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建設部会

平成24年9月の講演・見学会報告

講演会報告

開催日時 平成24年9月26日(水)18時00分〜19時30分
講演名  道路防災リスクマネジメントについて
講演者  田村 敬一  独立行政法人土木研究所耐震総括研究監 (併)構造物メンテナンス研究センター長
開催場所  日本工営株式会社 本社3階A会議室
報 告
1.はじめに

今回は、リスクとリスクマネジメントの意味、海外事例およびリスクマネジメントの道路防災への適用検討具体例について報告していただきました。

2.概要

概要については、講演者の要望により当日配布された講演概要により代用します。
(1)リスクとリスクマネジメント
・リスクマネジメントに関する用語規格:ガイド73(ISO/IEC Guide 73)
・国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)による規格
・リスクとは「事象の発生確率と事象の結果の組合せ」と定義。
・リスクマネジメントとは「リスクに関して組織を指揮し、管理する調整された活動」と定義。
・リスクとは既に発生したことではなく、将来ある事象が発生する可能性を意味するものであるため、
   リスクマネジメントとは、ある事象が発生する可能性があるという事前の段階でそれをいかにコントロールするか   という技術に相当。

(2)トランジットニュージーランドによるリスクマネジメントプロセスマニュアル
・リスクとして、危機と好機の両者を考慮。
・事象の発生確率と影響の大きさを点数付け。

(3)リスクマネジメントの道路防災への適用検討
・リスクマネジメントプロセスマニュアルの考え方を導入。検討フローは下図参照。
・種々の災害の発生確率及び災害が種々の道路施設に及ぼす影響の大きさを点数付け。種々の災害に対する種々の道路施設のリスクを共通の指標で評価。
・危機リスクへの対処措置により付随的に発生する良好な結果を好機とする。具体的には、斜面対策による反対側沿道建物への土砂災害の防除。
・道路防災対策を実施することによる被害の防止を対策効果と考え、対策効果と対策費用の比から対策の優先順位について検討。

図リスクマネジメントの検討フロー(拡大画像へのリンク)

図 リスクマネジメントの検討フロー

(画像クリックで拡大 22KB)

講演会の様子(拡大画像へのリンク)

講演会の様子

(画像クリックで拡大 18KB)

3.おわりに

今回の講演では、リスクには“危機”のみならず“好機”のリスクもあることなど興味深い説明があった。また、種々の道路施設に種々の災害が影響を及ぼすことから、まだまだ研究の余地があり、今後の研究成果が待ち遠しく感じました。

担当幹事 鴫原徹 久多羅木吉治 山室重樹(文責)

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