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男女共同参画推進委員会

女性技術士キャリアモデル 甲斐佳子さん

甲斐佳子さん(拡大画像へのリンク)

甲斐佳子さん 技術士(建設部門、環境部門)

(画像クリックで拡大 63KB)

甲斐 佳子 さん

かい よしこ さん

 私は、建設コンサルタントの環境部に勤めています。
 大学での専攻は生物でしたが、環境部での業務として生物・水質等の調査業務を経験した後、環境影響評価業務に携わってきました。数年前からは、カーボンニュートラル・脱炭素関連業務にも携わっています。これまでの経歴は一続きではなく、2度の出産育児休暇を経て、現在も育児中であり時短勤務をしています。
 建設コンサルタントは技術分野によっては男性技術者が多い傾向がありますが、私の職場である環境部では、水環境や生物分野、計画策定分野で女性が多く、全体の約4割が女性技術者です。結婚や出産が理由で退職する人はほとんどなく、様々な年代の女性が様々な形態で働いています。近年は特に女性技術者の進出が著しいと感じます。自分も含め、たくさんの女性にこれからも技術者として活躍してほしい、ワークライフバランスのとれた生活をしてほしいというのが、私の今の願いです。そこで、私見ですが、女性技術者として働くうえでのやりがいや、キャリア形成の留意点等についてご紹介したいと思います。

仕事のやりがい

 仕事をやっていて何に“やりがい”を感じるのかは人それぞれですが、例えば、私は成果が形になった時にとてもやりがいを感じます。また、新しい知識や技術に出会った時や、新しいものを作り出せる予感がするときに感じるワクワク感は格別です。こういったことはやはり、自分の技術に責任を持って仕事に取り組んでいくことの醍醐味だと思います。一方で、育児中・時短勤務中であることから、検討や研究のための時間が十分とれない、あるいは、その様な業務に多く携われない、目の前の作業をこなすだけで精一杯といったジレンマも感じています。最近は、長く仕事を続けていく中では、置かれた状況の中でやりがいを見出していくという柔軟性も必要だと思うようになりました。

技術士資格にチャレンジした動機

 建設コンサルタント業界において、建設部門の技術士資格は必須といっても過言ではありません。国や県が発注する業務の資格要件として技術士が挙げられていることが多いからです。そのため、当社では技術士資格取得は従業員の目指すべき大きな目標として掲げられています。私も上司から技術士資格を取得するよう強く勧められましたし、社内の同僚も技術士資格取得のためにとても頑張っています。もちろん手当支給や昇進等といった会社からの特典もあり、大きなモチベーションになっています。また、技術士は科学技術に関するほぼすべての分野(21の技術部門)を網羅しているため、資格を取得し技術士会に登録すると、自分の専門分野以外の技術士と交流する機会が多々あります。科学技術者というのは、最先端の狭い世界にどんどんはまり込んでいくことを良しとする世界ではありますが、分野横断的な応用力や解決力を問われることも多い近年の情勢の中で、自分の専門分野以外の技術者と交流する機会を得られる技術士という資格には、世界の広がりに繋がる魅力を感じます。

キャリア形成のために

 技術者として働いていく中では、進学、就職、転職、結婚、育児、介護等といったキャリアビジョンの変換を迫られることが多々あります。長く働いていくためには、働き始める段階で、ある程度しっかりとした計画を考えておく必要があると思います。そして、そのための資格、資金、知識、人脈等を準備して実行していくと良いのではないでしょうか。また、キャリアの変換を迫られる前後、または、一定の期間ごとに、自分のキャリアビジョンを見直し、新しいビジョンのための準備をすすめること、ビジョンそのものに柔軟性をもたせておくことは重要だと感じます。そして、計画の修正や転換を迫られる時に(青天の霹靂のようにそのような事態が訪れることもあります)次へ進むきっかけをつかむために、日頃から様々な人との交流を通して自分にない考え方に積極的に触れるようにし、視野を広げ柔軟性をもっておくこと。そして、新しいビジョンに向けて、自分の強み、得意な点を活かしつつ、キャリアをさらに積み上げていくことができれば、長く楽しく働いていけるのではないかと思います。

資格取得のすすめ

 長い人生の中で、キャリアが一旦途切れることや変換を迫られる事態となることは十分考えられます。ですから、実体験からも、それぞれの分野で重用される資格を取得しておくことは、復職や転職、仕事を継続していくにあたって非常に有利だと思います。その資格がないとやりたい事自体ができないということもありますし、収入につながっていくものですから、資格は持っていて損のない資産のようなものです。また、技術士のように、取得した後に様々な人との出会いにつながっていく資格は、生涯にわたって役に立つと感じています。
 人生の時間の大半は働くことに費やされます。であるならば、可能な限りやりがいのある、楽しい仕事をしていく方が良いと思います。皆さんも是非、自分だけの仕事の形を見つけてください。

現場の写真(拡大画像へのリンク)

仕事では、山や河川の現場に行くことが多いです。

(画像クリックで拡大 62KB)

座右の銘

為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり

資格

技術士 建設部門・環境部門
環境計量士 濃度
水質関係第一種公害防止管理者

※注:記事は2022年11月現在のものです。

このページのお問い合わせ:男女共同参画推進委員会

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