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長野県支部

平成28年度南信ブロックCPD講習会開催報告

平成28年度長野県支部 南信ブロック CPD講習会 (実施報告)

「開校した長野県南信工科短期大学校の見学と講演会」

日 時 平成28年12月3日 (土) 10時00分〜12時00分
講 師 大石 修治 校長、蟹江 知彦 教授(工学博士、技術士(電気電子))
会 場 長野県南信工科短期大学校
参加者 会員18名、非会員 2名

長野県南信工科短期大学校は、平成2 8年4 月に新しく開校した長野県立の工業系短期大学校であり、上田市に次ぐ県内2番目の工科短大となります。学科は、2年制で、「機械・生産技術科」および「電気・制御技術科」を設置しています。本校は、ものづくりに関する専門知識と実践技術を身につけた、「ものづくりのスペシャリスト」を育成しており、今後の地域の産業を支え、地域社会の発展に大きく寄与すると期待されています。
本講演会の内容は、長野県南信工科短期大学校の大石校長先生に「南信工科短期大学校について」、電気・制御技術科の蟹江教授に「防災行政無線のデジタル化について」講演したいただいたのち、大学校内を見学しました。

講演内容「南信工科短期大学校について」 講師:大石校長先生
南信工科短期大学校は、高等学校卒業者を対象とした専門課程と在職者・離職者を対象とした短期過程等からなっている。また、本校は、企業との共同研究についても行っている。所管は、厚生労働省となる。専門課程は、各科20 名と少人数で行っている。授業時間は、100 分で、8 時40 分〜 16 時3 0 分までとなる。授業は、実践力を重視して行っている。大学校の校章は、アルファベットのN ( 長野県、南信の頭文字) をモチーフに、南アルプス、中央アルプスを配置して、無限の記号∞ を形作っている。地域企業は、南信工科短大振興会を作っており、15 4 の企業団体が所属している。
上記の学校説明後は、校長先生の専門分野である結晶材料工学として、工業で使われるダイヤ、先生の作成した人工ルビーについて講演があった。人工ルビーについては、先生が作成したものを見させていただいた。

講演内容「防災行政無線のデジタル化について」 講師:蟹江教授
防災行政無線は、「地域防災計画」に基づき、防災、応急救助、災害復旧に関する業務に使用することを目的に使用する無線局である。現在は、アナログ方式とデジタル方式がある。アナログ方式は、平成34 年12 月以降運用出来なくなる(新しいスプリアス規格を満たさないため)ため、今後、デジタル方式へ移行する必要がある。デジタル化への移行により、今後、利用可能なチャンネル数が増加することが今後、期待されている。また、多様化・高度化する通信ニーズへの対応が可能となる。
行政無線は、同報系と移動系の2 種類に大別される。同報系は、屋外拡声器や戸別受信機を介して、市町村役場から住民等に対して直接・同時に防災情報や行政情報を伝えるシステムである。移動系は、車載型や携帯型の移動局と市町村役場との間で通信を行うもので、同報系が市町村役場と住民との通信手段であるのに対して、移動系は主として行政機関内の通信手段である。
デジタル方式への移行の問題は、エリア、地形、端末数等により大きく異なるが、一般的にデジタル化に伴う費用が数億円〜20 億円程度と多額の費用が掛ることがある。また、電波は、閾値以上の電気特性を満足していれば、高品質の通信が可能であるが、閾値を下回った途端、通信が途切れてしまう。長野県内のデジタル化整備状況は、平成28 年4 月現在、同報系で44%、移動系で22%となっており、比較的大きな自治体(長野市、飯田市等)についても以降が遅れている。デジタル化は、計画から工事までに4 年弱を要する。蟹江教授は、技術士(電気電子部門)として本分野のコンサルタントを行ってきた。

大学校の見学について
設備は、工場の自動生産システムの構築を学ぶ実習装置、高額な5 軸マシニングセンタ、NC 旋盤、3 次元測定器、旋盤、スペクトラムアナライザ及びベクトル信号発生器等、最新なものから一般的なものまでそろっていた。また、他には、研究棟や体育館、テニスコートが設置されていた。

担 当 者 感 想
本講演会では、日本技術士会 長野県支部と、長野県南信工科短期大学校との連携をはかれた。今後も、連携が継続することを期待したい。長野県の南信地区の企業は、中央リニア新幹線開通、三遠南信道開通をひかえ、他県との連携による産業発展を模索している。本校は、そのような環境の中で、地域の発展の大きな起爆材になっていくと確信した。講演にあたっては、お忙しい中、休日であったにもかかわらず対応していただいた長野県南信工科短期大学校、大石校長先生、蟹江教授に、ここに記し謝意を表します。

このページのお問い合わせ:長野県支部

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