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修習技術者

技術士を目指した修習のあり方について

                                                        平成12年7月4日

1.はじめに

 多くの若い技術者が技術士第二次試験受験の機会を幅広く持つことができるよう,新たな方策が望まれている。
 この度,技術士法の一部を改正する法律(平成12年法律第48号)が公布され,第二次試験の受験要件に,新たに,優れた指導者による監督の下で科学技術に関する専門的応用能力を必要とする業務に一定期間従事した場合が設定された。
 すなわち,指導を行うのにふさわしい地位にある,優れた指導者の監督の下での実務経験の集積及び指導を受けた内容等を記録により確認することを基本とするものである。
 修習技術者に対する研鑽の機会は,(社)日本技術士会及び学協会等が連携して提供する。
 技術士を目指した修習の望ましいあり方については,以下のとおりと考える。
 なお,この修習のあり方については,優れた指導者の下での実務経験を積むだけでなく,他の修習技術者が実務経験を集積する場合にも有効であり,これらの者によっても活用されることが望まれる。

2.基本的な考え方

 修習技術者は,技術士となるのにふさわしい専門的技術知識の修習と適性を涵養することが必要である。したがって,修習に当たっては,次のような視点を重視して,修習を行うことが適当である。

  1. 社会的責任を果たすために
     修習技術者は,技術者倫理に照らして行動し,安全や環境に対する科学技術の正負の効果,安全環境等関係法の役割等を理解して,その関与する技術の利用が公益を害することのないように努め,修習技術者としての責務を果たすよう努めなければならない。
  2. 社会のニーズに的確に対応するために
     修習技術者は,社会の環境変化,国際的な動向,並びに社会の要請の変化に目を配り,鋭い洞察力と豊かな創造性をもって柔軟に対応できなければならない。このため,技術士の責務と業務への取り組み方を充実させ,経済社会動向,科学技術関連の政策,先端技術の発展などに目を配るとともに,歴史・文化等に関する理解力や国際性の涵養に努めなければならない。
  3. 業務遂行に必要な能力の向上を図るために
     修習技術者は,業務の遂行に当たり,技術士となるのに必要な企画書,報告書及び論文等のまとめ方や,専門能力,応用能力,情報技術活用能力,調査能力,企画能力,評価能力,管理能力の修得や涵養を図らなければならない。これらの遂行に当たっては,補足的に必要となる基準・規格に関する知識及び契約に関する基本的な知識や,その他の技術知識が必要である。
  4. 社会からの信頼と尊敬を得るために
     修習技術者は,信頼と尊敬を得るために,法律(民法,税法),工業所有権,著作権,情報公開法,PL法,技術士制度等に関する知識のような技術的な知見を涵養し,技術的事項についての発表,説明,交渉などに必要なコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力の向上を図るとともに,人格の形成,人脈の構築に努めなければならない。

3.優れた指導者の役割について

 この場合の指導者に対しては,修習技術者の専門的応用能力の習得のための技術的指導助言のみならず,当該修習技術者が修習を計画し,実行する場合等に適正な助言,評価を行うことが求められる。

4.修習の実施

 修習技術者は,修習の実施に当たっては,以下のように行うことが望ましい。

  • 修習技術者は,修習の実施に当たっては,指導者と相談し,(社)日本技術士会が提供する修習のあり方等を参考として,自らの目標を設定し,内容とスケジュール等を定めること。
  • 修習に当たっては,指導者の下でのOJTのみならず研究会,講演会等への参加,論文等の発表等が必要に応じバランスよく盛り込まれていること。
  • 修習技術者は,修習の実施中において定期的(例えば,6ヶ月程度ごと)に進捗状況を指導者に報告し,評価と助言を得,必要に応じ見直すこと。
  • 修習内容は整理し,記録すること。

5.修習の課題

 修習の課題は,上記2.の基本的考え方に基づくほか,「技術士CPD(継続教育)について」(平成12年6月22日,(社)日本技術士会)の「課題」および標準修習プログラムを参考とすべきものと考える。

6.修習実施に関する組織とその役割

 修習の実施に関係する組織としては,修習技術者が所属する組織(国,地方自治体及び企業等),(社)日本技術士会,学協会,大学等高等教育機関,その他の民間教育研修機関等があり,それぞれの修習の実施に関係する機関の役割と要件は以下のように考えられる。

  1. 組織
     組織に所属する修習技術者については,OJT, Off-JT等,組織内の教育研修に参加する機会が多く,かつ専門技術業務に直結した課題が中心となりがちである。しかしながら,修習技術者は,これら以外の修習課題も対象とすることが必要であり,外部機関の活用に対する配慮が必要である。また,修習実績の記録に係る整備及び評価の実施が望まれる。
  2. (社)日本技術士会
     日本技術士会は,修習の考え方についての提示を行い,その考え方に基づく標準(参考)修習プログラムの提供及び一般的,共通的課題を中心とした,講演会,研修会,シンポジウム等の開催を行うと共に,修習の実施に当たって適当な学協会等での研修等に関する情報提供を行うことが望まれる。
  3. 学協会
     学協会は,専門的技術課題に関する先端的問題及び今日的問題を中心とした課題を取り扱う機会が多いことから,これらに関する講演会,研修会,シンポジウム等の開催を実施することが望まれる。
  4. 大学等高等教育機関
     大学等は,専門的技術的課題に関する基礎的問題を中心とした講座が多く,かつ,修習において活用が望まれることから,これらの講座及び研究会等の開催を実施することが望まれる。
  5. 民間教育研修機関
     修習技術者は,必要に応じ指導者による助言を得つつ,又は,自己判断により民間教育研修機関等活用すべき修習機会をバランスよく選定することが望まれる。

このページのお問い合わせ先:事業部
電話:03-3459-1331

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