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男女共同参画推進委員会

女性キャリアモデル 笹尾圭哉子さん

愛犬ナナと(拡大画像へのリンク)

愛犬ナナと

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技術士を目指した動機
 子供の頃から動植物が好きで、理系の科目に興味があり、理系というだけで土木工学科を選びました。水理学の教授の「土木は市民のための工学、すべての工学の源」との言葉や、入社した際に「下水道は社会の基盤施設、仕事を通して社会に貢献することに誇りを持ちなさい」と言われたことが、私のバックグラウンドとしてあります。
 社会人10年目の頃、技術士の資格がほしい、と思う出来事が2つありました。
 私の仕事は、下水道の計画・設計です。勤務先は建設コンサルタントという業種で、業務受注において、建設や下水道など社会基盤整備に係る分野の技術士の在籍が必須条件であることから、入社当初から技術士取得を求められました。しかし、当時、事務所に技術士がいなかったことと、のんびりした自身の性格から、なかなか本気になれずにいました。しかし、仕事量が年々増え、3カ月間休みなしで働いた後の賞与が、同期の男性社員よりかなり低いことがありました。本社の本部長から説明を受けたものの、技術者として歩いていくことに大きな不安を抱きました。これが技術士を目指した最も大きな動機です。
 もう1つの動機は、はじめて参加した「土木技術者女性の会(現一般社団法人土木技術者女性の会)」の総会で、何人もの若い技術士に出会ったことです。それまで遠い存在だった「技術士」が、急に身近なものとして感じられるようになりました。
技術士を取得してから
 技術士取得に本気になるまでは、なんの対策も取らずに試験に「参加」していました。何が何でも取得したいと思ってからは、専門誌を読んで論文をまとめるなどの努力をし、合格する頃には問題の傾向がつかめるようになっていました。
 入社して15年目(1993年)に技術士となり、技術部付の担当課長に昇進しました(前述した本社の本部長の後押しがあったことを後に知りました)。毎月の資格手当も含めて昇給がありました。また、名刺に「技術士」と入ることで、顧客との打合せが円滑になりました。重い責任を感じましたが、嬉しい気持ちの方が勝っていました。
 社外活動では土木学会誌の編集委員に、と声をかけていただき、下水道以外の土木分野の方たちとの交流ができました。徳島県上勝町の「葉っぱビジネス」や、東京湾アクアラインのシールドトンネル工事の取材、別冊の「土木と女性技術者」の編集・執筆に携わることができました。この10年ほど後にも、再度編集委員を担当することになり、そのときのメンバーとは今も毎年、誕生会などをして交流しています。
 技術士会入会前に「女性技術士の会(現特定非営利活動法人女性技術士の会)」に入会し、後に技術士会で一緒に活動することとなる方たちと出会いました。また、技術士会のプロジェクトチーム(現登録グループ)「IT21の会」では、メーリングリストによる様々な技術部門の方からの情報や昼夜を問わない発信など、驚くことが多くありました。
 技術士会入会後は、上下水道部会に所属し、現在は部会の幹事をしています。気さくな方ばかりで参加しやすい会ですので、多くの方に参加していただきたいです。
 委員会活動では、修習技術者支援実行委員会(現修習技術者支援委員会)で6年間活動し、現在は男女共同参画推進委員会で、主に女子学生や女性技術者の支援を担当しています。年に4回開催している「技術サロン」は、委員会設立前の登録グループから通算13年以上継続しており、毎回、ホスト側として大いに刺激を受けています。また、技術者の初期能力開発についての研究による社会貢献を目的とした、IPD(Initial Professional Development)研究会にも所属し、勉強しているところです。
ワーク・ライフ・バランスについて
 就職氷河期と言われた年に社会人となり、その後右肩上がりの経済成長とバブル経済の崩壊を経験しました。社会インフラも整備の時代から再構築の時代へと移り、職場環境は、残業が当たり前の時代から、生活面も充実させる方針に変わってきています。私自身は現在、嘱託として技術の仕事に携わり、生活面ではいつまでも慣れない家事に追われながら、地域の自主防災活動に参加するなど、忙しくも充実した生活を送っています。
 最近、楽しみが一つ加わりました。大学時代の同好会(理工フォークソング同好会)の仲間から、上下水道部会を通じて連絡があり、大学卒業後、43年ぶりに再会しました。現在のコロナ禍にあって、オンラインでの再会ですが、週に一度、演奏などを楽しんでいます。歳月は経ていても、不思議なもので学生時代の面影が重なります。久しぶりにピアノを弾くこととなり、長らく忘れていた音楽の楽しさを満喫しています。
技術士取得を目指す方へ
 技術士を取得していなければ、技術者としての、現在の自分はありませんでした。私にとってその恩恵は計り知れなく、仕事上だけでなく、社外活動で得た人的交流は、精神的な支えであり、大きな財産となっています。技術士を目指す皆様にも早くこの恩恵を受けていただきたく、一緒に活動できる日を楽しみにしています。
今後について
 私が入社した当時は下水道の処理人口普及率が30%程度で、白地図に下水道の計画区域を落とすところから始まる仕事もありました。現在では下水道整備が概成している都市が多く、再構築の時代になっていますが、将来の都市の姿を想像して計画を作成する基本理念は変わりません。今後は、自己研鑽に励みつつ、若い方へ社会基盤整備に携わる仕事の重要性を伝えていきたいと思います。また、仕事以外の生活も楽しみつつ、地域の自主防災会なども含め、恩返しのできる活動を続けていきたいと思っています。

技術サロンにて(拡大画像へのリンク)

技術サロンにて

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自己紹介

■技術士部門
上下水道部門(下水道)
■プロフィール
1955年(昭和30年) 千葉県夷隅郡大多喜町で出生
1978年(昭和53年) 中央大学理工学部土木工学科卒業
1978年(昭和53年) 中日本建設コンサルタント株式会社入社
■趣味
手描友禅染、水彩画、絵画鑑賞、ピアノ

※注:記事は2020年8月現在のものです。

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