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DEI委員会

イクボスモデル 武井加代子さん

武井加代子さん

武井加代子さん

武井 加代子 さん

たけい かよこ さん

私の経歴

 建設コンサルタント会社に入社し、河川設計を担当しました。支店への異動に伴い河川以外の設計も担当することになり、2001年に建設部門(道路)の技術士になりました。本社の道路部署と支店を何度か往復し、2012年に造成や開発の部署の課長になりました。2015年に東京支店の課長となり、2018年に実務主体とする技術課長へ役職変更しました。早期退職し、マネジメント職を離れた今、振り返って思うことをまとめてみました。

管理職として意識していたこと

 私は管理職となってから以下の3点を意識していました。

  1. 社員へのリスペクト
  2.  最初に課長になった部署は自分の専門ではなく、課員は全員男性で半数は年上でした。品質、工程などの課題が多く、専門知識が必要な部分を課員と話し合って解決の方向を探していきました。課員から教えられることも多かったため、課員を技術者として尊重する姿勢が培われ、信頼構築ができたと思います。
  3. 健康面への配慮
  4.  課員の半数が働き方改革前から在社する40〜50才代であり、自分の健康より業務を優先する傾向がありました。健康診断の再検査や検査入院、軽微な手術が必要な社員には健康を優先した休暇取得を促しました。管理面でも長期休養となるより、数日間であればフォローが容易です。課員からの健康面の相談には、「1年後の大きな手術より今の日帰り入院のほうがあなたにも会社にとってもよいのでは」と提案し休暇を取ってもらいました。
  5. 業務リスク対応がしやすい環境
  6.  業務の中で、協働する専門部署や客先からの依頼内容の変更など、すなわち他部署との協議・調整に課題がありました。この解決のため、社内外の協議に参加し、課員の不得意な業務を把握したり、部署全体で課題を共有することで業務のリスク対応を行いました。

難しかったこと

 私が会社で最初の女性管理職であったため、マネジメントに不安がありました。技術は周りに相談できましたが、管理面では気軽な相談相手が見つけられませんでした。そのため、インターネットによりマネジメント術や人事の考え方、女性管理職の事例などを調べて自分なりにやり方を考えました。
 支店に異動してからもマネジメントを模索していましたが、2年ほど経って親の介護などなど家庭状況の変化に伴い、実務担当へ役職変更させてもらいました。

これからのテーマ帰属意識 (Belonging)

 D&Iの次のテーマはEquity(公平性)ですが、その次の考え方とされているDEI&BのB(Belonging:帰属意識)に注目しています。帰属意識とは、組織、チームなどにおいて自分が受け入れられている安心感と言われています。私も入社当初は自分に存在価値があるのか、会社に認められているかなどと悩んでいました。
 何年も考え、会社や周りに認められることを気にするより、自分がやるべき、やりたいと思ったことをやろう、後悔しない仕事のやり方をしようと割り切ることができました。
 最近はテレワークやフレックス勤務など、働き方や組織のあり方が見直され、対面で気軽に話す機会が減り、ちょっとした相談や表情から相手の不安感や不満を汲み取ることが難しくなりました。部下が帰属意識を持てるような方策の必要性を感じています。
 社員一人ひとりの存在を認め、一緒に業務に携わっていきたいことを伝えることが部下の帰属意識を高めることにつながると考えています。

おわりに

 今後のマネジメントでは、リアルコミュニケーションが減る中で、人である部下(や上司)とどのように関わっていくのか、組織内の関係性を見直す時期が来ているように感じます。どのような管理手法となるかは未知数ですが、帰属意識を持つためには、相手を気にかけ、見守っていることがわかる手法が必要と考えています。

※注:記事は2025年7月現在のものです。

自己紹介

武井 加代子

■日本工営都市空間株式会社 東京支店 社会基盤部建設技術課
  勤務を経てフリー

■技術士部門:建設部門

■趣味:包丁研ぎ、革製品の手入れ
コロナ禍後はやかんで作る麦茶と皮から作る餃子に目覚める

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