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生物工学部会

研修旅行実績(見学会および講演会)2012年

製品展示コーナーでの集合写真(拡大画像へのリンク)

製品展示コーナーでの集合写真

(画像クリックで拡大 71KB)

研修旅行記録

【日時】平成24年7月27日(金)13:00-17:30(終了後懇親会)
【訪問先】株式会社カネカ(兵庫県高砂市)
【懇親会】株式会社カネカ 出汐館

【内容】
1. 会社紹介
 会社説明に先立って(株)カネカ総務グループリーダー 糀谷様より歓迎のあいさつ受けた。総務グループ 藤本様より会社の概要説明があり、高砂工業所の紹介ビデオを鑑賞した。
 株式会社カネカは1949年に鐘淵紡績(株)(現:カネボウ株式会社)より分離し、資本金2億円で設立。現在は資本金330億円、従業員数8400名に成長。売り上げは(1)食品、(2)化成品、(3)機能性樹脂の順に大きく、最近はアジア展開を広げている。海外ではベルギーと北アメリカに生産拠点がある。高砂工業所はカネカ最大の製造拠点であり、播磨臨海工業地帯に立地し、研究から製造まで一貫した生産体制を整えている。2008年に工場用跡地(西工場)を取得し、敷地面積は128万平方メートルとなった。カネカ夏祭りの開催、社宅跡地芋畑プロジェクト、兵庫県「企業の森づくり事業」参画など、地域に信頼される企業作りを目指している。

2. 製品展示見学
 厚生棟1Fの製品展示コーナーを見学した。化成品(塩化ビニール)、機能性樹脂(建築用、自動車用など)、発泡性樹脂、食品(カネカイースト、香辛料、マーガリン)、ライフサイエンス(カテーテル、血液浄化器、コエンザイムQ10)、エレクトロニクス(薄膜太陽電池、光学フィルム)、合成繊維(難燃繊維、蛋白繊維)など、多種多様な製品を見ることができた。

3. 工業所内見学
 所内をバスで移動し、コエンザイムQ10製造設備とマーガリン製造設備において担当の方から説明を受けながら見学した。

4. 講演
「微生物産生ポリエステル(PHBH)発酵生産系の開発と工業化」((株)カネカ GP事業開発将来技術グループ 佐藤俊輔 会員 技術士(生物工学部門))
 PHPBはR-3-ヒドロキシ酪酸(3HB)とR-3-ヒドロキシヘキサン酸(3HH)からなる共重合ポリエステルである。PHBHは、(1) 3HBと3HHの比率により硬質から軟質まで物性が調節できる (2) 嫌気性・好気性どちらでも高い生分解性を持つこと (3) 100%生物由来のバイオマスであること等の特徴を持つ。「アオニレックス」という商品名で市販化され、プラスチック消しゴム、ボトル、コンポストバック、芝刈り用コードとして製品化されている。今後は非生分解性のバイオマスプラが伸びると予測される。課題としては、(1) さらなる生産性の向上 (2) 生産系の安定化が挙げられ、宿主の改良やプラスミドの安定化による解決策が紹介された。現在、高砂西工業所内で培養スケールアップ検討中であり、バイオマスを原料とした化学品の普及に向けての積極的な働きかけが実施されている。

【感想】
 通常、立ち入ることがない製造現場を見学することができ、貴重な体験ができた。工業所内はパイプラインが張り巡らされており、巨大な塩山からも多様な製品を生み出す原動力を感じた。バイオプラという新規事業への挑戦には、技術者としても感銘を受けた。

以上
(記録者:大上 直人)

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