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DEI委員会

イクボスモデル 古賀沙織さん

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古賀沙織さん

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古賀 沙織 さん

こが さおり さん

寄り道だらけのキャリアパス

 私は2009年に社会人となって以来、基本的には、資源循環に関わる新規事業の企画・推進に携わってきました。
 「基本的には」というのは、キャリア形成の幹になる部分という意味であり、全く異なる分野に寄り道をしてきました。パートナーの転勤に同行するために休職して英国で生活していた時期には、マネージメントを学ぶためビジネス学校に通いました。また、技術に関する業務を完全に離れ、コーポレート部門の組織長という立場で仕事をしていた時期もあります。しかし、環境の変化や異動に直面したとき、いつも「資源循環を専門とする技術士、すなわちプロフェッショナルでありたい」という想いを持って対応してきたので、寄り道しながら得た経験や知見は、幹を太くすることに役立っていると思います。
 また、マネージャーとしての立場で仕事をすることが増えた昨今では、チームメンバーや部下の多様なバックグラウンドや価値観を理解するために、これまで寄り道しながら積んできた経験が活きていると感じます。

部下やチームを「育てる」ということ

 イクボスとは「部下や同僚等の育児や介護・ワークライフバランス等に配慮・理解のある上司」という意味です。私は、そのような配慮・理解を持ち合わせながら、自身の率いるチームや部下を良い方向に育てることができるボスになりたいと思っています。
 入社して数年の若い社員、子育て真っ盛りの社員、経験豊富なベテラン社員、という年齢も経験も幅広いメンバーで構成される組織を率いたときの成功事例をご紹介します。その組織では、私が着任する前から、週例のミーティングで休暇の予定の有無を報告し合う習慣がありました。子どもの予防接種や学校の行事があるので休暇を取得します、という報告が一部のメンバーからなされる一方で、若い社員やベテランの社員が休暇の予定を口にすることは殆どありませんでした。非常に忙しい部署でしたので、有給休暇消化率は全体的に低い状態であり、メンバー間での休暇取得日数にも大きな開きがありました。
 そこで私は、有給休暇消化率を高めることを組織目標の一つに設定し、チーム全員に対して2週間後から数えて2か月以内に1日以上の休暇を取得する計画を立てるように指示をしました。また、ボスである私も同様のことを行いました。さらに、その休暇の理由については週例ミーティングで報告せず、必要ならば1-on-1の機会に上司である私に報告するように、と付け加えました。これらには二つの狙いがありました。一つは、全員が2週間以上先の休暇を計画的に設定することにより、誰がどうやって休む人のカバーをするのか、皆で考える必要が出てきます。この職場はルーティーンワークが多い職場でしたので、一度対策を考えてしまえば、休む人は安心して休めるようになるし、上司の私も焦ることはありません。急な欠員にも対応する力が付きます。もう一つは、「差し迫った理由が無ければ休んではいけない」という既成概念からの脱却です。忙しい組織であるほど、旅行に行きたいとか、ゆっくりしたいとかいう理由で休むことに罪悪感を抱いてしまう傾向にあります。本来、どんな理由でも休んでよいはずなのに、ワークとライフの質を上げるために休暇は必要なのに……。
 これらの取り組みは、有給休暇消化率の向上に効果があっただけでなく、組織全体の雰囲気の改善にも効果がありました。これまでなかなか休暇が取得できていなかったベテラン社員は、自分が休んでも組織に迷惑をかけないという安心感を得られたそうです。組織全体の休暇取得日数が増えたことにより、子育て中の社員は、子どもを理由に休暇を取得することへの罪悪感が小さくなったそうです。そして私も、「ボスはいかなるときも部下や社外からの要請に応えなければ!」という謎のプレッシャーから解放されました。ボスが部下と同じように計画的に休暇を取れるのは、組織の力が向上したことの証明だと思います。

理想のイクボス像

 成功事例を挙げましたが、もちろん、上手くいくことばかりではありません。つい先日、家庭の事情で急に一週間の休みを取ることになりました。チームメンバーにどのように仕事を振るか、上司にどこまでフォローに入ってもらうか、お客様との約束はいつまで先にずらせるか、といったことがぐるぐると頭の中を駆け回り、冷静に対応できていない自分が不甲斐なく、「まだまだイクボスとしては初心者レベルだな」と落ち込む事態になりました。しかし一晩経って開き直り、さっさと各所に連絡を入れました。ピンチは誰にでも訪れる。だから、そんなときには上司からも部下からも「助けて〜」と素早く素直に言える組織を築けるボスこそが、私の理想のイクボスです。
 キャリアアップに伴い自身の役割や一緒に働くメンバーは変化し続けるでしょうけれど、私の描く理想のイクボス像は今後も変わりません。その時々の状況を楽しみながら理想に近づけるよう努力したいと思います。これからイクボスを目指す皆さんも、自分が率いる組織やチームの理想の状態をイメージした上で、自身がどんなボスになりたいかを考えてみてください。

※注:記事は2025年4月現在のものです。

自己紹介

■技術士部門
資源工学部門

■プロフィール
2009年 三菱マテリアル(株)に入社
2012年 技術士第二次試験に合格
資源循環に関わる新規ビジネスの企画・推進を担当。プライベートでは2児の母。

休日は4人+1匹でお出かけ(拡大画像へのリンク)

休日は4人+1匹でお出かけ

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