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建設部会

平成24年6月の講演・見学会報告

現場研修会報告

開催日時  平成24年6月28日(木)14時00分〜16時00分
見学会  首都高速道路(株)中央環状品川線工事見学会
見学先  おおはし里の杜(換気所屋上)、大橋連絡路シールド(中央環状品川線)(中央環状大橋ジャンクション)
説明者  (財)首都高速道路技術センター 特別広報担当 川瀬 修氏、 中西課長代理
参加者  27名(内、非会員1名)
報告
1.はじめに
 首都高速は、昭和37年(京橋〜芝浦間)の初開通以来、昭和42年に都心環状線(皇居〜芝公園を囲む)の形成、京葉道路(S46)、東名高速(S46、3号渋谷線)、中央(S51、4号新宿線)、東関東(S57)、常磐(S60)、東北(S62)の各自動車道と接続してきた。
高速中央環状線は、渋滞を抜本的に解消するための道路ネットワーク整備として、都心環状線の交通をう回・分散させるために進められてきた。建設は、昭和62年(葛西JCT〜四つ木間、千住新橋〜川口線川口JCT間)の開通から、平成14年(板橋JCT〜江北JCT間)、平成19年(西新宿JCT〜熊野町JCT間)が開通。平成22年3月28日の高速環状新宿線(3号渋谷線〜4号新宿線間4.3Km)の開通により、今回の見学先である大橋JCTは一部供用されている。
 今後、高速中央環状線は、平成25年度に高速環状品川線(9.4Km)と大橋JCTの完成により全線開通(47Km)する予定である。
今回で2度目(前回H22.11)となる大橋JCT見学会は、概要説明の後、大橋JCTの換気所屋上に整備された「おおはし里の杜」と高速環状品川線との「大橋連結路シールド」の見学を行った。
見学中の説明および見学後の質疑応答にも丁寧に応じて頂くなど、無事に終了すると共に有意義な研修となった。

2.見学状況
 13:30池尻大橋駅に集合した見学会参加者は、14:00より換気所3階会議室での川瀬氏および中西氏よりの大橋JCTの概要説明を受け、その後、EVでの移動にて「おおはし里の杜」見学後、西ゲートから北ゲートまでジャンクション周囲を徒歩移動し、北ゲートからはヘルメット・マスク着用で「大橋連結路シールド」の見学を行った。

【写真−1】川瀬氏による概要説明【写真−2】換気所模型(断面)(拡大画像へのリンク)

【写真−1】川瀬氏による概要説明 【写真−2】換気所模型(断面)

(画像クリックで拡大 16KB)

【大橋JCT概要】
 大橋JCTの完成時には、フル規格ジャンクションとなり、すべての方向への行き来が可能であり、一般的なクローバー型インターチェンジの1/4以下のコンパクトな用地面積で構築されている。3号渋谷線(主に高架橋)から中央環状線(主にシールドトンネル)の高低差は、約70m(地上約35m、地下約35m)で、最急縦断勾配は7%が採用され、大橋JCT内で2周(一周約400m)して接続されている。

【おおはし里の杜概要】(H23土木学会環境賞(Iグループ)を受賞)
 大橋JCTは、環境や景観への取組みが積極的に行われている。特に環境面では、自然環境・地域との共生として、「大橋“グリーン”ジャンクション」の3つの緑(街並み・公園・自然再生)をモチーフに、まちづくりを踏まえた首都高の環境技術が凝縮されている。
「街並みの緑」として、「コロッセオ風の壁面に風格のある緑」として、ジャンクション外側ループ壁面にオオイタビ(常緑つる性登はん型、年成長高約50cm、同系園芸品種:プミラ)等が用いられ、地表面から時間経過(H35m/0.5m/年=70年?)とともに、地域景観との調和と風格をもたらす緑化が既に施工されていた。
「公園の緑」として、ジャンクション屋上に「目黒天空の庭」をコンセプトに、全国初の試みで目黒区と連携して回遊式の公園整備が、H25年度完成時までに実施される予定である。そして「自然再生の緑」として「おおはし里の杜」が位置づけられており、換気所屋上に、かつての目黒川周辺の自然再生として、斜面林、わき水〜せせらぎ〜池や水田等が整備されて、地域の自然と連携するエコロジカル・ネットワークとして環境改善にも寄与している。水田は、昨年から地域の小学生により、田植えから稲刈り体験学習が行われ約25Kgの収穫があったとの説明があり、今回の見学会前日に2年目の田植えが済んだところであった。

【大橋連結路シールド概要】
 環状品川線(第2種第2級、設計V=60Km、往復4車線)本線から分岐し大橋ジャンクションに接続する箇所(高速道路でのランプ部)の見学である。
今回は、品川線の最深部(大井JCT→新宿方向)の分流部から、新宿線(供用中)からの合流部の連結路工事の見学であった。
本線等のシールド工事としては「DSR工法」、分流部では「非開削切開き工法」、合流部では「シールド切開き工法(ソイルセメント鋼製地中連続壁工法+逆巻き工法等)」が採用されている他、開削トンネル(CMS工法)、地上避難出口(リバース工法を用いたアーバンリング工法)など、世界に誇れる多種多様な工法が採用された緻密な施工が進行中であった。

3. おわりに
 中央環状線山手トンネル(3号渋谷線〜4号新宿線)開通後の利用状況(H22.04.21速報)の交通量は、都心環状線は開通後、約2.0万台/日減少し約9.7万台/日に。中央環状線山手トンネルは、開通後、約3.1万台/日増加し約6.6万台/日に変化している反面、3号下りの渋滞が増加等、所要時間および渋滞長の変化があり、今後の中央環状品川線全線および中央環状全線の開通が期待される。なお、見学中に大橋ジャンクション横の歩道を、ベビーカーを押しながら会話を楽しむ母親グループの歩く姿を拝見し、環境や景観、地域との共生等の様々な取組みが、着実に地域に受け入れられていることを実感することができました。また、今回の見学会に際し、概要説明ならびに見学の案内等に携わっていただいた首都高速道路(株)ならびに工事関係者の皆様に感謝申し上げるともに、工事の安全を祈念し報告を終わらせたいと思います。

※引用、首都高速道路(株)ホームページおよび当日配布パンフレット。

担当幹事、鈴木久尚、宮下紀代則、武曽善樹(文責)

(拡大画像へのリンク)

 

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