新・技術士CPD制度 Q&A

2025年8月18日更新
Q&Aを用意しました。Qの部分をクリックしてみてください。

1.新たなCPD実績の管理及び活用の仕組みの概要

Q1: CPD活動実績を登録する目的は何ですか?
A1: 技術士法第47条の2には技術士の資質の向上の責務が定められています。それを裏付けするために、技術士の資質の向上に資する継続研さん(CPD)活動の実績を公的に証明しその活用を促そうとするものです。
Q2: 新しいCPD登録制度は、2021年度以前の制度とどのように異なるのですか?
A2: 大きく異なるところは次の二点です。一点目は、文部科学大臣が、国内外における技術士資格の活用促進を図るためには、全ての技術士のCPD活動実績の管理及び活用の公的な仕組みが必要と判断し、その公的な仕組みの事務を日本技術士会に担わせるとしたことです。二点目は、技術士のCPD活動の履行状況を公的に裏付けるために、文部科学省が技術士法施行規則第14条を改正し、技術士登録簿の登録事項を追加し、資質の向上の取組状況を記載する欄を設けたことです。この新たな登録制度により、一定以上のCPD活動実績のある技術士に、証明書の発行や名簿の公表、技術士(CPD認定)の認定を行う公的な仕組みが構築されました。
Q3: 「技術士のCPD活動実績の管理及び活用の仕組み」の構築のねらいは何ですか?
A3: 多くの技術者が、キャリア形成過程において実務経験を積み重ねて専門的学識を深め、豊かな創造性を持って、複合的な問題を解決できる技術者になるためには、技術士資格の取得とCPD活動を通じて資質向上を図ることが重要です。個々の技術士のCPD活動の履行状況を技術士登録簿の登録事項の一つとして記載して公的に裏付けし社会的な活用を図ることにより、技術士のCPD活動を促進することがねらいです。

2.技術士のCPD活動の考え方と算定基準

Q1: CPD活動の目的は何ですか?
A1: 詳しくは「技術士CPDガイドラインVer1.2 」-「Ⅱ .1.(1)技術士の責務及びCPD活動の目的(p4)」をご参照ください。
Q2: 技術士に求められるコンピテンシーとは何ですか?
A2: 詳しくは「技術士CPDガイドラインVer1.2 」-「Ⅱ .1.(2)技術士に求められる資質能力及びCPD活動(p4)」をご参照ください。
Q3: 資質区分と形態区分の特徴は何ですか?
A3: 詳しくは「技術士CPDガイドラインVer1.2 」-「Ⅱ .2.(2)CPD活動の資質区分及び形態区分(p6)」をご参照ください。
Q4: 2022年度に大きく改訂された日本技術士会CPD算定基準の特徴は何ですか?
A4: 2021年度以前の基準と比べて、大幅に簡素化するとともに、eラーニングを講演会参加と同等に位置づけたこと、学協会活動を諸外国に倣って重視するため形態区分の参加型に位置付けたこと、技術士の自主性を尊重して自己学習の内容を例示して上限時間を30 時間に引き上げたことなどです。
Q5: eラーニングが講演会参加と同様に認められますが、何か必要な条件がありますか?
A5: eラーニングは受講修了証等により受講が確認できることが必要です。「受講修了証等による受講の確認」には、オープンバッジによる「デジタル修了証明」も含まれます。
Q6: コンサルタントの業務は、CPD活動の実績になりますか?
A6: 諸外国の多くの基準では、現在の知識を適用した通常の作業は、職場での学習活動として主張することはできないと明記されています。また、我が国の主要な学協会でもCPD として認めていないことから、日本技術士会でも、国際同等性及び相互承認の観点を考慮し、CPDとして認めないこととしています。
Q7: 学協会の委員会や専門部会への参加は、どのように計上すればよいのですか?
A7: 活動日ごとに個別に計上することを原則とし、年度上限30CPD時間まで計上することができます。また、通年の活動として委員会、小委員会、WG、部会等別に、上限を10CPD時間として年度末(3月)にまとめて計上しても構いません。それぞれ委員会等の名称、目的、自身の役割を明記してください。
Q8: 学協会活動(310)では「年度末(3月)にまとめて計上」と規定されていますが、翌年度(4月や5月)に計上(CPD登録)してもかまいませんか?
A8: 年度末(3月)にまとめて計上とは、通年の学協会活動(4月~3月)をまとめて、年度末(3月)に計上(CPD登録)することを原則としていますが、日本技術士会以外の学協会によるCPD活動実績証明書等の発行が間に合わない等やむを得ない場合は、翌年度の4月以降できるだけ速やかに計上(CPD登録)して下さい。
Q9: 日本技術士会と土木学会に入会しています。310の学協会の委員会・専門部会等への参加は、両方の委員会の参加を登録することが可能ですか?
A9: 可能です。活動日ごとに個別に計上することが原則ですが、通年の活動として複数学協会の委員会等別に上限を10CPD時間として年度末にまとめて計上することができます。登録方法は前項「A7」を参照して下さい。いずれの場合も全体で30CPD時間が上限です。
Q10: 学協会には、どのような団体が該当するのですか?                
A10: 学術の各分野の発展を図ることを目的に組織された団体で、規約を有し、定期的な会合と出版物を持つ団体が該当します。
Q11: 学協会の会誌の購読は、年間の購読時間を一括して計上してよいのですか?
A11: 学協会誌の購読は、年度末に一括で計上しても良いし、購読毎に時間を計上しても構いません。但し、上限は10CPD時間/年度です。
Q12: 日本技術士会と電気学会に入会して会誌を定期購読しています。年度末にまとめて計上する場合は、どうすればよいですか?
A12: 複数の学協会に入会して、会誌を定期購読している場合は、いずれか一つの学協会の会誌購読320を、10時間を限度に年度末にまとめて計上してください。その他の学協会の会誌の購読は、自己学習010の②専門誌・学術誌の購読で、1日ごとに0.5/Hで計上してください。
Q13: 国家資格とは、どのような資格をいうのですか?
A13: 国が法令、告示、通達等に基づき、一定の業務に従事する上で必要とされる専門的知識、技能等に関する基準を設けている資格のことです。
Q14: 政府関係機関や公益法人等が認定する技術資格はCPDとして認められないのですか?
A14: 形態項目「8.資格取得」については、様々な資格が存在し、その判定が難しいことから国家資格に限定しています。政府関係機関や公益法人等が認定する技術資格や民間資格は形態項目「10.多様な自己学習」で資格取得のための学習時間を計上してください。
Q15: 学位取得はCPDとして認められないのですか?
A15: 学位取得については、学位取得の条件として論文発表や口頭発表が義務化されており、その過程で十分なCPD時間の実績の登録が可能なこと、関係する学協会でもCPD時間を認めていないことから、CPDの対象から外しています。
Q16: 日本技術士会と他の学協会のCPD活動との連携を深めるため、CPDの分類やCPD時間の算定基準を統一することが必要だと思いますが、現状を教えてください。
A16: 詳しくは「技術士CPDガイドラインVer1.2 」-「Ⅳ.関係学協会のCPD活動実績の活用(p9)」をご参照ください。
Q17: 会員として所属する学協会から表彰されました。どのように計上すればよいですか?
A17: 被表彰者が表彰者(学協会)の会員の場合は、(911)国・地方公共団体・学協会等からのものとして計上してください。但し、国・地方公共団体・学協会等に勤務する者がその勤務先から表彰された場合、(912)企業等の表彰規定に基づくものとして計上してください。

3.技術士のキャリア形成に必要なCPD時間

Q1: 「CPD時間」及び目標時間について教えて下さい。
A1: 詳しくは「技術士CPDガイドラインVer1.2 」-「Ⅱ.3.技術士のキャリア形成に必要なCPD時間(p7)」をご参照ください。
Q2: 技術者倫理とは、具体的にどのような資質能力の向上を図るCPD活動ですか?
A2: 科学技術・学術審議会の技術士分科会が定めた技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)では、技術者倫理とは次のように解説されています。 ・業務遂行にあたり、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮したうえで、社会、経済及び環境に対する影響を予見し、地球環境の保全等、次世代にわたる社会の持続可能な成果の達成を目指し、技術士としての使命、社会的地位及び職責を自覚し、倫理的に行動すること。 ・業務履行上、関係法令等の制度が求めている事項を遵守し、文化的価値を尊重すること。 ・業務履行上行う決定に際して、自らの業務及び責任の範囲を明確にし、これらの責任を負うこと。

4.日本技術士会のCPD登録システム(Pe-CPD)

Q1: 日本技術士会に入会していなくても、CPD登録システムの利用は可能ですか。
A1: 日本技術士会のCPDWEB登録メンバーとして ID・パスワード(手数料2,000円/年度) を取得すれば、入会していなくてもCPD登録システムの利用が可能です。
Q2: CPD記録の登録方法について教えて下さい。
A2: 詳しくは「技術士CPDマニュアルVer1.5 」-「Ⅰ.1.(2)WEB登録のためのID及びパスワードの取得及び(3)WEB登録の入力方法(p4)」をご参照ください。
Q3: 日本技術士会に登録したCPD記録の審査は、どのように行われるのですか?
A3: 詳しくは「技術士CPDマニュアルVer1.5 」-「Ⅰ.2.CPD登録内容の審査(p5)」をご参照ください。
Q4: 日本技術士会のCPD登録システムにCPD記録を登録しておけば、自動的に技術士CPD活動実績簿等への記載申請が行われるのですか?
A4: 技術士CPD活動実績簿等への記載申請は、自動的には行われません。年度末の3月に、日本技術士会が当該年度の「CPD登録システムへの登録状況」を通知しますので、基準CPD時間や推奨CPD時間に達している場合は、4月に入ってから技術士CPD活動実績簿等への記載申請を行ってください。基準CPD時間や推奨CPD時間に達していない場合は、登録を忘れているCPD実績がないか確認し、あれば直ちに追加登録してください。また、新年度の4月には、技術士CPD活動実績簿への記載申請、技術士登録簿登録事項変更届出書の提出、技術士(CPD認定)の申請等について案内を通知しますので、技術士CPD活動実績簿等への申請状況を確認し、申請手続きを行ってください。
Q5: 公共調達に使用するためのCPD証明書を発行することができますか?
A5: 詳しくは「技術士CPDマニュアルVer1.5 」-「Ⅱ.7.技術士CPD活動実績証明書の発行(p14)」をご参照ください。
Q6: 日本技術士会CPD時間算定基準(表-1)のCPD時間年度上限が設けられたCPD実績について、年度上限を超えるCPD実績はCPD登録できないのでしょうか。
A6: Pe-CPD(CPDのWEB登録・管理)登録画面の最下段の「管理対象/管理対象外」に於いて、「管理対象外」を選択して下さい。CPD時間年度上限を超過したCPD実績をWEB登録することができます。これにより、全ての技術士CPD実績をPe-CPD(CPDのWEB登録・管理)へWEB登録することが可能となります。但し、「管理対象外」を選択した場合のCPD実績はCPD登録証明書等の対象とはなりません。

5.技術士CPD活動実績簿への記載申請

Q1: 技術士CPD活動実績簿への記載申請の手続きについて教えてください。
A1: 詳しくは「技術士CPDマニュアルVer1.5 」-「Ⅱ.2.技術士CPD活動実績簿への記載申請(p7)」をご参照ください。
Q2: 技術士CPD活動実績簿への記載申請の受付は、年度内に1回だけですか?
A2: 記載申請の受付は随時可能です。ただし、年度内に1回の申請を基本としているため、2回目以降は日本技術士会の正会員の方でも手数料がかかります。なお、1回の申請で過去5ケ年度分までのCPD活動実績を記載することができます。 記載申請の手数料:日本技術士会の正会員  年度内で1回目の申請【無料】、2回目以降の申請【1,000円/回】 記載申請の手数料:日本技術士会に未入会の技術士  年度内で1回目の申請【2,000円】、2回目以降の申請【1,000円/回】
Q3: 技術士CPD活動実績簿への記載申請の際に、CPD実績の証明が必要でしょうか?
A3: 日本技術士会以外の学協会(技術士CPD実施法人)に登録されたCPD活動実績による記載申請を行う場合は、CPD実績証明書の提出が必要です。日本技術士会のCPD登録システム(Pe-CPD)に登録されたCPD活動実績による記載申請を行う場合は、CPD実績証明書の提出は必要ありません。
Q4: 日本技術士会のCPD登録システムへの登録以外に、他の学協会にもCPD登録していますそれぞれのCPDを合算して技術士CPD活動実績簿へ記載申請することができますか?
A4: 技術士CPD活動実績簿への記載申請では、同じCPD活動実績のダブルカウントを避けるため、複数の学協会のCPD実績を、同年度に合算して技術士CPD活動実績簿へ記載申請することはできません。年度毎に異なった学協会のCPD実績を技術士CPD活動実績簿へ記載申請することは可能です。
Q5: 技術士の登録日よりも前の期間に、日本技術士会以外の学協会でCPD実績を登録しています。このCPD実績を技術士登録簿に記載することはできますか?
A5: 技術士登録簿への記載申請は、技術士登録をして技術士となった後のCPD活動実績を記載するものです。技術士登録日より前の期間のCPD活動実績は記載できません。
Q6: 日本技術士会以外の学協会(技術士CPD実施法人)のCPD実績により記載申請を行いたいのですが、当該法人が発行するCPD活動実績証明書に、CPD活動実績の合計の内数として技術者倫理の記載欄がありません。
A6: 記載申請の手続き画面(技術士CPD活動実績管理活用システム)に、「CPD活動実績証明書」を添付する欄とは別に「技術者倫理内訳書」を提出する欄がありますので、内訳書として、技術者倫理に係る講演会の受講証等を提出してください。なお、日本技術士会は技術士CPD実施法人に対し「CPD活動実績証明書へ技術者倫理記載欄の追加」や「技術者倫理の証明書を作成する仕組み」等をお願いしています。
Q7: 技術士の技術部門を複数取得しています。それぞれの部門について技術士活動実績簿への申請を行う必要がありますか?
A7: CPD実績は全技術部門共通とし、部門別の実績は求めませんので、部門毎に記載申請の手続きを行う必要はありません。
Q8: 技術士CPD活動実績簿は年度単位で作成されるのですか?
A8: 基準CPD時間達成者名簿、推奨CPD時間達成者名簿は、いずれも年度(4月1日から翌年の3月31日)単位のCPD活動実績で作成されます。
Q9: 技術士CPD活動実績簿への記載申請と、技術士登録簿への技術士CPD活動実績の記載に係る登録事項の変更は、それぞれ手続きが必要ですか?
A9: 技術士CPD活動実績管理活用システムにおいて「技術士CPD活動実績簿への記載申請」と「技術士の登録事項(資質向上の取組状況)の変更届出」を同時に行いますので、手続きは一度で済みます。
Q10: 推奨CPD時間を達成するためには、技術者倫理が年1CPD時間以上必要ですが、技術者倫理関係の書籍を読むことも技術者倫理のCPD実績に該当しますか?
A10: 技術者倫理関係の書籍や学協会誌の記事を読む「自己学習」の形でも、技術者倫理のCPD実績に該当します。なお、日本技術士会Pe-ラーニングシステムから技術者倫理のeラーニングを提供していますので、ご活用ください(2023年6月より)。

6.技術士(CPD認定)の認定

Q1: 技術士(CPD認定)を認定する目的は何ですか?
A1: 詳しくは「技術士CPDマニュアルVer1.5 」-「Ⅱ.6.技術士(CPD認定)の申請(p12)」をご参照ください。
Q2: 技術士(CPD認定)はどのような活用を考えていますか?
A2: 日本技術士会のホームページで名簿が公表されます。また、名刺等にロゴマークとともに標記できます。さらに、農林水産省のコンサルタント業務の技術提案書評価基準に於いて、管理技術者の評価点に「技術士(CPD認定)」の認定者は加点評価(1点)されることになりました(2023年度より)。今後は、関係する省庁や経済団体等にも活用を働きかけていきます。

7.その他

Q1: 日本技術士会に入会すると、CPD活動にどのようなメリットがありますか?
A1: 入会のメリットとして、以下のようなことが挙げられます。 ① 日本技術士会では、CPD行事として全国で講演会等を年間700件ほど実施しており、非会員の参加も可能ですが、会員は安価に参加ができます。 ② CPD講演会等の録画が600件ほどあり、ホームページから無料で視聴できます。 ③ 日本技術士会のeラーニングを安価で視聴できます。  なお、技術者倫理コンテンツは無料で公開しています【2023年6月開始】。 ④ 日本技術士会の委員会や専門部会活動に参画することで、30CPD時間まで取得が可能です。 ⑤ 日本技術士会の機関紙PE(月刊技術士)の購読により、年間10CPD時間まで登録が可能です。機関紙PEには、毎号技術者倫理に関する記事が出ています。 ⑥ 日本技術士会のCPD登録システム(Pe-CPDシステム)を無料で利用できます。 ⑦ 技術士CPD活動実績簿記載申請が無料です。また、CPD実績証明書の手数料が1,000円と安価です。(非会員は5,000円)


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