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生物工学部会

【例会案内】2024年10月例会

日時:2024年10月12日(土)(講演会等)13:30〜17:00 (幹事会 11:30〜13:00)
場所:メイン会場、サテライト会場及びオンライン(Teams)によるハイブリッド開催
・メイン会場:大阪産業創造館6階会議室C(大阪府大阪市中央区本町1-4-5)(定員:25名)
・サテライト会場:機械振興会館6-65会議室(東京都港区芝公園3-5-8)
対象:日本技術士会 正会員・準会員
会費:日本技術士会 正会員・準会員:1,000円(新CPD行事参加申込サイトにて一括支払い)
テーマ:医薬品・医療機器開発の現状と実用化に向けた課題

プログラム
(1)開会挨拶
(2) 講演1:山口 正純 会員(生物工学)(千寿製薬(株))
 演題名:QbDによる医薬品開発と医薬品GMP
 講演要旨:
 Quality by Design (QbD)とは、リスクと科学的なデータに基づく医薬品(製剤)開発であり、設計による品質の作り込みのことである。QbDによる製剤開発の考え方は普及しつつあるが、レギュレーションはより企業側にしっかりした考えを求めており、これまで以上にQbDに基づいた製剤開発が求められている。2016〜2023年の間、日本薬剤学会製剤処方・プロセスの最適化検討フォーカスグループの活動を通じて、QbDの普及に取り組んできた。その経験を踏まえて、QbDの現状を紹介する。また、QbDは医薬品GMPに寄与する。GMPとは、「医薬品の製造管理及び品質管理の基準」のことであり、医薬品はGMPに準じて製造される。昨今、製薬メーカーの薬機法違反が社会問題になっており、GMPに準拠していなかったことが原因として挙げられる。GMPを正しく運用するには、品質を向上させようとする意識と行動が大切である(Quality Cultureの醸成)。QbDとQuality Cultureの関係についても説明する。

(3) 講演2:山野 範子 先生(大阪大学大学院工学研究科准教授)
 演題名:バイオ医薬品生産宿主細胞の開発
 講演要旨:
 Chinese hamster ovary(CHO)細胞はバイオ医薬品の主要な宿主細胞である。CHO細胞の染色体は変化しやすく、培養を続けると自然に組換えや本数分布が生じる。そこで染色体数の異なるCHO細胞の単離を行い、それらを宿主とした抗体生産細胞を構築したところ、染色体数が増加したCHO細胞を宿主とすると生産性が上がる結果を得た。また、染色体異数性を誘導することで、宿主として有望な細胞株が単離できた。さらに、従来のCHO細胞と比較して、倍速で増加するChinese hamster lung(CHL)-YN細胞をチャイニーズハムスターの肺組織より樹立した。CHL-YN細胞はウイルス等の安全性試験を通過しており、完全合成培地を用いた浮遊培養が可能である。本細胞は、理化学研究所バイオリソース研究センターに寄託(RCB5004)しており、誰でも使用することができる。現在、海外の大手製薬企業を含む6社の企業にCHL-YN細胞を導出しており、日本発の細胞として世界で活躍してほしいと願っている。

(4) 招待講演:山岡 哲二 先生(公立小松大学保健医療学部教授,国循客員部長)
 演題名:生体組織由来医療機器の実用化研究:脱細胞化組織と殺細胞化組織
 講演要旨:
 材料工学を専門とする研究者として約40年間研究に携わってきた。特に、2004年からの19年間は、国立循環器病研究センター生体医工学部で研究する機会を頂いた。化学合成実験、細胞培養実験、小中大動物実験などの充実した研究環境の中で、優秀なスタッフと熱心な学生たちの協力のもと、見たことも聞いたこともない医用デバイスの実現を目指して、ワクワクの日々を過ごしていた。2007年より脱細胞化組織の研究に着手し、2010年より脱細胞化超小口径人工血管に焦点を絞った。最終的には、食用ダチョウの頸動脈を素材として、かつ、新たな内腔修飾法を搭載することで、内径2mm長さ30cm以上という、世界で最も細い超小口径人工血管の開存化に成功した。それから10年間、株式会社ジェイエムエスと協力して、多数の大動物移植実験による有効性実証と、製品設計、GLP準拠の生物学的安全性試験を含む安全性試験、PMDAとの対面助言を完了し、京都大学形成外科学教室森本尚樹教授らとともに、ファーストインヒューマン試験の準備が整いつつある。その他、類似の技術を利用して現在治験を進めている“殺”細胞化組織による超高圧がん治療法や、生体組織上で自己組織化的に人工生体膜を構築する新素材など、我々のグループで開発してきた研究を紹介させていただく。

(5) パネルディスカッション
(6) 閉会挨拶
*例会終了後、各会場で懇親会、若しくは情報交換会を開催します。
 メイン会場:大阪産業創造館の近所の飲食店で懇親会(参加費:5,000円程度)
 サテライト会場:機械振興会館6-65会議室で情報交換会(参加費:500円)

参加申込締切:2024年10月4日(金)(締切厳守)
部会員:技術士会ホームページ・新CPD行事参加申込サイトよりお申込みください(会員パスワードが必要です)。

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