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長野県支部

平成27年度南信ブロック 講演会開催報告

平成27年度
長野県支部 南信ブロック CPD講習会 (実施報告)
「長野県から世界へ
多摩川精機(株)の先端技術の挑戦」
日 時 平成27年10月17日 (土) 10時00分〜12時00分
講 師 多摩川精機(株) 常務取締役 熊谷秀夫氏(工学博士)
会 場 多摩川精機(株)第2事業所(講演会、工場見学会)
多摩川パーツマニュファクチャリング株式会社(工場見学会)

内 容 等
 本講演会を実施した多摩川精機(株)は、長野県に本社があり世界で活躍している企業の一つです。多摩川精機(株)は、高精度角度センサ・各種モータ・ジャイロなど、その時代に必要とされた制御装置の角度精度向上に挑み、各種製品を商品化してきました。その中でも特にハイブリットカーの命ともいえる「角度センサ」は、世界で9 0% 以上の圧倒的なシェアを誇っています。
 本講演会の内容は、多摩川精機(株) 常務取締役 熊谷秀夫氏に、企業と製品説明を行っていただいたのち、製造工場の見学を行いました。企業と製品説明の内容は、飯田市での起業の経緯(起業者が郷里の発展を考えて飯田市に工場を設立)、使用されている製品(航空機、パチンコのスロットマシン、自動車、軍用機、新幹線、ヒューマノイド等)、建設分野での利用(ジャイロコンパス、下水管の位置を計測する孔曲り計測装置)について説明がありました。印象に残った内容は、航空機の制御装置について、電気で制御されているが、操縦時にワイヤーで連動して制御している感覚となるように作っていること、冗長系を何重にも組んでいること、現在の航空機はカーボンを主体としているため落雷に対して考慮していること等がありました。また、ヒューマノイドについては、片足で跳べる製品を目指しているとのことでした。
 工場見学の内容は、第2 事業所においてモータ、センサ等の製造現場を見学しました。工場は、製造効率を上げるために工程を工夫し、向上に努めていま
した。場内には、延長100m 以上(国内最長)の「孔曲り計測装置」の試験用の管が設置されていました。その後、工場見学は、多摩川パーツマニュファクチャリング(株)(TPM)場所を移動して引き続き行いました。TPM では、部品加工(機械加工、表面処理、熱処理および試験等)等の製造現場を見学しました。TPM は、南信州が航空宇宙産業の集積地を目指していることをうけて、県外企業に発注していた金属加工の後程を南信州で対応すること、高い信頼性が要求される航空機部品の熱処理・表面処理等の特殊工程に対応することから、平成25 年に設立された工場です。内容は、真空状態での電子ビーム溶接・真空での金属の熱処理・各種の非破壊試験(磁粉探傷試験、3D のX 線透視試験)装置等について見学しました。印象に残った内容は、特殊工程として表面処理の工程と、試験の工程が同一のラインにあること、環境に配慮して液もれを発見しやすいよう機器を全て高床式にしていること、工程全体を見回せるように機器の
配置をしていること、地震に対する強度が高い建物となっていること、地元の人々に対して見学会を実施していること等がありました。

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