建設部会のホーム行事案内平成29年8月 建設部会現場研修(報告)
日 時:平成29年8月25日 (金)13時〜15時00分
会 場:国土交通省八ツ場ダム建設工事現場
テーマ:ハツ場ダム建設現場視察
参加者:36名(内非会員1名)
1.はじめに
八ツ場ダムは利根川流域吾妻川に建設中の重力式ダムである。
・事業主体;国土交通省関東地方整備局 八ツ場ダム工事事務所
・ダム諸元
【堤高】116.0m(利根川ダム水系8位)【堤頂長】290.8m【堤体積】100万m3
【流 域 面積】711.4 km2(利根川ダム水系1位)
【総貯水容量】10,750万m3(利根川ダム水系3位)
・施工; RCD工法
・沿革; 昭和22年のカスリーン台風による利根川決壊を受けて計画
昭和55年11月 群馬県が長野原町及び同議会に「生活再建案」を提示
平成21年9月建設中止表明、平成23年12月継続表明
平成27年2月7日 ダム本体工事起工式開催
【目的】
[1]洪水調節(流入3000m3/secを200m3/secに調節)
[2]利水(水道用水21.389m3/sec、工業用水0.82m3/sec)
[3]発電(11,700kw)
[4]景観保全(吾妻渓谷への流量2.4m3/sec確保)
2.現場研修
8時30分に池袋を出発し、練馬ICより関越自動車道に入り、吾妻川に沿って国道145号を経由して11時30分に現地に入る。車上ではダム事業に伴いJR吾妻線、国道145号、県道の付け替えが必要となり大規模橋梁が出現したことを担当の研修委員より説明する。特筆すべき橋梁として、土木学会田中賞を受賞した第三吾妻川橋梁(鉄道橋)、不動大橋(道路橋)の2橋の他、第二吾妻川橋梁(鉄道橋)、八ツ場橋梁、丸岩大橋(道路橋)が挙げられる。
現場案内所にて工事事務所の渡辺専門官より、八ツ場ダム計画・建設に関する説明を拝聴し、その後、小雨の中、ダムサイトに向かい、右岸側、左岸それぞれから工事概要を確認し、清水・鉄建・IHI共同企業体高力所長から説明を受ける。
工事進捗度は1/3とのことで、約10km離れた原石山からベルトコンベアーにより運搬された骨材を使用し、3.0m3×2型の2軸強制練りのプラント2基を使用して配合。
ケーブルクレーンを介してコンクリートホッパーにより堤体上に運搬し、1層25cmにて4層の敷均し後に転圧する工程とのことである。また、多目的ダムのため下流側では発電所の建設も同時に行われている。
新技術として、コンクリート打設法の改良(巡航RCD工法;従来のRCD工法に替わる打設の効率化・高速化)の他、貯水位の変動に対する連続的取水を可能にする連続サイフォン取水設備を設置が挙げられる。
3.おわりに
最近の異常気象では時間100mmを超える豪雨が頻発する一方で、渇水による取水制限も心配されている。そのような状況の中、国土交通省関東地方整備局では最後と言われている八ツ場ダムを見学した。ダム事業とは、ダム本体工事のみならず、付け替え鉄道及び道路計画、居住環境補償等、総合的・体系的ビッグプロジェクトであることを改めて確認した。当ダムは草津温泉への経由地にあたり、観光資源としても大いに期待できると考えます。
最近は、工事現場、インフラ設備の見学ツアーも一般的になってきており、建設部会としてもこのような機会を企画して行ければと思います。
八ツ場工事事務所の皆様ありがとうございました。今後も安全に・無事故にて工事が進捗されることを期待しております。
以 上
担当幹事 河北慶介 近藤安統 河瀬日吉(文責)
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