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建設部会

平成28年4月 建設部会講演会報告

日  時:平成28年4月20日(水) 18:00〜19:30
研 修 名:CIM(Construction Information Modeling)の取組みについて
研修場所:パシフィックコンサルタンツ(株)16階会議室 (東京都千代田区神田錦町3-22 テラススクエア)
参 加 者56名(会員47名、非会員9名)

1.はじめに
 平成24年度より取組み始めたCIM(Construction Information Modeling/Management)は、CIM試行事業の拡大に加え、「CIM導入ガイドライン」の策定を予定している。今回、CIMの取り組みについて、一般財団法人 日本建設情報総合センター 研究開発部 主任研究員 影山 輝彰氏から講演の機会をいただいた。

2.講演内容
CALE/ECとはContinuous Acquisition and Life-cycle Support/Electronic Commerce「公共事業支援統合情報システム」の略で、従来は紙で交換されていた情報を電子化するとともに、ネットワークを活用して各業務プロセスをまたぐ情報の共有・有効活用を図ることにより公共事業の生産性向上やコスト縮減等を実現するための取組みである。
CALS/ECは1996年に策定された「建設CALS整備基本構想」により整備が進められた。この間、電子入札など部分的な整備は進んだ。さらに、施工から維持管理へ等、情報共有を進める必要がある。
建設業界ではバブル以降の建設投資額減少、我が国の人口減少時代を迎えることにより次のような課題が指摘されている。[1] 労働力過剰を背景とした生産性の低迷、[2] 生産性向上が遅れている土工等の建設現場、[3] 依然として多い建設現場の労働災害、[4] 今後予想される労働力不足、である。
このような建設業界の課題に対し、ICT(information and communicatin technology:情報通信技術)の全面的な活用等の施策を建設現場に導入することによって、建設生産システム全体の生産性向上を図り、もって魅力ある建設現場を目指す取り組みである、i-Constructionを推進することになった。
CIMは、建設生産プロセス全体を一体的に捉え、建設情報の統合・融合による新しい建設管理システムのことである。具体的には、調査設計段階から3次元モデルを導入し、施工、維持管理の各段階での3次元モデルに連携発展させることにより、設計段階での様々な検討を可能にするとともに一連の建設生産システムの効率化を図るものである。
CIMを導入することにより、形状や材質など属性情報を追加した3次元モデルを用いてデータモデルを構築(モデリング)し、様々なICTのツールを活用して、企画、調査、計画、設計、積算、施工、監督、検査、維持管理の各フェーズ間での、データの流通により相互運用(マネジメント)を可能とするものである。
 CIM制度検討にあたっては、産官学協働による実モデルを通じた検討を行った。各役割は以下のとおりである。
[1] 「産」はCIM技術検討会(日本建設情報総合センター、経済調査会、建設コンサルタンツ協会等)により、技術的課題の検討を行う。
[2]「官」はCIM制度検討会(国土交通省等)により制度・基準上の課題を検討する。
[3]「学」は土木情報学委員会(土木学会)により、学術的知見を提供する。
 CIM検討の工程は、2014年から2016年は実モデル構築を通じた課題抽出、対応検討を行うものである。
 CIM導入に向けての検討スケジュールであるが、CIM導入により効果を発揮できる事業(プロセス)から優先的に導入促進を図る「先進的導入」に向けて、平成28年度に「CIM導入ガイドライン」を策定のもと、CIM導入・展開を進める。

3.おわりに
 建設業界の生産性向上やコスト縮減のために、大きな改革が実行されようとしていることがよく理解できた。技術士も都市の今日的課題を常に把握し、改革へのチャレンジに挑戦していかなければならないと痛感した。
 最後に、日常の業務でお忙しいなかご講演していただいた、影山様に心より感謝申し上げます。

講演担当:垣本、齋藤、榎本(文責)

写真ー1講演会風景(拡大画像へのリンク)

写真ー1 講演会風景

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