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原子力・放射線部会

311を迎えての過去の部会長メッセージ(2014,2015)

 福島復興支援に関する部会長からの過去のメッセージを掲示します。

部会長桑江良明

福島第一原発事故後4年を経て

 東日本大震災に伴う福島第一原発事故が発生してから丸4年が経過し5年目を迎えました。今なお十数万人の福島県民の方々が県内外で故郷を離れた生活を余儀なくされています。
 私たち原子力・放射線部会では事故直後から有志活動を中心に様々な福島支援活動を行ってきました。例えば、避難住民一時帰宅プロジェクトへの参加、避難対象自治体への支援協力、都内避難住民対象相談会への協力、除染情報プラザへの協力、原子力・放射線に関する客観的知識の普及…等々です。しかし、これらの活動も被災者の多大な苦難に比べればまだまだ不十分と言わざるを得ません。この事故に対して技術士として如何に向き合い行動すべきか、ということは今後も私たち自らが問い続けなければならない重要課題です。
 昨年、部会設立10周年を迎えたのを機に、過去を客観的に振り返ったうえで、今後の活動方針を策定しました。その中で、「部会員が事故の反省と教訓を常に心に留め原子力安全への高い意識を持ち続けるとともに、原子力界全体の安全文化醸成に資する活動を行う」ということを活動方針の一つとして掲げています。
 この4年間の活動を振り返ると、「暗中模索の状況での“手探り”の活動」であったと思います。ただ、これらの活動を通じて私たちは、所属組織としてではなく、技術士個人として、一般社会に出て行く経験をしました。また、問題・課題は多岐に亘っていて、原子力・放射線部会の努力だけでは限界があり、技術士会内の他部会・委員会、地域本部・支部等の協力が必要であるということを謙虚に学びました。さらに技術士会には他学協会には見られない“多様性”があり、そこに多くの課題解決に向けた(未発揮の)“ポテンシャル”を感じました。
 おそらく遠い将来、この数年の部会活動を振り返るとき、これから長く続くであろう道程の、ほんの“初めの一歩”に過ぎなかったと位置づけられることでしょう。しかし、少なくとも「方向だけは見失っていなかった」と後世に評価されるような活動を地道に続けていこうではありませんか。
 引き続き、部会員の皆様のご協力をお願いします。

平成27年3月11日
原子力・放射線部会
部会長 桑江良明

福島第一原発事故から3年を迎えて

 3年前のこの日、福島第一原発事故が発生した直後から、多くの部会員から「技術士として何か行動を起こすべきではないか」との声が上がり、それらの素朴な思いが、不十分ながらもいくつかの具体的行動につながってきました。私たちが出来たことは、被災者が今もなお受けている多大な苦難に比べれば微々たるものに過ぎず、それさえも、後追いの対応であり本質的な議論を避けているのではないかとの指摘もあります。
 ただ、この事故を風化させないための活動はこれからますます必要となってきます。私たちの活動の真価が問われるのはむしろこれからなのかもしれません。
 今後も「倫理」を口にするのであれば、一人一人が自分の置かれた立場に応じて絶えずこの事故を振り返り、反省と教訓を心に留めながら行動し続けることが必要であり、それを率先して実行できるのが技術士なのだと思います。部会として、技術士一個人として、できる事、やるべき事を吟味し、一つ一つ行動に移していく所存です。皆さまのご協力も宜しくお願いします。

平成26年3月11日
原子力・放射線部会
部会長 桑江良明

このページのお問い合わせ:原子力・放射線部会

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