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建設部会

平成30年11月 建設部会講演会(報告)

開催日時:平成30年11月21日(水)18時〜19時30分
講演名 :土木・建築構造物補修補強工事における炭素繊維の活用
講演者 :東レACE株式会社環境資材部 清水慎司部長
講演場所:大宮ソニックシティ 9階905会議室
参加者 :会員41名 非会員 4名 合計45名

1.はじめに
 社会インフラの更新や再生が話題となる中で、効率的に補強や補修することが求められる。今回は、軽量で簡易に補強できる炭素繊維について、東レACE株式会社の清水環境資材部長からご講演をいただいた。

2.炭素繊維活用分野
 炭素繊維は航空機に使用されており、日本の炭素繊維はボーイング社の航空機に独占的に採用されており、この分野でのシェアは90%に及ぶ。今後は、建設分野での使用拡大を目指していきたい。

3.柱せん断破壊の振動実験動画、炭素繊維シート・炭素繊維フラットバー現物回覧
(1)RC柱の無補強、炭素繊維補強の比較実験動画
振動により無補強のRC柱はせん断破壊を生じるが、炭素繊維補強柱は破壊しない。
(2)炭素繊維シート、炭素繊維フラットバーの現物
シートについては薄さ、軽さが実感できた。固形の板状の炭素繊維についても大きさが実感できた。

4.土木分野における炭素繊維活用(補修・補強)の特徴
(1)炭素繊維シートの構成:7μの細い繊維の束
(2)炭素繊維の長所:軽くて引張に強い
(3)炭素繊維の弱点:せん断に弱い(鋭角部に弱い)
(4)弱点が長所に鋏等で容易に切断できるので加工が楽
(5)下地処理:平滑に凹凸をなくす。フラットな面が必要
(6)柱のコーナー部等の角とがった部分を丸くすること
(7)炭素繊維シートの耐久性向上:樹脂を厚さ1ミリメートル程度含浸させる
(8)炭素繊維は温度、湿度に敏感:含浸によりプラスチック化することで対応
(9)炭素繊維シートの剥離の危険性:コンクリート母材が破壊するほど接着している
(10)炭素繊維シート端部の剥離の危険性:端部を荷重がかからない位置に配置
(11)炭素繊維シートに不向きな施工場所:手が入らないような箇所
(12)建築の開口部補強:開口周囲に貼ることで鉄筋補強の代替
(13)炭素繊維シートの継手:重ね代をとり接着することで可能
(14)施工例の紹介(土木トンネル補強):必要補修スペースが最小で交通の流れる
(15)施工例の紹介(建築:ビル耐震補強):柱に全周貼り
(16)施工例の紹介(建築:ビル耐震補強):壁に対角に貼り、ブレース代替とした
(17)品質試験:引張強度試験、RC付着強度試験

5.おわりに
 講師のご講演だけでなく実験の映像や施工状況のビデオなど具体的な映像を見ることが出来て、炭素繊維の軽量で施工容易性について理解が深まった。
 今回の講演会の講師をお引き受けいただいた清水慎司氏に感謝いたします。

講演担当:垣本、松本、藤野(文責)

写真ー1講演会場の様子(講師:清水慎司氏)(拡大画像へのリンク)

写真ー1 講演会場の様子(講師:清水慎司氏)

(画像クリックで拡大 36KB)

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