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男女共同参画推進委員会

女性D&Iモデル 瀬尾弘美さん

瀬尾弘美さん(拡大画像へのリンク)

(画像クリックで拡大 30KB)

技術者からダイバーシティ推進担当へ

イクボスとは名ばかりですが

 新卒で入った建設コンサルタント会社で、技術者として20年あまり河川環境計画などの業務を担当していました。現在は管理部門で会社のダイバーシティ推進を担当しています。
 技術部にいた時には職位はグループリーダーまでを経験し、現在は室長です。いずれも少人数のチームですので、イクボスとは名ばかりですが、それぞれの部署で、管理的な立場としてどのようにしてきたかを紹介できればと思います。

技術部での管理技術者として

 建設コンサルタントの業務は、主に官公庁がクライアントです。私の場合は国や地方自治体が管理する河川が担う治水・利水・環境の役割を、それぞれの河川が適正に発揮できるように調査し計画することでした。入社当初は、女性技術者が珍しい時代でしたが、直属の上司が3人の小さなお子さんを持つ共働き夫婦で、保育園のお迎えなどに奔走する姿を見せてくれていました。この上司が、今思えば「イクボス」で、私もこの会社で働いていけそうだと思えたきっかけだったように思います。
 技術部での業務は管理技術者を中心とするチームで行います。管理技術者になるためには、技術士やRCCMなどの資格が必要となります。私は文系大学の出身なので、土木の専門教育を受けていません。技術士の資格取得は到底無理だと思っていました。しかし、「この川の環境を良くしたい」という技術者としての使命感と気概を持つことで、技術力を身につける目的が明確になり、幅広い業務経験の中で必要な専門知識を身につけ、尊敬する周囲の先輩技術士の仕事ぶりを見ながら技術士の素養も獲得できたのではないかと思います。
 管理技術者としては、プロポーザルで仕事を受注すること、受注業務を自ら行いながら、業務の工程・品質管理などを行うこと、後輩を育てることが大きな役割になります。今振り返ってみると、業務の獲得と生産に追われていてイクボスとしては失格だったかな、と思います。どちらかというと時間をかけて仕事をするタイプだったので、ワーク・ライフ・バランスを取ることは難しく、仕事仲間にも家族にも負担をかけてきたのではと思います。しかし、チームで仕事をすることはとても楽しく、報告書にまとめて納品した後の爽快感をチームの仲間と分かち合えたことは、幸せでした。チームで喜びを分かち合う喜びを後輩たちに引き継げたのではないかと思います。今言えるのは、ひとつひとつの作業のゴールを明確にして、チーム内でコミュニケーションを密に取りながらムダをなくす工夫をしていたら、自分もチームのみんなももっとよい働き方ができていたであろう、ということです。

ダイバーシティ推進デー(拡大画像へのリンク)

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ダイバーシティ推進担当として

 現在は、ダイバーシティ推進を担当しています。女性活躍から始まった部署ですが現在はシニア、外国人、障がい者などはもちろん、価値観の違いや技術力の違いなど、あらゆる多様性を持つ社員を対象に、社員全員が働き甲斐を持って働く会社を目指し、制度の改定などの業務を行っています。
 誰もが働き甲斐を持つということは、社員が自分のキャリアを自らの意志で築いていくことが必要と考えています。そのためには、社員のキャリア支援が必要です。人材育成やキャリア形成にますます力を入れていきたいと思っています。
 室長としては、真のイクボスを目指して、周囲とのコミュニケーションを欠かさず、自らも効率よくパフォーマンスの高い仕事をすることを心がけたいと思っています。

これから

 管理部門に異動してから、日本技術士会男女共同参画推進委員会、土木学会ダイバーシティ推進委員会、土木技術者女性の会など、対外活動の機会が増えました。土木業界など技術分野の業界は、これまで多様性が認められにくい状況にありました。その業界で女性活躍などに向けた活動をしていく中で、文系出身の女性である自分自身の多様性を意識するようになりました。これまでの自分の経験と会社でのダイバーシティ推進担当としての取り組みが業界のこれからのために活かされるように、活動を続けていきたいと思っています。
 また、技術者として社会資本整備に多様なユーザー(そこに暮らす人々)の意見を反映させる方法について、「人間中心設計」の手法を用いた研究をしています。これも、ダイバーシティ推進を担当する中で思い至った課題です。技術者でありダイバーシティ推進を担当する者として、会社、業界、社会全体に貢献していくことがわたしの夢です。

自己紹介

■技術士部門
建設部門(建設環境、河川、砂防及び海岸・海洋)
総合技術監理部門(建設−建設環境)

■趣味
クラリネット演奏(オーケストラ、吹奏楽)
犬の散歩(愛犬スピッツと毎日1時間散歩しています)

※注:記事は2022年11月現在のものです。

このページのお問い合わせ:男女共同参画推進委員会

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