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男女共同参画推進委員会

英国での子育て

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英国での子育て

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英国での子育て・社会貢献活動を通じて豊かな人生を想う

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  井本 由里さん (日本在住)
  主婦

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 私は主婦として主人の転勤に伴い、東南アジア、欧州、英国で計15年を過ごし、海外で二人の子どもの出産、子育て、教育、社会貢献活動などを経験しました。海外生活を通して、それぞれの国の文化に触れ、女性の積極的社会参加が確立された社会を見てきました。特に9年間を過ごした英国では、男女共に社会で働く権利、家庭内では役割分担をする権利があるという意識が、社会に深く浸透していることを肌で感じました。
 英国には、父母共に育児、教育に関わるという文化が浸透しています。例えば、英国の学校では、父母会や面談、学芸会など学校行事は、平日夜あるいは、週末に開催され、父親、母親のどちらでも出席しやすい雰囲気がありました。仕事か家庭かと、女性だけが二者択一を迫られるのではなく、20年前当時から男女共に柔軟性のある働き方がありました。まだまだ日本では、イクメン、家事メンなどと呼び、特別扱いをしていますが、それが当たり前のことなのです。
 日本では出産すると、社会から「お母さん」として扱われ、夫婦間でさえもママ、パパと呼び合うことがあります。また、ママ友と呼ばれる友人たちの間では、○○君ママなどと呼び合い、母親であると同時に妻であり、一人の女性であるという意識が女性たち自身の中でさえも低いように思います。
 英国では、保育所を始めチヤィルドマインダーやベビーシッター、ナニーなど子どもを預ける文化が社会に浸透しており、うしろめたさを感じたり、批判を受けることなく子どもを預け、女性として社会で活躍したり、大人の時間を楽しむことができるのだということを知りました。子どもと親がより自立した関係を築いているのです。日本と英国、どちらの子育て文化が優れているかはわかりませんが、日本では未だ女性の社会での活躍を阻む見えない壁があるのかもしれません。
 男女共同参画のための制度や法律が成立しても、実際に社会全体に女性を支える意識が浸透しない限り、マタハラ、セクハラ、男女不平等などはなくならないと思います。家庭内、教育現場において、男女の役割分担をより柔軟にとらえ。社会全体の価値観を変えていくことが第一歩と思われます。このような価値観の変換こそが、性別、人種、学歴、年齢など個々に対応できるダイバーシティを生み出し、ひいては豊かな人生に繋がると思います。
(原稿受理日:2015.9.3)
 

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