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男女共同参画推進委員会

女性D&Iモデル 榎並万里子さん

〜さあ、一歩前へ〜

技術士を目指した動機

はじめまして。榎並万里子と申します。昨年50歳で技術士に合格しました。
様々な経験を経てきましたが、合格発表を見たときは、技術士として社会に貢献していくことが、孔子のいう「天命」ということなのか、という気持ちになりました。
私は中央大学商学部会計学科を普通の成績で卒業し、情報科学専門学校や会計事務所で事務系の仕事をしていました。実兄と造園設計事務所を興したことを契機に、建設コンサルタント業務に携わるようになりました。
技術士を目指したきっかけは、現在勤務している財団(国土交通省港湾局に係わる財団)に就職したことにあります。女性にも調査業務を任せてみようという試みの第一期生です。私は、調査業務で現場の経験を重ねるうちに、業務全体の指揮を執るためには技術士資格が必要であると思うようになりました。
技術士第一次試験は、なじみのある経営工学で受験したところ1回で合格し、第二次試験は実務と関連する建設部門(建設環境)を受験し、2回で合格しました。

取得してからの自分

私は財団の一員として、港に関連する様々な業務を担当しています。
ここ数年は、藻場(もば)造成に注力してきました。近年は地球温暖化に伴う海水温の上昇や、海藻を食べる食害動物の被害が大きく、藻場の造成や維持は難しい状況です。業務を通じて少しでも海域環境の改善や創造に寄与したいと考えています。
さらに、財団から研究費を得て、小規模ながら海藻生育に関する自主研究をしています。結果が出るまで数か月かかりますが、海藻が大きく生育できた時は、大変やりがいを感じます。
また、公益的な活動も多いため、港湾に係わる様々な分野の方と交流する機会が多く、折々に、活躍している女性の方や、資格取得に向けて頑張っている方にお会いすると嬉しい気持ちになります。財団はフレンドリーな企業風土であり、意見交換会も盛んです。お会いする機会がありましたら、ぜひお声を掛けていただき、お話をしたいと思っています。女子会もしたいですね。
個人としては、最初の職業が専門学校の講師(簿記や経営学)でしたので、将来は教育や啓発活動の場に戻っていきたいと考えています。今のところは、兄と設立したNPO法人ナチュラルフェローズが行う自然観察活動等に携わっています。

ワーク・ライフ・バランス

趣味はゴルフと俳句です。
どちらも「下手の横好き」ですが、趣味があるおかげで、毎日を楽しく過ごすことができます。現在の仕事は宿泊を伴う出張や、休日もイベントの開催などがあり、家にも財団の事務所にも居る時間が少ないため、ワーク・ライフ・バランスを取ることが難しい状況ですが、いろいろ工夫して楽しく暮らしています。
自然が豊かな地域への出張は、その土地の風情を盛り込んだ俳句をつくる楽しみがあります。また、気に入った場所は、夫とゴルフを兼ねたプライベート旅行で再訪するという、「ワーク・わくわく・バランス」でリフレッシュしています。
事務系(文系)から技術系(理系)への転向に見えるでしょうが、私自身は特にこだわりはありません。長野県諏訪市で育ち、幼い頃は諏訪湖でスケートをし、高校時代はボート部(端艇部)で体を鍛えていました。社会人になってから、色々な職種や業界を経験しましたが、「心・技・体」のうち「底なしの体力」があったおかげで、どんな状況でも前向きにとらえ、様々な挑戦ができたのだと思います。
さらに、歳をとってからの挑戦でも技術士に合格できた大きな要因は、俳句を始めたからだと感じています。自分の考えを五・七・五の言葉で理解してもらおうと推敲をしているうちに脳が活性化したようです。また、俳句雑誌への投稿や、港に関連する句会に入れていただいており、自然に随順しながら仲間と切磋琢磨する喜びが、さらなる精神力を養っていると思います。

技術士取得へのアドバイス

技術士に合格するための第一歩は申込書を提出すること、二歩目は試験会場に行って試験を受けることではないでしょうか。意外かと思われるかもしれませんが、勉強していても今年は申し込まないという人や、当日、試験会場へ行かない人がいます。勉強不足や体調が万全でなくても受験し、どんなチャンスも貪欲につかんでいく気持ちが大切だと思います。さあ、勇気を出して一歩前へ踏み出しましょう。
技術士第一次試験は、勉強する分野が多岐にわたるので、効率的に勉強すると良いと思います。私は過去問題を繰り返し解き、自然科学系の疑問点は専門書等で情報収集しました。また、技術士ハンドブックをバイブルとして常に手元においていました。
技術士第二次試験は、勉強方法や勉強時間の確保について戦略的に計画することが重要と考えます。いつ勉強するのか、独学か否か、さらに、いつまでに合格するのか(あるいは、あきらめるのか)ということを、戦略的に考えると良いと思います。
私は独学派で、普段は早朝に勉強しました。口頭試験は経験がなかったので、職場等で様々な方にアドバイスをいただき、大変参考になりました。
合格率が10%前後の難関試験ですが、不断の努力と戦略の微調整をしていれば、「これは書ける!」という設問に出会う年があると思います。私は運よく2回目の試験の時でしたが、「チャンスは1回だけ」と強く思っていたせいか、鉛筆を持つ手が震えました。また、口頭試験も大きなプレッシャーを感じますので、十分準備する必要があると思います。途中、つらい時も多いと思いますが、常に前向きな気持ちを保ち、必ずゴールして欲しいと心から願っています。

高知県須崎市の漁港にて海藻の種苗糸を付けた幹綱に願いを込める(拡大画像へのリンク)

高知県須崎市の漁港にて 海藻の種苗糸を付けた幹綱に願いを込める

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長野県諏訪清陵高等学校・端艇部で筋肉系だった頃(拡大画像へのリンク)

長野県諏訪清陵高等学校・端艇部で筋肉系だった頃

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資格
技術士:建設部門 建設環境(2018年登録)
日商簿記1級(1992年合格)
プロフィール
1968年 長野県生まれ
1991年 エプソン情報科学専門学校 就職
1995年 公認会計士川北博事務所 就職
1997年 有限会社自然環境設計 設立
2014年 一般財団法人みなと総合研究財団 就職

※注:記事は2019年1月現在のものです。

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