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水産部会

書籍紹介

『水産技術者の業務と技術者倫理』

著者名

公益社団法人日本水産学会水産教育推進委員会

公益社団法人日本技術士会水産部会   共編

A5判・107頁

価格:2,100円(税込み)

発行元

恒星社厚生閣刊

発行年月 2011年6月

 本書は、昨年3月に日本水産学会で開催された同題のシンポジウムの内容を、前部会長で著者でもある久下善生氏を中心として、技術者倫理の副読本教材をイメージして編集したものである。学会は、JABEE認定プログラム向けの技術者倫理と水産部門技術士の具体像に関する良書を期待しており、これに応える形で刊行された。さらに本書は、技術士にとり部門を越えて示唆に富むものであり、紹介の筆を執らせて頂いた。

 もとより科学は人の得失に関り無く、公衆に供する際に技術者がベネフィットとリスクとを監理して社会的不経済を回避する。高度経済成長期に技術士はこれを体現し日本ブランドを支え技術・貿易立国を適えてきた。
 高度情報化社会を迎えた現在、放射線の低線量被爆を巡り毒性学者と公衆の狭間で政官学のリスクコミュニケーションは滞り、疑心暗鬼の連鎖は社会的不経済を招いている。技術士は、リスクコミュニケーションを効果的に行い新たな科学技術を活用するに際しても技術者倫理を見つめ、平素から業務に活かさなければならない。

 本書の各事例は、その果敢な背を見るに値する。井上祥一郎氏は、森を大切にする漁師の伝承を科学的に解明しようとする。網田健次郎氏は、三倍体養殖技術による魚沼美雪マスとして販売チャネルに載せようとする。桑原伸司氏は、食卓を囲む消費者に漁師の顔を見せ安心も届けようとする。西川研次郎氏は、HACCPが高度とされる誤解を解き正しく広く普及しようとする。岩見聡氏は、環境と漁業の共生を千葉県三番瀬再生シュミレーションの可視化によりわかりやすく公衆に伝えようとする。久下善生氏は技術士制度をレビューし、一層の技術士倫理の涵養を通じて社会貢献を期待する。是非、会員各位にご高覧頂きたい一冊である。

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