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化学部会

2016年 化学部会講演会等 行事開催実績

2016年講演会

1月例会
1月28日(木)13:30〜17:00
講演1.「地球温暖化予測の現状とこれから」
講師:渡部雅浩氏(東京大学大気海洋研究所)
昨年末にはCOP21が開かれ、世界の温暖化対策が一歩前進したことは記憶に新しい。地球温暖化は昔から騒がれていたが、最近は熱波や豪雨などの気象災害と絡んで、またクローズアップされてきている。今回の御講演では、地球温暖化とは何かという基本から、温暖化予測の現状と未来まで述べられた。化学部会以外の聴講者が大変多く、この問題に対する関心の高さを実感した。多くの質問に対しても丁寧にお答え頂いた。(福井寛 記)
講演2.「化学物質管理のためのリスク評価・リスク管理概論」
講師:伊藤雄二氏((有)相模ソリューション、技術士(化学))
化学物質を取扱う事業者は、自らリスクに基づく管理を行うことが望ましいが、化学物質のリスクへの理解は容易なことではない。御講演では最初に自己紹介も兼ねて毒性学から学んだ管理技術面の切り口、次いで化学物質のリスク評価・管理概論について述べられた。毒性学へのアプローチが重要であることが大変よく理解できた。(福井寛 記)

2月例会
2月25日(木)17:30〜19:00
講演.「時間軸を含むLCAと21世紀のエネルギー戦略」
講師:御園生誠氏(東京大学名誉教授)
大量、安価、安定的に供給可能なエネルギーの組み合わせを、資源量、経済、地政学、気候変動を勘案しながら、時間軸に沿って選択することがエネルギー戦略である。その際、各種エネルギーの評価には、定常状態のLCAだけでなく、時間軸を含む過渡状態のLCAが不可欠である。省エネ、低炭素化、自動車等の技術開発、ライフスタイルなどもこのような時間軸を頭に入れながら評価していかなければ技術を見誤る。重要な視点であると感じた。
(福井寛 記)

3月例会
3月24日(木)13:30〜17:00
講演1.「低品位炭素資源から化学原料への転換をめざしたメタンからのプロピレン生成反応」
講師:馬場俊英氏(東京工業大学大学院総合理工学研究科教授)
本講演では、将来に亘りサステイナブルな化学産業基盤を築くために、低品位炭素資源を活用できる基礎技術が述べられた。具体的には、メタンの活性化機構と、それに基づいたメタンとエチレンとの反応によるプロピレン生成反応に関する基礎研究である。低品位の炭素資源を今まで以上に効率よく化学原料に変換するため、新しい触媒開発の重要性が再認識された。(福井寛 記)
講演2.「スーパーアトムシンセサイザー〜デンドリマー活用による超原子合成〜」
講師:山元公寿氏(東京工業大学 資源化学研究所教授)
ナノサイズのデンドリマー型配位子を合成手段(シンセサイザー)に用いた金属原子クラスター化合物の精密合成法が近年飛躍的に進展している。特定原子数の金属原子クラスター化合物が、本来元素がもつ性質とは大きく異なり、あたかも別の元素のような性質を示す現象が発見されている。これは元来の原子の性質を「超える」原子様物質として「超原子(スーパーアトム)」と呼ばれ、御講演ではこの超原子の合成と性質について述べられた。(福井寛 記)

4月見学会
4月21日(木)13:00〜15:00
場所:富士フイルム小田原サイト
 富士フイルムの会社・工場の紹介を受けた後、フラットパネル工程の見学を行った。最後の質問時間ではフラットパネルの偏光版保護のみならず、液晶ディスプレーの視野拡大や反射防止なども話題となった。約1週間前の4月14日に熊本で地震があり、小田原サイトでも関連製品の製造調整などがあって大変だったと思われるが快く見学を受け入れて頂いた。感謝したいと思う。  (福井寛 記)

5月例会(講演会の前に化学部会総会開催)
5月26日(木)13:00〜17:00
講演1「超複雑系混合体、石油の分子解析による真の技術開発〜見えてきたペトロリオミクス技術開発〜」
講師:豊岡義行氏(石油エネルギー技術センター)
石油産業は世界的に成長途上にある。近年、軽質なシェールオイルがもてはやされているが、長期的には(超)重質原油の処理が必須と思われる。原油には数十万とも数百万とも言われる化合物種が含まれており、この分析・解析技術が将来の競争優位の鍵を握る。御講演では、このペトロリオミクス技術開発と石油精製プロセスについて述べられた。御講演から石油精製の技術の細部がいかに精密であるかを実感した。(福井寛 記)
講演2.「ヨウ素の高度利用をめざして」
講師:海宝龍夫氏(技術士、化学)
ヨウ素は、世界の生産量の約1/3が日本で生産され、我が国にとっては貴重な鉱物資源である。その用途は、X線造影剤、殺菌剤などの医療分野、酢酸合成触媒のような工業分野から偏光フィルムなどの電子情報材料まで幅広く、我々の生活に深く関わっている。御講演ではこのようなヨウ素関連の新規技術、ならびに最近特に注目されている超原子価ヨウ素やハロゲン結合の化学について述べられた。(福井寛 記)
講演3.「技術士会化学部会紹介」
講師:沢木 至氏(化学部会副部会長)
新入会員のために沢木至副部会長から日本技術士会および活発な活動を行なっている化学部会の紹介があった。(福井寛 記)

6月例会
6月23日(木)17:30〜19:00
講演.「発電菌が切り拓く未来のバイオプロセス」
講師:渡邉一哉氏(東京薬科大学生命科学部教授)
発電菌とは、電極との間で電子をやり取りできる微生物である。発電菌を利用すると、廃棄物バイオマスや廃水を処理しながら発電でき、微生物燃料電池が構築できる。一方、発電菌に低電位の電極を用いて電気エネルギーを与えることで、有用物質を生産する微生物電気合成も期待されている。御講演から発電菌が特別な菌ではなく、どこにでもいることや、普通の水田で発電した例を知って驚くとともに、我々が知らない領域でも密かに発電菌が活動している可能性があると感じた。面白い視点がまた1つ増えた。(福井寛 記)

7月例会
7月28日(木)13:30〜17:00
講演1.「中国の現代的石炭化学(オレフィン製造)は競争力があるか〜シェール革命と原油下落のインパクト〜」
講師:府川伊三郎氏(旭リサーチセンター)
 日本の石油化学はこれまで縮小均衡してきた。しかし、世界を見ると、中国や米国で大規模なプラントができている。石炭についても中国は自国の石炭を原料としてメタノールをつくり、メタノールからエチレンとプロピレンをつくるプロセスとメタノールからプロピレンをつくる新技術の大規模プラントを完成した。これらのプラントは中国のポリオレフィン生産能力の大幅拡大と自給率アップにつながり、隣国日本への影響が大きい。御講演ではそれらの基本情報および原油安の中で、石炭からのオレフィン製造はコスト競争力があるかが述べられた。(福井寛 記)
講演2.「低炭素技術の評価と課題―特に電池・バイオマス・水素―」
講師:岩崎博氏(技術士、科学技術推進機構/低炭素社会戦略センター 上席研究員)
昨年日本の温暖化ガス削減目標が決定され、2030年度に2013年度比26%削減する約束を国連に提出した。これを実現するためには、太陽光やバイオマスなど太陽に由来するエネルギーの利用効率を高め、現状並みの電力コストにする必要があり、また水素の利用も提唱されている。御講演では、電池、バイオマス、水素利用について開発の展望・コスト・課題について述べられた。(福井寛 記)

8月例会
8月25日(木)17:30〜19:00
講演.「ウルトラファインバブルの産業化、メカニズム解明、国際標準化」
講師:矢部彰氏(産総研特別顧問名誉リサーチャー)
直径1μm未満の気泡であるウルトラファインバブルは、洗浄技術および潤滑の良い搬送技術として実用化され、日本発の環境にやさしい技術として新産業を生みだしつつある。御講演では目視では判定できないウルトラファインバブルの計測方法、長時間液体中に保持できる理由、効果メカニズムおよび今後の応用可能性について述べられた。日本が弱い国際標準化にも取り組まれているということをお聞きし、基礎、応用、国際標準化すべてを同時進行する大変さを感じた。(福井寛 記)

9月例会
9月29日(木)13:30〜17:00
講演1.「リチウムイオン二次電池、はや四半世紀」
講師:西美緒氏(元ソニー常務執行役員)
今年はリチウムイオン二次電(LIB)の商品化 25 周年の年に当る。LIB はそれまでの電池とは異なり、新規な材料を多く使い、電気化学の知識だけでは開発は困難だった。御講演ではLIB 開発に伴って遭遇した種々の障壁についてそのような視点から述べられ、それらをどのように克服して LIB に行きついたかを紹介された。お話から、当時のソニーの創造的な風土が臨場感を持って伝わってきた。技術内容のみならず研究開発や新技術開発に対する考え方は化学部会の技術士にとって有益だったと思う。(福井寛 記)
講演2.「液晶デバイスの封止材料技術」
講師:今泉雅裕氏、技術士(化学)(日本化薬)
液晶表示装置は、情報通信技術の発展と共に進歩し、現在では小型の携帯型電子機器から大画面TVまで、幅広く採用されている。普及の背景には、大量生産に向けた液晶パネルの製造技術が大きく関わり、これ用いる封止材料も、そのプロセス技術に応じ変化してきた。御講演ではこの液晶パネルの基本技術および世代ごとの製造方法を比較し、各工法に求められる封止材料技術について述べられた。(福井寛 記)

10月見学会
10月27日(木)13:30〜15:30
場所:防衛省陸上装備研究所
 防衛省陸上装備研究所の概況説明と展示室見学、および以下の研究テーマ3件の見学を行った。
・CBRN対応遠隔操縦作業車両システムの研究
・ハイブリッド動力システムの研究
・信管衝撃シミュレーション試験装置
 防衛装備の世界も精密な電子システムと切っても切り離せないことなどが実感できた。(福井寛 記)

11月例会
11月24日(木)13:30〜17:00
講演1.「陽電子消滅を使った微小空隙(存在しない原子)の評価 〜高分子やポーラス材料の自由体積,空隙を測る〜」
講師:上殿明良氏(筑波大学数理物質系物理工学域 教授)
陽電子は固体に入射すると電子と対消滅し、主に2本のγ線を放出する。また、陽電子はイオン核からクーロン反発力を受けるため、微小空隙に局在する傾向がある。これらの特徴を利用した微小空隙を検出する陽電子消滅法の原理と応用の講演であった。化学分野においてもセラミックや高分子などの微小空隙の評価は重要で我々にとっても有用な知見であった。(福井寛 記)
講演2. 「プラスチックレンズの開発と応用」
講師:村中昌幸氏(技術士、化学)
非球面を型転写で容易に実現できるプラスチックレンズの開発に関する講演であった。アイフォーンカメラやコンタクトレンズの応用などの紹介、および市場動向を俯瞰し、プラスチックの特性を考慮したレンズ開発に必要な光学設計、レンズ材料、成形技術などが多岐に亘って話された。サンプルを見せて頂いたのでより理解が深まった。(福井寛 記)

12月例会
12月22日(木)13:30〜17:00
講演1.「サステナブル社会の実現と日本のモノづくり改革」
講師:田中千秋氏(イノベーションオフィス田中・代表、元東レ(株)代表取締役副社長・CTO)
モノづくり産業競争力が強かった日本は、1990年代に入って地盤低下傾向が始まり、技術で勝っても事業で負ける日本と言われるようになった。これを何とかしなくてはならないというのが講演の主旨である。今、世界は「地球環境・資源・エネルギー新時代」と「真のグローバル新時代」という2つの大きな歴史的転換点に立っている。この転換点をチャンスと捉えてそれに対応していくことが重要であり、日本人にはそれができるという勇気づけられる話であった。(福井寛 記)
講演2.「英・独・米の "国家戦略" で加速されたゴム技術開発の歴史」
講師:後藤幸平氏(技術士、化学)
天然ゴム市場の独占、および天然ゴムにはない耐熱性や耐油性などを発現させた合成ゴムの開発には欧米の国家戦略が大きく関与している。このゴム技術開発の歴史を俯瞰して技術開発推進のあり方についての講演であった。強いリーダーシップ、組織の統合や融合化、バックアップなどのリスク低減、他分野の人材を複合化したプロジェクトが成功の共通点として考えられ、国家プロジェクトに民間の技術をいかに上手く展開させたがキーとなる。(福井寛 記)

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