平成26年1月講演会報告
日時:平成26年1月15日 (水)18時00分〜19時00分
講演場所:日本工営(株) 本社ビル
講演題目:「トンネルにおける最近の技術動向について」
講演者:今田 徹 一般財団法人 国土技術研究センター 技術顧問 (東京都立大学名誉教授)
参加者 39名(会員35名、非会員4名)
報 告
1.はじめに
平成26年1月の講演会は一般財団法人 国土技術研究センター 技術顧問の今田徹様を講師に迎え、「トンネルにおける最近の技術動向について」と題して、「昔の常識は、今の非常識」をテーマに山岳トンネルやシールドの設計にあたり考慮すべき事項について、講演を頂きました。
2.講演内容
(1)山岳トンネル
・切羽安定対策
山岳トンネルにおける切羽安定については、昔は、木・鋼製材による支保工を使用し、切羽は分割して掘削していた。しかし、最近では、切羽の積極的な補強や、切羽を自然の膨張にまかせる曲面切羽の採用によって大断面掘削に変わってきている。これは、分割掘削では切羽に支持力不足が発生したことから支持力を増やすため断面を閉合させることによりリング形状で支える考え方によるものである。
・TBMの適応
TBMは地質の変化に対応できないのが昔の常識であったが、最近は地質の変化に対応できるTBMが開発されている。これは、硬・軟質の地質においても切羽安定が出来るようになったからである。また、機械の大型化と切羽安定対策が出来るようになり大断面化が可能になっている。さらに、欧米で盛んであるがTBMのEPB(シールド)化により、TBMの利用率が上がっている。
(2)シールドの技術動向
シールド工法は、従来は軟質地盤が対象であったが、硬質地盤への適用が可能となりその適用範囲は拡大している。しかし、線形管理や線形設計・経済性等の追求を一因とする不具合が多発している。
(3)設計に当たって考えてほしいこと
・経済設計とは何か
・技術の継承
・実績主義からの脱却
・長期視点での計画・設計
・計算至上主義の排除
等今後解決しなければいけないと考えられる問題の提議がありました。
3.おわりに
今回の講演では、山岳・シールドトンネルにおける新旧の常識の対比や解決すべき問題提議がありました。今後、これらの問題を念頭に設計・施工技術の更なる進展が望まれます。
以上
担当幹事 金子、齋藤、山室(記)
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