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国際委員会

国際交流の枠組みについて

 日本技術士会を代表して行うべき国際交流活動は、特定分野の技術交流や情報交換を目的とするものではなく、日本の技術士資格の国際的な実質的同等性(substantial equivalence)を担保し、日本と日本技術士会の地位向上に資するための活動とすべきである。これらを踏まえて以下に、「世界的な技術者交流の枠組みと動向」、「日本技術士会が正式な会員として関与する団体」、「日本技術士会がオブザーバー等として参加実績のある会議体・団体」、「日本技術士会としての国際交流の視点で今後の活動方針を検討している団体」との国際交流活動について紹介する。

世界的な技術者交流の枠組みと動向

 各国・エコノミーには、理工学系高等教育(以下工学教育)や技術者資格等に携わる団体・組織等が存在し、その数は世界中で500を優に超えます。これらの団体等は、多くは政府の関与なく、または背後に政府による主導権確保を秘め、地域または全世界に共通する課題解決への協同のため、定期的な国際交流を行っています。

 これらの団体を束ねる組織として、「ヒト:技術者の教育制度や資格」 の標準化の動きよりも早くから発足した重要な連合組織体が、世界工学団体連盟(WFEO: World Federation of Engineering Organizations)です。常設組織でテーマ別課題検討を行うと共に4年に一度、世界工学会議(WEC(WECC):World Engineering Conference (and Convention))を開催し、技術者による情報交換と交流を行っています。
 WFEOは認定制度(Accreditation)の枠組みを超え、一国一組織の正会員(Associate member)は91か国(2021, 1500万人以上の技術者)から、さらに地域ごとに11の国際団体(International Member)で構成されています。日本におけるWFEOの正会員は日本学術会議、準会員は日本工学会です。

 一方で、域内での学生や技術者の流動性(mobility)の確保や、資質・能力水準(benchmark)の設定のためには、国別制度に基づく工学教育履修生に備わるべき資質や資格取得者の資質に関する実質的同等性を保証する必要があり、この動きは1980年代後半より加速しました。

 米国ABET(Accreditation Board for Engineering and Technology)を祖とし、環太平洋諸国他を会員とするIEA(International Engineering Alliance)と、欧州におけるFEANI(European Federation of National Engineering Associations)が、各々教育認定や資格認定制度(PE:Professional Engineer や Eur Ing:European Engineer)の大きな枠組みを構築しています。しかし、コンピテンシーに基づくアウトカム評価を軸としている点では共通しています。

 WFEOでは、IEA(International Engineering Alliance 2007)との覚書(MoU: Memorandum of Understanding)を基に、両者のWGで、GA・PCのグローバル基準の見直しを行っており、2021年開催予定のIEAとWFEOの総会で改訂の最終決定が行われる予定です。国際委員会はIEAの認定会員(Signatory or Authorized Member)である日本技術士会の所掌組織 として、注意深く情報収集に努めます。

日本技術士会が正式な会員として国際交流活動を行っている連合団体

 日本技術士会の重要なミッションは、JABEE(Japan Accreditation Board for Engineering Education)とともにIEAの認定会員としての業務に従事することですが、もう一つの重要なミッションは、2004年、日本工学会より譲渡された、アジア太平洋技術者協会連盟(FEIAP:Federation of Engineering Institutions of Asia and the Pacific)の正会員としての業務です。

 FEIAPはアジア・環太平洋諸国に加えアフリカからの参加も含め現在24のエコノミーと3つの賛助会員で構成され、WFEOの国際会員(地域団体)でもあります。日本技術士会は毎年総会(GA:General Assembly)と執行委員会(EXCO:Executive Committee meeting)に参加し、現在4つの分野で設置されている常設委員会に も委員・オブザーバーとして適宜参加 するとともに、人的および技術情報的な交流を活用しながら日本の地位 向上に努めています。

 また、FEIAPでは各国とも工学教育の認定に関して高い関心を寄せています。特に、IEAのメンバーとして多くの国で直ちに認定を受けることが困難なこともあり、より実効的な域内認定制度の構築や連携に向けた動きを行っています。JABEEが参加していないこともあり、日本としてこれらの諸外国の取り組みを確認し、情報共有することも重要な業務と考えます。

日本技術士会がオブザーバー等として参加実績のある連合団体

 FEIAPの定例会議のうち執行委員会は、主要な参加メンバーが重複することもあり、ASEAN技術者協会連盟(AFEO:The ASEAN Federation of Engineering Organizations)のCAFEO(Conference of AFEO)やWFEOのWEC等としばしば同時に 開催されます。また、シンガポール技術者協会(IES:The Institution of Engineers, Singapore)が主催する世界技術者会議(WES: World Engineers Summit)と同時開催された時もあります。
 このようなケースでは 、日本技術士会はオブザーバー国として参加するとともに、テーマに応じた日本からの発表や情報収集、相互認証の可能性についての個別打合せ等を行った実績もあります。

日本技術士会としての国際交流の視点で今後の活動方針を検討している団体

 これまで交流を行ってきた団体としては、オーストラリア技術者協会(EA:Engineers Australia)、英国機械技術者協会(IMechE:Institution of Mechanical Engineers)、シンガポール技術者協会(IES)があります 。

 EAは日本(文部科学省・日本技術士会)とAPECエンジニア登録技術者を対象に技術士資格の相互認証のための二国間協定を締結する唯一の団体です。日豪(友好)協定も締結し、長期的視点から今後の交流形態を検討しています。

 IMechEとも友好協定を締結して、ワークショップ形式の会合を毎年開きつつ情報交換を行ってきましたが、英国の資格付与機関であるEngineering Council United Kingdomとの関係性 も含め、今後の日英技術交流のあるべき方向性について検討しています。

 IESは、シンガポールの既存の業務独占資格PE(Professional Engineer)に対して、名称独占資格のCEng(Chartered Engineer)の設置を進める非政府系機関で、国際団体への参加はIESが担っています。同国内での仕組み・体制の整備を待ち、相互の部門組成や産業界や学会との関係性などの調査を検討することにしています。

参考資料

技術者主要国際4連合団体の位置づけ比較表            ⇒(こちら会員限定)
主要国際4連合団体加盟団体調査票及び IEA加盟団体別一覧表⇒(こちら会員限定)

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