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建設部会

2024年5月 建設部会講演会(報告)

1.概要
 日時:令和6年5月15日(水)18:00〜19:30
 場所:機械振興会館 地下 研修-1会議室
 講師:(株)ジェイアール総研エンジニアリング 木村礼夫氏 (技術士(建設部門・森林部門))
 講演タイトル:「技術者倫理をポジティブに取り組む」
 参加者:会場参加者26名(内訳:会員25名、非会員1名)、Web参加者247名

2.講演会
(1)自己紹介
 大学院修了後、建設コンサルタントとして鉄道構造物など橋梁の設計業務に従事し、2002年以降は、現職にて既設構造物の耐震診断や維持管理を目的とした点検や検査及び評価や対策の提案などに従事。

(2)技術者倫理の大きな特徴
 技術者倫理の大きな特徴として「明確な正解がない」や「個々のケースに対してオールマイティな正解はない」や「様々な条件が複雑に入り乱れている」が挙げらる。また、倫理は道徳と類似するが、道徳に比べて自発的に取り組むことが異なる。そして倫理は頭で理解するだけでなく、実践することが重要である。

(3)技術者倫理をポジティブに取り組む
 技術に携わる者が技術者倫理に触れる機会は、増えてきており、以前は書籍が主な媒体であったが、最近はWebサイトやSNSでも広く展開がされているが、技術者倫理が不十分で不正等が後を絶たない状況。機能していれば、十分に防げた事案ばかりである。
 技術者倫理を「ポジティブ」に身近に感じるポイントとして、「技術や技術者の目標はWell-Beingであるべき」、「技術者は幸福であるべき」の2点がだと考えている。しかし、ポジティブな取り組みは優先されにくく、欠落やネガティブなことに意識が傾きやすいことが原因の1つであると考える。
 ポジティブな取り組みの例として、新しい時代の技術者倫理(札野順 他2015年)によると、倫理の2つの側面として志向倫理と予防倫理)を挙げており、「Safty 1&Safty 2安全マネジメントの過去と未来」(Erick Hollnagel 2015年)では、新しい安全マネジメントのありかたや、レジリエンスエンジニアリングを考える方法としてSafty 2を挙げている。

(4)事例集をどう活かすか?
 技術者倫理に関する多くの事例が公開され、新しい事例も報告がなされている。しかし、注意義務の不履行、不十分な説明責任が多い。事例のポイントは身近に感じ、ハッとする内容で仲間と共有したくなる内容ではならない。しかし、日本独特の文化なのか、計画通りが当然で成功を語らない謙虚な気持ち故に良い事例が表面化されづらい現状がある。良い事例の周知はモチベーションUPに繋がり、最終的に技術者に幸福を持たらすのではないかと考えている。

(5)創作事例〜プログラムの不備〜
 設計プログラムの不備に関する創作事例について会場から意見を求めた。先輩社員B氏が設計ミスに気がつかなかったこと、プログラムZの不備、W社の対応ついて会場から意見があった。

(6)まとめ
 技術の目的が「Well-Being」であれば、「良い」は重要なキーワードである。良い事例の周知や良い結果の研さんは、技術者倫理への取り組みをよりポジティブにすることを促し、技術者倫理の実践を加速するのではないかと考えている。

3.所感
 技術者倫理を「ポジティブ」に捉えて取り組むことで、良い事例が共有されて浸透し、最終的に「Well-Being」に繋がるのではないかと感じた。
技術者倫理に関する話題を短時間でわかりやすく講演いただき、質問にも丁寧に応じていただいた木村礼夫氏に感謝申し上げます。

写真ー1講師(拡大画像へのリンク)

写真ー1 講 師

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写真ー2講演会風景(拡大画像へのリンク)

写真ー2 講演会風景

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