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建設部会

平成26年8月現場研修会報告

・日時:平成26年8月22日(金)13:30〜16:00
・現場研修名:「環状2号線 隅田川橋りょう(仮称)架橋工事現場」の見学会
・見学施設:隅田川橋りょう(仮称)上部工
・研修場所:中央区築地隅田川橋りょうA1橋台ヤード
・参加者 :33名(会員32名、非会員1名)

1.はじめに
 環状2号線は江東区有明を起点とし、中央区、港区などを経て千代田区神田佐久間町を終点とする全長約 14kmの都市計画道路です。隅田川橋りょう(仮称)は、この道路の一部として計画され、現在の隅田川の第一  橋りょうである勝鬨橋下流に位置することから、隅田川の新しい第一橋りょうとなります。
今回の現場研修会は、東京都建設局第五建設事務所及び施工者であるIHI・川田建設共同企業体のご協力を得て、参加者は2班に分かれて、PPTによる工事の概要説明と、架設が完了した橋梁上部工から隅田川を見下ろしながら施工現場を案内していただきました。以下概要を報告します。

2.事業の概要
 隅田川橋りょう(仮称)は、臨海部と都心部を結ぶ連絡を強化し、並行する晴海通りの渋滞緩和による地域交通の円滑化や臨海部の避難経路が多重化されることにより地域の防災性の向上を図る目的で計画されました。
上部工は、技術と美しさを詰め込んだ「21世紀にも建設意思が伝わる橋」という設計デザインコンセプトのもと、上横支材のない双弦の3径間連続中路式アーチ補鋼桁として設計されました。また、構造形式は、隅田川に架かる歴史的な他の橋りょうと同様にアーチ形式を採用し、伝統を継承しつつ、アーチ部材を外側に傾け、車道の上に構造部材を一切設置しない斬新な橋りょうです。これにより、車道の開放感を確保するとともに、歩道が緩やかに水辺側へ張り出した快適な歩行空間を創出しています。
事業スケジュールは次のとおりです。

・事業年度       :平成22年度〜27年度
・下部工        :平成22年度〜25年度
・上部工(桁製作・架設) :平成23年度〜26年度
・上部工仕上げ(舗装等) :平成26年度〜27年度

3.設計諸元
 本橋りょうの諸元は次のとおりです。
・橋 長  :245m
・支間長  :3径間 49.85m+145m+49.88m
・道路規格 :第4種第1級
・設計速度 :本線60km/h、ランプ部 40km/h
・活荷重  :B活荷重
・縦断勾配 :4.00%? 〜 4.00%?
・横断勾配 :歩道B1%?  車道部2% ?  車道部 ? 2% 歩道部1%?
・構造形式 :上部工  鋼3径間連続中路式アーチ橋
・下部工  :A1橋台:逆T式、橋脚:壁式、A2橋台:壁式
・基礎工  :A1橋台:鋼管杭、橋脚:鋼殻ケーソン、A2橋台:場所打ち杭
・舗装   :車道:アスファルト舗装(t=80mm)、歩道:石材舗装(t=30mm)

4.上部工架設の概要
 工場で製作された上部工の単品ブロックを組立ヤードにて3つの大ブロックに組立て、関係者間の調整を経て、それぞれを潮位や気象条件を見極めながら3000トン級の起重機船で吊り下げたまま隅田川を上って据付現場まで運搬します。先行して設置した左右の橋脚2基及び橋台に2つのブロックの側径間を設置した後、中央径間を架設し、3つのブロックを現場溶接により接合して完成となります。

5.おわりに
 テレビでも紹介されましたが、各ブロックを海上起重機船で架設した映像 (ビルの谷間から桁を吊り下げて現れるその様はまさに「怪獣ゴジラ」)は圧巻でした。日々の海上輸送交通が多い隅田川河口部を海事関係者と調整しながら、3日間閉鎖し安全に施工した工事関係者のご苦労は大変なものだったと思います。今回の現場研修会では、大変お忙しい中、わかり易く、ご丁寧に説明をしていただいた東京都第五建設事務所の榎本様、IHI・川田JVの職員の皆様に感謝申し上げるとともに、無事の工事完成を願っております。

                                                                                 以上
現現場研修会担当:河瀬、金子、宮下、河北(記)

写真―1工事概要説明状況(拡大画像へのリンク)

写真―1 工事概要説明状況 

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写真―2架設完了後の上部工(拡大画像へのリンク)

写真―2 架設完了後の上部工

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