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キャリアモデル
イクボスキャリアモデル 原田敬美さん
原田敬美さん
はらだ けいみ さん
学生時代、機会をいただき3度海外留学しました。1969年アメリカ、1971年スウェーデン、1974年再度アメリカです。その後、建築の国際会議に招へいされ、また、自ら国際会議を主催し、海外での労働文化、女性の社会参画を体験しました。そうした体験を基に今日まで指導者として活動しています。
私は小規模な設計事務所を経営しています。心がけていることは以下のとおりです。
1 定時退社(帰宅し家庭サービス、地域貢献活動に参加せよ)
2 お茶はセルフサービス(女性社員にお茶くみさせない)、社長自らトイレ掃除
3 人権意識の醸成(外国人社員もいることから異文化に対しての敬意)
2000年から2004年東京の港区長を勤めました。約3,000人の組織で、管理職は約70人、うち、女性管理職は4人。区議会議員は34人、うち、女性議員は2人。心がけたことは以下のとおりです。
1 女性職員に管理職を目指すよう督励。女性管理職が働きやすい労働環境の整備(例えば、酒の席での意見交換はせず、昼間堂々と意見交換する、定時退社に努める)
2 議会運営の改善要望(議会の延長などによる残業がないよう議長に要請した)
1971年スウェーデンで目撃したことは衝撃的でした。バス、地下鉄の運転手の半数が女性でした。ストックホルム工科大学、隣国のフィンランドのヘルシンキ工科大学を訪問すると学生の半数は女性でした。
トルコの大学に時々招聘されます。女性教員、女子学生が多くいます。学長、学部長にも多くの女性がいます。OECD諸国の中でトルコの女性研究者比率は、アメリカ、スウェーデン、フィンランドよりも上位です。
それぞれの国で女性が活躍しているということは、男性パートナーが家事、育児に何らかの役割を果たしていると考えられます。トルコで夫は大学教授、妻は陸軍の将校という夫婦と交流しています。現在10歳の女の子を育てています。夫婦で家事育児の役割を担っています。
1971年スウェーデンの設計事務所、1975年アメリカの大学研究所でインターンを勤めた際、職員は5時で全員退社。また、1980年代イギリスの大企業英国石油(BP社)でも定時退社。帰宅し家庭サービス、地域活動に参加します。お茶(コーヒー)はセルフサービスです。東大大学院の研究室で、女子院生が研究室会議でお茶くみさせられたと憤慨していました。
1980年頃、私の後輩が日本の商社からロンドンにあるBP社に転職しました。ロンドン到着後、日本の商社マン的発想で直ちにBP本社に出向いたら、ボスから「奥さんが引っ越しの整理、子供の入学手続きなどで大変だろう、1週間会社に来るな、家庭を大事にしろ」と指導されました。
2025年4月18日ドジャースは「大谷が産休制度で3日間父親休暇リストに入った」と発表しました。日々勝負の世界で最有力選手が3日も休むのは球団にとり痛いことであり、ファンからすれば3日も大谷の活躍を見ることができないのは残念でしょう。
しかし、メジャーリーグでは「家庭を大切にすることで仕事が充実する」という考え方を球団、選手、球界、ファンが共有しているということです。
1980年代、阪神タイガースで活躍したアメリカ人選手がホームランを量産している最中、6月に子供の卒業式に出席すると突然帰国しました。球団もチームメイトも阪神ファンも「ホームランバッターがなぜ欠場するのか?」と不思議に思いました。アメリカでは親が子供の卒業式に出席することは義務です。40年前の日本人には理解不能の「身勝手な行動」と映ったと思います。
世界に影響を与えるメジャーリーグのスーパースター大谷が出産休暇を取ったということで日本でも出産休暇、家庭を大事にする考えが広がることを期待します。
※注:記事は2025年7月現在のものです。
■部門
建設部門(都市及び地方計画)
■現在の役職
株式会社SEC計画事務所代表取締役、早稲田大学技術士会会長
■経歴
1969‐1970 ウースター大学交換留学 (アメリカ、オハイオ州)
1971 カール・クリスティアンソン建築事務所技術研修留学(IAESTE)
(スウェーデン、ストックホルム)
1972 早稲田大学卒業
1974 早稲田大学大学院修士修了(建築計画)
1974‐1976 ライス大学建築大学院修士課程修了(フルブライト全額給費交換留学)
(アメリカ、テキサス州)
1977‐1980 菊竹清訓建築設計事務所勤務
1980 SEC計画事務所設立
2000‐2004 港区長
2004‐現在 SEC計画事務所代表取締役、
国際建築アカデミーアカデミッシャン(イタリア・ローマ)
一級建築士、博士(工学)
■趣味
柔道(初段)、剣道(三段)、華道、茶道、ピアノ、マリンスポーツ(船舶免許)
■行ったことがある国や地域(プライベートも含む)
アメリカ、スウェーデン、フィンランド、フランス、イタリア、ドイツ、スペイン、オランダ、イギリス、ブルガリア、ハンガリー、セルビア、ルーマニア、ギリシャ、トルコ、旧ソビエト連邦地域、中国、台湾、香港、シンガポール、パプアニューギニア、オーストラリア、アルゼンチン
■DEIを感じて良かった国(又は体験)
・アメリカ
主要大学学長は女性、ハーヴァード大学建築大学院長は女性、学生の半数が女子、ライス大学建築大学院の教授の半数が女性、ヒューストン市 (人口240万人で全米4位)の市役所では局長21人中9人が女性など男女共同参画が進んでいる。
・スウェーデン
スウェーデン王立工科大学(KTH)の学生の6割が女性、地下鉄、バスの運転手の半数は女性、1971年当時パルメ首相の妻は高校教師、フィンランドのヘルシンキ工科大学も女子学生が多い。
・トルコ
OECD統計で女性研究者比率は凡そ40%で9位(2021年OECDデータ)、国立コジャエリ大学の学長、副学長が女性、学部長の3割が女性、建築学部学生の6割が女性である。
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