェア認証制度の構築、多分野を連携するための環境構築(エコシステム)等が挙げられる。
・デジタルワークフロー実現のための共通データ環境(CDE)が必要であり、データを直接活用しながら進める新しい業務の流れ・業務スタイルとして、全てのデータはR-CDE上で管理され、外ファイルはなしとなる。
・データ利活用のための共通基盤の構築とアプリケーション開発(オープンイノベーション)の推進が必要であり、データの生成・収集(可視化)から利活用として、必要なデータ・情報を抽出・処理し利活用できるよう提供するシステムを構築し、検索・可視化・シミュレーション・解析・分析・評価・制御するアプリケーションの開発を推進することになる。
・民間の技術・サービスを引き出すインセンティブメカニズムとレガシーシステムの再構築、デジタルツインを活用した設計・施工・維持管理システム、技術基準類の性能規定化、ソフトウェアを社会実装するための仕組み(認証制度)、デザインを競争し優れたデザインを選定する設計競技方式、技術を社会実装するための4つのステージと3つの障壁、イノベーションエコシステム等が重要である。
・今後の建設生産管理システム再構築の取り組みのあり方としては、技術・組織・制度・財政等を総合的に捉え、絶え間ない業務変革を組織的に実施し、現場の課題解決のためのDX人材の育成・活用が必要不可欠である。
3.まとめ
(1)インフラを取り巻く環境(DX/GX時代)
・生産性向上と価値の高い新サービスの提供により、人口減少・災害激甚化・インフラ老朽化といった複合課題に対応し、安心・安全な社会を実現する。材料・機械・施工方法などの脱炭素化(建設段階)、および再生可能エネルギー創出等(維持管理段階)により2050年CNの達成を目指す。
(2)次世代インフラ事業のマネジメント
・労働集約的(単純)作業は、自動化・機械化し、技術者が創造的な業務に注力できるマネジメントシステムが求められる。
(3)これからの建設生産管理システムのあり方
・システム(技術・組織・制度・財政等)を総合的に捉え、絶え間ない変革に挑戦可能なシステム、システムのマネージャーとDX人材の育成が重要である。
 最後に、貴重なお話をいただいた小澤先生に心から感謝致します。
 講演会担当:渡邊、鈴木、金子(文責)

写真ご講演の様子1(拡大画像へのリンク)

写真 ご講演の様子1

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写真ご講演の様子2(拡大画像へのリンク)

写真 ご講演の様子2

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