建設部会のホーム部会活動状況平成24年11月の講演・見学会報告
開催日時 平成24年11月28日(水) 18:00〜19:30
講演名 緊急提案 日本復興計画「東日本復活5年計画」と「列島強靭化10年計画」
講演者 藤井 聡教授 京都大学大学院工学研究科 都市社会工学専攻
開催場所 弘済会館 会議室
参加者数 64名
報 告
1.はじめに
平成23年3月11日の東日本大震災を経験し、「首都直下型地震」と「東海・南海・東南海地震」いずれ近い内に起きる危機を
改めて認識させられた。東日本大震災の傷がまだ癒えておらず、これらの地震が起きる前に短期集中的な東日本の復興・
復旧計画と強靭な日本を造るための長期計画について貴重なお話しを頂いた。
2.日本復興5年計画の内容(抜粋)
・基本的な復興を短期集中的に実施(5年)その後 完全な復活のために継続的にさらに5年合計10年程度で計画的復興を進める。
・官民一体、被災地/国が一体となって効率的な復旧・復興計画を進めるために、仮称「東日本ふるさと再生機構」を
10年程度の 時限立法で設立する。
・東日本ふるさと再生機構の業務として
[1]被災地雇用の創出
[2]全国からの支援の円滑化支援
[3]被災地復興計画具体化の為の自治体行政への支援 等を実施する。
・日本銀行/政府間の適切な協調の基で、財源として最大20兆円/年×10年=200兆円規模の震災復興国債を発行する。
但し、懸念されるインフラ対策として適切なインフレ率(2.5〜3.5%)を設定しモニタリングを進める。
・経済の活性化を促進する為、デフレ脱却までは国債中心で進め、脱却後は税収で対処を考える。
3.日本復興5年計画を妨げる阻害要因
・消費税等の増税によるGDPの低下により、税収低下の恐れがある。
・TPPの参加は、
[1]諸外国からの安い輸入品で、東日本大震災で被災した農業など一次産業への影響がある
[2]関税障壁の撤廃で輸出入品価格は安くなるが、為替変動の影響がある等があり、現時点では避けなければならない。
4.列島強靭化10年計画の内容(抜粋)
・将来予想される大規模地震に対して国民の財産・生命を守り、日本経済への阻害を最小化する強靭な列島を造りあげていく。
・首都東京の一極集中を緩和するため、機能の分散化をはかる。
・各種インフラの老朽化対策を進める。
・財源については「日本復興5年計画」に準じる。
5.おわりに
人、物、金という3要素のなかで、純技術的な話と異なり財源にまで踏み込んだ話しであり、90分という短い時間であったが、
話に引き付けられた有意義な講演会であった。
以上
講演会担当:野村・瀬能、浅岡(文責)
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