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キャリアモデル
女性技術士キャリアモデル 柵木環さん
柵木 環さん
ませぎ たまき さん
私は大学/大学院と農学部で「農業土木」を専攻しました。「農業土木」は、あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、端的に言えば農業のための土木です。具体的には、農業に必要な生産基盤等の環境を整えるための技術分野です。例えば、作物栽培に必要なかんがい水を確保するためのダムをはじめ、河川から取水するための施設(頭首工、用水機場)や、農地へかんがい用水を送水、配水するための水路などをつくる技術です。大学院修了後は、専門を活かして、農林水産省に農業土木技官として入省しました。農林水産省では農業生産基盤整備の制度設計や予算要求を、地方農政局の出先事業所では直轄事業の調査、計画、設計、工事などに携わりました。技術者研修を担当した時に、先輩から、「これまでは〇〇係長、〇〇課長などの役職名で、技術力があると認知されていたが、それは通じない時代になっている。技術力を示す国家資格を持つべきだ。」とのアドバイスを受け、技術士や1級土木施工管理技士などの資格を取得しました。
技術士試験の合格後は、名刺に「技術士(農業部門)」と記載しました。技術士資格を取得したことで、仕事の内容が変わることはありませんでしたが、自分の意識としては、新しい技術への関心や知識向上への意欲が高まりました。その後、現在の会社に再就職してからは、技術士の資格を活かして、照査技術者として業務成果のチェックなどを担当しています。
以前は仕事に追われて、子育てに十分な時間を割けず、ベビーシッターやキッズシッターを活用しました。子ども達には、年齢に応じて可能な限り自己責任を持つことを教え、何とか公務員を定年まで続けることができました。現在は、ワーク・ライフ・バランスを重視する企業が増えていますが、夫婦だけで家事育児をすることは大変なことだと思います。家族の助け合いの精神を大切にしつつ、必要な時には外部のサポートを活用することもお勧めします。
若い方々には早めに技術士資格の取得を目指すことをお勧めします。日本技術士会では、技術士を目指す技術者を支援するために、IPD(Initial Professional Development、初期専門能力開発)制度を整備していますので、それを活用しながら資格取得を目指していただければと思います。
以前は定年退職がゴールだと思っていましたが、今は人生100年時代であり、再就職は折り返し点だと認識しています。現在の建設コンサルタントの仕事でも、新しいことに挑戦しながら技術を磨いています。
一方、最近の技術士試験の受験者数の女性割合を見ると、第一次試験で17.1%、第二次試験は6.9%と、まだまだ女性の割合が低いのが実態です。このような現状を踏まえて、女性が早い時期から技術士資格に関心が高まるように活動をしていきたいと思います。
※注:記事は2025年7月現在のものです。
■技術士部門
農業部門(農業土木)
■出身地
三重県
■資格
技術士(農業部門)、1級土木施工管理技士、
わな猟免許、小型車両系建設機械運転特別
教育修了など
■趣味
模索中
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