生物工学部会のホーム部会活動状況研修旅行実績(見学会および講演会)2011年
【日時】平成23年7月29日(金)13:30-17:30(終了後懇親会)
【訪問先】株式会社四国総合研究所(香川県高松市)
【懇親会】一鶴屋島店
【内容】
1.会社紹介
株式会社四国総合研究所は四国電力グループのシンクタンクとして、昭和62年10月に設立され、電力・エネルギー分野はもとより、バイオ、環境、エレクトロニクス、情報・通信、土木・地質などの多岐に渡る分野において精力的な研究活動を行っているユニークな研究機関である。
会社説明に先立って、(株)四電技術コンサルタント・代表取締役社長/日本技術士会・理事(四国本部・副本部長)である武山氏より歓迎のあいさつと四国本部の活動に関する説明を受けた。続いて(株)四国総合研究所代表取締役社長である新田氏より会社の概要説明があり、会社紹介ビデオを鑑賞後、石田氏より配布資料「R&D REVIEW」誌(四国総合研究所発行)に沿ったトピックス紹介をいただいた。
2.所内見学
各研究部の実験施設や開発装置8 項目につき見学を行い、担当研究員の方から説明を受けた。バイオ関連では、植物栽培施設(ヒートポンプ利用、植物への光照射、屋上緑化のための砂苔栽培、組織培養技術による四国特産農作物の病害対策や絶滅危惧種の種苗生産、石炭火力発電所で発生した石炭灰の農業利用などに関する研究を行っている)、バイオマス・ガス化試験施設(竹、バーク、木材チップ、胡麻油搾粕などのガス化、燃焼性の検討を行っている)、高性能水質監視システム(メダカde モニター:カメラと専用ソフトによりメダカの行動解析を行い、リアルタイムで水質異常を検知する装置)、遺伝子解析実験室を見学した。その他、オンデマンド・モニタリングシステム技術、タワーバリア(50年対応鉄塔補修用長寿命塗装システム)、水素燃焼可視化装置、鉄筋破断非破壊診断装置等について説明を受けた。
3.講演
「四国総合研究所における生物関連研究への取り組み」(バイオ研究部石田部長)四国総合研究所における生物関連研究は、四国電力からの委託研究(電力需要拡大等)、公共団体からの委託研究(農業資材用途開発、希少植物保護)および自社研究から成り立っており、大きく分けて、農業関連研究と環境・エネルギー関連研究とがある。農業関連研究では「農業電化」をキーワードに、光照射の影響、石炭灰の利用、有用微生物の探索、希少糖の用途開発を行っている。環境・エネルギー関連研究ではDNA 解析を利用した四国内に生息するイタチ類の識別、魚卵の生物種の識別、植物ではアラカシなどの生物多様性の解析を行っている。また研究成果の商品化にも積極的に取り組んでおり、植物栽培用緑色光源、高知県産無農薬栽培柚子皮使用のグミ、イチゴ炭そ病エタノール簡易検査キット、レタス褐変防止シートなどを販売している。
【感想】
「電力利用」という視点、また「四国」という地域のニーズに密着し、多分野に渡るユニークな研究内容を知ることができ、非常に有益で密度の高い研修内容であった。
以上
(記録者:狩野恭子)
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