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化学部会

2012年 化学部会講演会等開催行事

2012年に開催した例会及び講演会の報告等を掲載しています。

12月13日

講演1:「中国の高速鉄道と都市鉄道の発展について」

辻村 功 氏 クノールブレムゼ鉄道システムジャパン(株) エンジニアリング プロジェクトエンジニア 技術士(機械)
 中国の新幹線の追突事故とその後の事故車両の埋立てで、世界から失笑を買った中国の高速鉄道の現状に、受講前から聴講者は興味を持っていた。
 同事故は、1980年代まで蒸気機関車、ディーゼル機関車が主体だった鉄道を、経済成長に合わせて高速鉄道に早急に移行するという“促成栽培”に、例えば信号システムに落雷によるシステム損傷に対してフェールセーフが確保されていない等の周辺技術が追いつかなかったことが原因のようだ。
 模倣することに抵抗感を持たない中国が、世界の最新技術を貪欲に導入することをどう捉えるか、やはり「巨大なビジネスチャンスの存在」という視点も忘れてはならないと思った。

講演2:「優れものとしての圧電材料の基礎から応用へ」

山田頼信 氏 高田馬場技術士事務所 技術士(化学)
 我々の身の回りには、圧電材料が数多くある。エアバッグシステムの加速度検出器、カメラの手振れ防止のための角速度検出器、インクジェットプリンターの吐出ヘッド、腕時計、携帯電話の水晶振動子等だ。
 圧電のメカニズムのポイントは、電場をかけると歪みが発生し、また応力をかけると分極が発生する(電気的エネルギー←→機械的エネルギー)という相互変換である。この作用を利用すると各種の変換素子が得られる。演者はこの辺の原理や仕組みを分かり易く説明された。

以上、秋葉記

11月22日

講演1:「シェールガスの今」

伊原 賢 氏 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC) 石油調査部上席研究員
 技術開発により、1.5〜3億年前にでき地下深くに眠る「シェール(頁岩)」に細かな割れ目を作れるようになり、シェールの微細孔に含まれる天然ガスが取り出せるようになった。このガスがエネルギーや化学原料として使用可能になったことから、米国ではシェールガス革命が起こっている。
 ガス採掘井に「水90%、砂粒9.5%、化学物質(ゲル化剤)0.5%」の混合物を注入し、その内10%程度がガスを含んだまま採掘管の周囲から逆流するので、環境問題が心配されている。しかし、セメントを管周囲に使用すれば逆流を防げるとのこと。ガスを取り出した後のシェール空隙には砂粒が入るので地盤沈下が防げる。

講演2:「福島原発事故から学ぶ科学技術者の責任」

中村昌允 氏 東京農工大教授 技術士(化学、農工大教授)
 福島第一原発の事故は、「新しいことに取組むという覚悟」、並びに「事故や技術への説明責任」、「どこまで安全を求めるか」を科学技術者に問うている。科学技術には、ノーベル賞対象物のDDTでも使用法によっては癌が発生して殆どの国で使用禁止になったように、メリットとディメリットがある。良く勉強した上で安全に使用することが大事だと述べられた。
 講師の「日本は導入技術を改良して製品化し使用してきたので、初期の不安全の経験が少なかったのではないか」という言葉が印象的だった。

以上、秋葉記

11月3日

若手グループ主催(休日開催行事)
テーマ:「最近のフラットパネルディスプレイの動向」

講演1(英語講演):“Electronic Paper: Latest material developments for Colour Electrophoretic Displays”

Mr. Ashley Smith / Merck Chemicals, Ltd.
 印刷物ライクの視認性と十分な応答速度を有する反射型のカラーディスプレイは、ディスプレイ開発者にとってチャレンジングなテーマである。とりわけ、印刷物と同様の色再現領域を確保するのは、最も困難な課題である。本報では、電気泳動ディスプレイにおいて、カラーフィルターなしでカラーを実現するための表示用材料の開発と、この表示材料の性能についてシミュレーションした結果について報告していただいた。

講演2:「フラットパネルディスプレイ用液晶材料」

川ア 統氏/JNC石油化学(株)(技術士・化学)
 液晶ディスプレイ(LCD)は過去20年の間に劇的に性能が向上してきた。本講演では、LCDの基本的な動作原理、およびLCDの中心材料であるネマチック液晶混合物の特性との関係を述べていただいた。また、最近の液晶ディスプレイ技術のトピックについても概説していただいた。

講演3:「有機EL 今、昔、今後の展望について」

時合 健生氏/出光興産(株)(技術士・化学)
 有機EL(OLED: organic electroluminescence display)は、次世代の表示及び照明として注目されている。OLEDは、色が鮮明であり変形可能な材料にも利用ができ、用途も多岐にわたる。そこで、一般的なOLEDの材料、作動原理、表示素子及び製造方法及び用途等の概要を紹介していただいた。

<特記事項>
・休日にも関わらず、企業に勤めている技術士、他部門の技術士会員、修習技術者および協賛学会員など、普段の化学部会とはかなり異なる方々、合計27名(講師除く)が参加してくれた。
・Smithさんの講演は、英語講演という初めての試みだったが、わかりやすくお話していただいたこともあり、英語での質疑もあって、とても有意義な機会となった。
・講師は3名とも、企業でそれぞれ開発の最前線で活躍している技術者ばかりということもあり、内容が最新であるばかりでなく、それぞれ事業という観点が含まれた講演をしていただけたため、とても含蓄があって面白い講演であった。
・今回は祝日開催ということで、技術士会の設備ではなく、船堀タワーホールという公共施設を使用したが、とても充実した設備で、安価で、サービスも良く、使い勝手も良かった。(使用時間帯が限定されるという制約があるが)
以上、沢木記

10月27日

<繊維部会との合同部会>

講演1:「炭素繊維の底力 〜世界に誇れる日本の技術〜」

井塚叔夫 氏 井塚技術士事務所・繊維部門・元東レ
 日本技術士会繊維部会・化学部会共催講演会の最初の講演は、ボーイング787に使用されて話題となった「世界に誇れる日本の技術」のひとつである炭素繊維の話であった。炭素繊維の歴史から始まり、特性と分類、構造、製造方法、そして用途と分かり易く説明して頂いた。講演中に炭素繊維の糸や織物、炭素繊維強化プラスチックなどが回覧され、炭素繊維の糸をそのまま引っ張ってもなかなか切れないが途中で結んで引っ張ると容易に切れるという体験ができ、炭素繊維が方向によって強さが異なることなどが実感できた。

講演2:「新規事業分野に挑む高分子機能設計の重要な役割」

後藤幸平 氏 後藤技術事務所・化学部門・元JSR・高分子学会フェロー
 会社の寿命は30年という言葉があるが、それを技術で乗り越えた事例の講演であった。演者はJ社の変革の歴史から述べられた。得意な合成ゴムをベースとしたネガ型半導体レジストからより高い解像度のポジ型半導体に移行する際、フェノール樹脂という不連続な技術を取り入れて成功し、合成技術を拡げて連続化した。また、燃料電池用電解質膜ではミクロ相分離を用いて氷点下でも氷にならない膜構造を実現し、低温始動性(-20℃)の燃料電池システムのキーテクノロジーとなった。技術陣の優秀さもさることながら経営側の判断とのすばらしい連携に感動した。

以上、福井記

9月21日

<近畿支部・中部支部との合同見学会>
 通常10月に行っている見学会を、今年は「技術士全国大会」が9月下旬に大阪で実施されることに合わせて、9月21日(金)午後に実施した。見学先は、浸透圧で水を吸う“高吸水性樹脂”の生産で有名な「日本触媒(株)姫路製造所」でした。同工場は敷地面積約90万平方メートルの主力工場で、高吸水性樹脂をはじめアクリル酸やその誘導体等のコア事業製品を生産している。
 見学後の意見交換の中で、過去のトラブルを参考にした“品質保全、総合安全、業務プロセス、オペレーション、設備安全、人材力を網羅的、横断的に刷新する同工場のHMI活動(姫路ものづくり一新活動)”に参加者は新鮮味を感じた。
 なお、見学会の8日後に起きた同工場の爆発炎上事故は驚きであり、お悔み申し上げる。

以上、秋葉記

8月23日

講演:「医療イノベーションを先導するバイオマテリアル 〜高分子ナノキャリアによる薬物・遺伝子のピンポイントデリバリー〜」

片岡一則 先生 東京大学大学院工学系マテリアル工学専攻教授・高分子学会会長
 医療におけるセンシング、プロセシング、オペレーションにナノテクノロジーが積極的に使われていることは良く知られているが、その中で特に高分子ナノキャリアを用いたDDSの研究に関する講演であった。日本人の国民病である「がん」の治療には化学療法、抗体医薬、遺伝子療法などがあるがいずれも「がん」にピンポイントで薬物を運ぶ必要がありDDSは必須の技術である。高分子ミセルは(1)親水性外殻による生体適合性、(2)内核の薬物保持・放出機能、(3)外殻のパイロット分子によるセンサー機能・標的結合機能を有するだけではなく、臨界ミセル濃度が小さく体内で薄まった状態でも機能が発揮できるという大きな特長を持っている。多くの写真や動画を用いてがん治療の具体的な例が示された。

以上、福井記

7月26日

講演1:「メタマテリアル、光学特性とその応用 〜あり得ない光学材料を実現するテクノロジー〜」

田中拓男 氏 理化学研究所・基幹研究所 田中メタマテリアル研究室准主任研究員
 光を扱っている技術者にとって「あり得ない光学特性」を示すメタマテリアル。物質中の光の速度(屈折率)は電磁気学では比誘電率と比透磁率のそれぞれの平方根の積で示されるが、宇宙内の物質の比透磁率は光の波長領域では1であることから、通常「光学」の世界では屈折率は比誘電率の平方根と教えられている。
 このため、屈折率は1から2.4の範囲と思いこんでいるが演者は自然界では1である比透磁率を変え、その範囲を超えようと試みた。光の波長より短いナノオーダーの金属コイルを配列することで比透磁率を変化させ、自然界にはない屈折率2.4以上やマイナスにすることができる。赤外線のフェムト秒レーザーを用いた2光子還元によって物質中で金属イオンを3次元構造の金属に変える手法やDNAを用いてナノレベルの金属の3次元構造体を作成している。メタマテリアルの応用として透明人間は社会の役に立たないが、反射率ゼロの光ファイバーや反射しないプリズムは社会に役立つであろう。実現化が望まれる。

講演2:「低炭素技術とシナリオ」

岩崎 博 氏 化学部門技術士 低炭素社会戦略センター上席研究員
 原子力発電を廃止し、しかも低炭素社会を実現しようとすると経済が成り立たないとか我慢するイメージとなり暗くなる傾向がある。演者は「明るい低炭素社会」への道筋を、技術シナリオや経済・社会シナリオを作成することによって提案した。原子力に関してはウラン235の分裂によって生成する核生成物の除外技術がないため、本質的に原子力発電に依存することは危険であり、再生可能エネルギーの利用を促進する必要がある。このためには太陽光発電、太陽熱発電、風力発電、水力発電などの発電技術のみならずエネルギー媒体、輸送、蓄電池、CCSなどの定量的な技術評価が必須であり、それに基づいた技術戦略を立案し、研究開発・事業構築を加速しなくてはならない。講演の後に風力発電の評価、再生可能エネルギーという言葉の妥当性、3.11の技術者の信用失墜を回復して欲しいなど様々な視点からの討論があった。

以上、福井記

7月21日

若手グループ主催(休日開催行事)
テーマ:身の回りにある技術 −表面改質技術と界面活性剤−

講演1:「ナノ構造制御による表面改質」

白鳥 世 先生 慶応義塾大学理工学部物理情報工学科准教授

講演2:「化粧品における粉体表面と表面処理」

福井 寛 氏 福井技術士事務所 技術士(化学)

講演3:「界面活性剤の製造法−アニオンを例に挙げて−」

山田 剛 氏 ライオン(株)化学品研究所 技術士(化学)

講演内容の詳細は、下記の添付資料「7月21日:第5回化学部会休日開催イベント報告」をご参照ください。

6月28日

講演:「時空間機能材料とは何か?」

原 正彦 先生 東京工業大学大学院 理工学系研究科 物質電子化学専攻教授
 従来のデバイスでは「ムーアの法則」に示されるスケールの限界、計算時間に示されるスピードの限界があり、それに加えて「あいまいさ」を除外したデジタル処理の限界(想定外に対処できない)という大きな問題があった。
 演者は時間とともに不安定に変化する「粘菌」の挙動をシステムに取り入れ、揺らぎや雑音があっても的確に答を絞り込むアナログ機能を開発している。各都市を一度ずつ訪問し、元の都市に戻る時、その最短ルートを計算する「巡回セールスマン問題」のような課題では都市の数が増えると組み合わせは指数関数的に増加し、30都市では「京」を用いても計算に1000億年以上かかるという。「粘菌」を使うと都市の数に比例した時間で計算でき、しかも都市の数が増えても正解率はほぼ同じであった。また、ここで得られた微分方程式から回路を作ることができるという。
 21世紀の新しい科学へのパラダイムシフトが感じられ、「巡回セールスマン問題」以外にも何に応用できるか楽しみである。

以上、福井記

5月24日

1.部会総会

 詳細は、下記の添付資料「平成24年度化学部会総会 議事録」をご参照ください。

2.講演会

講演1:「医療分野に殺到する各界からの特許 〜転ばぬ先の杖は何だろうか〜」
秋葉恵一郎 氏 技術士(化学部門)

講演2:「環境や生体からいかに放射能を低減するか」
杉原 淳 氏 神奈川大学工学研究所客員教授・化学部門技術士・元湘南工科大学教授

講演3:「技術士になられた方へのウェルカムメッセージ」
沢木 至 氏 技術士(化学部門)

3.一次・二次合格者歓迎会

4月26日

見学会

日時:2012年4月26日13時30分〜16時15分
場所:武田薬品工業株式会社湘南研究所
参加人員:49名
概要:
 武田薬品の湘南研究所は平成23年に竣工した25万平方メートルの面積を有する研究所で研究員1200名と委託先の600名が研究に携わっている。入口には船乗りのシンボルである黄色い羅針盤が飾ってあり、未知への航海に挑む気概が感じられた。縦の動線を専門性、横の動線を共創性として15のブロックがあり、縦の動線は500メートルあるとのこと。広いスペースが印象的であった。
 説明は移転プロジェクトリーダーの方で、研究内容以外に建物の免震構造や移転の苦労話などパンフレットでは得られない情報を聞くことができた。ビデオでの研究紹介の後、自由に打ち合わせなどができる春・夏・秋・冬の4種類の多目的室(ノマド)、ハイスループット室、タンパク質立体構造情報に基づく薬剤設計室、オンライン会議室、キッズルーム、研究所の歴史室などを見学した。

3月22日

講演1:「超臨界流体の正しい使い方とナノ材料への応用 〜“何でも溶かす溶媒”ではありません」

依田 智 氏 (化学部門技術士・産総研ナノシステム研究部門)
 "何でも溶かす溶媒ではありません"という副題が付いているように、超臨界流体はものを溶解する力は一般的な溶媒よりも弱いことが分かった。
 CO2は無毒性・不燃性の特徴を生かして、溶媒の残存を嫌う医用材料や引火性のある火薬等の製造に有機溶媒の代替として使われているが、それでも、ものを溶かす用途には向かないという説明があった。
 また、シリカエアロゲルのような多孔質シリカゲルが超臨界乾燥によって、シリカナノコンポジットのような発泡ポリマーが高圧下の相分離によって作成できる。ただ、高温高圧条件になるため設備コストが工業的に課題になる。

講演2:「新薬開発の物語 〜インスリン抵抗性改善薬ピオグリタゾン」

目黒寛司 氏 浜理薬品取締役・元武田薬品研究開発本部長
 インスリン抵抗性改善剤のピオグリタゾン塩酸塩(アクトスTM)が生まれるまでを講師ご自身のR&D経験に基づいてお話し頂いた。
 アクトスを含む世界トップ3(ブロックバスター薬:1000億円以上/年の売上高を持つ医薬)の特許は2011年に切れ、2014年には世界トップ10の医薬品特許が切れる。
 キー化合物が出来てからアクトスが生まれるまで紆余曲折があった。米国のUpjohn社の臨床試験のサポートはあったが、同社は途中で開発を中止し、代わりにTPNA社(武田薬品(株)の米国子会社)が臨床試験を再開して何とか製造承認まで持って行けた。この過程が"アナログ的"だったというのが講師の感想。

3月17日

若手グループ主催

「一次試験合格者・JABEE修了者歓迎会」

・第二次試験受験ガイダンス
・合格体験談
・ディスカッション
・懇親会
行事の概要は、下記の添付資料「3月17日:平成23年度 化学部門第一次試験合格者およびJABEE修了生歓迎行事報告」をご参照ください。

2月23日

講演:「東日本大震災後のものづくりの課題 −キーワードで読み解く産業の底流変化と日本企業の進路−」

増田貴司 氏 東レ経営研究所産業経済調査部長チーフ・エコノミスト
 リーマンショック、中国経済の減速兆候、東日本大震災、ギリシャ発のユーロ圏の金融危機、歴史的円高と日本を取り巻く経済情勢は油断を許さない。講師はこうした状況下で日本産業を読み解く10のキーワード「スマートシティー、クラウド、異業種間競争、地産地消、日本の強み再発見、欧州危機と日本産業、それに風力発電、パッケージ型インフラビジネス、先端材料、ネット販売」を挙げ、初めの6つを詳しく説明していただいた。
 “ものづくり”だけでなく、儲けるビジネスモデルを組み合わせると良いという締め括りは示唆に富んだもので、“東日本大震災後のものづくりの課題”という現在日本が抱えている課題にマッチする講演内容だった。

1月26日

講演1:「サワラソーラーブリーダー計画:宇宙船・地球号の未来に向けた未利用エネルギー資源技術開発と国際戦略」

鯉沼秀臣 先生 東京大学・新領域創成科学研究科教授、東京工業大学名誉教授
 『サハラ砂漠の砂に含まれるシリカを還元して高純度シリコンを作り、大陽光パネルと発電所を作って超電導ケーブルで世界中に送電する「サハラソーラブリーダー計画」が紹介された。太陽光発電開発で一番重要なことは現在の太陽電池材料の約90%を占めている結晶系シリコンを安価に大量に作ることであり、中国や台湾はこの戦略に基づいてシリコンを生産している。今後、シリコン原料のイノベーション戦略が必要で、More than Siemens法やBeyond Siemens法を用いてコストを1/3〜1/5に下げることを目標とする。また、開発をアラブと共同で行う太陽電池の国際戦略についても述べられた。』

講演2:「心筋を模倣した自励振動ゲルアクチュエーターの創生 〜微細空間で活躍する新規マイクロ流体素子の開発を目指して」

原 雄介 氏(化学部門技術士・産総研ナノシステム研究部門)
 『心筋を模倣した自励振動ゲルアクチュエーターを中心にして、高分子ナノファイバー、導電性高分子からなるペーパーアクチュエーター、エラストマーアクチュエーターの最近の研究成果が紹介された。
 B-Z(Belouzov-Zhabotinsky)反応を利用してゲルを親水性←→疎水性間で交換移行させ、自励振動(アクチュエーター化)を起こさせる。化学エネルギーが力学的エネルギーに変換されて自励駆動が起こる。高分子物資が"芋虫"のように移動する画像が示された。細胞培養皿、ドラッグデリバリーシステム、人工筋肉等の用途が期待される。発想が面白かったのでコミック誌のマンガ材料にもなったとのこと。』

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